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お祖父様編
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「失敗した?どう言うことだ?」
慌ててわたしの屋敷に顔を出したのはダイアナを隣国へ連れていくように依頼していたグランディル子爵だった。
「騎士団と公爵が突然小屋に来てダイアナ様を見つけ出してしまいました。ミリア様もホテルに泊まっているところを見つけられて先程連行されました。わたしのこともわかっているようで屋敷にたくさんの騎士達が来ています。わたしは恐ろしくなって裏から逃げて来ました」
「お前がわたしのところに来れば、わたしがお前と何か関係があるように思われるだろう。さっさとこの屋敷から出て行け!誰か、この男を追い出せ!」
「はい!」
屋敷にいた護衛が子爵の腕を掴むと引っ張るように無理やり連れて行った。
「わ、わたしは貴方に頼まれてダイアナ様を連れ出しただけです。なのにこのままではわたしが犯人にされてしまいます。助けてください!」
子爵は喚いていたがうるさいだけ。
だがこのままこの男を追い出せば全てバラしてしまうかもしれない。
「その男、地下牢にでも入れておけ」
ダイアナを売る約束はついている。もう鉱山の権利書はこちらが受け取った。
もしダイアナを渡さなければ今度はわたしの命が危なくなる。
どうにかダイアナを取り戻さなければならない。ミリアが使い物にならないなら、息子のダニエルにまた強く言わなければならない。
わたしがダニエルにこうして欲しいと言えばあいつは逆らうことはできない。そんな人形に育てたのだ。
幼い頃から言うことを聞かなければ体罰を与え、素直に言うことを聞けば褒める。これを長年続ければわたしに逆らわない良い子の息子が出来る。人間も動物もしっかりと躾ければ言うことを聞くものなんだ。
「ダイアナを手放すのは愛する娘と引き裂かれるようで辛いだろう」
そう言ってブラン王国へ行かせないようにした。
ダイアナの美しさは母親譲り。いずれ高く売れる。だが売れなければわたしの玩具にすればいい。
そう思っていた。
「ミリアに子供を産ませろ。お前がエレファと夫婦でいるためなんだから」
嫌がる息子に薬を盛り無理やりミリアとの関係を持たせた。
そして洗脳に近い状態でミリアの元へ通うダニエル。いない間にわたしはエレファを犯した。
体調がすぐれず寝込んでいるエレファのお見舞いだと称して彼女の部屋へ行き口を塞ぎことに及んだ。
恐怖で声も出せずに涙を流すエレファはとても美しかった。あの綺麗な黒髪を何度も触りながら体中にキスをした。震えて泣くエレファにキスをするとエレファは目を瞑り絶対に目を開けない。
その顔がまた美しい。
恐怖とわたしを見る憎悪。
ゾクゾクしてたまらない。
ダニエルがミリアに夢中になり家を空けることが増えた頃、わたしはエレファを犯しに息子の屋敷へと通う。ダニエルはその頃罪悪感を募らせていた。
いや罪悪感しかない。エレファの顔を見ることすらできなくなっていた。わたしがそう仕向けたのだ。
愛する妻を裏切って他の女を抱くお前をエレファはどう思うだろう?
ダニエルにそう囁くだけでダニエルは妻に会いに行けなくなった。
抵抗するエレファには「ダニエルはこのままでは公爵を継がすことはできない。お前がダニエルにしてあげられることはもうわたしに黙って抱かれることだけだ。そうすればダニエルに公爵の座を渡そう」
「お義父様……本当にダニエルに公爵の座を渡してくださるのですか?」
弱々しくわたしを見ながらダニエルのことを心配するエレファ。
「ああ、心配するな。ダニエルにはもう新しい家庭があるんだ。お前はダニエルのためにわたしに抱かれ死んでいけばいい」
「………」エレファは返事はしなかったがそれからは抵抗することすらなくなった。
エレファが亡くなる少し前、わたしに抱かれたあと初めてお願いをしてきた。
「お義父様、ダイアナをわたしの実家に預けたいと思っています。ダニエルに息子がいるのならダイアナはもういなくてもいいでしょう?」
「そうだな、ダイアナはお前の希望通りブラン王国へ行かせよう」
わたしはエレファと約束した。行かさなかったのはダニエル。
エレファとの約束は守った。だがダニエルは
『ダイアナを手放すのは愛する娘と引き裂かれるようで辛いだろう』
わたしの言葉で手放すこともできずにずっとダイアナを屋敷に置いた。
慌ててわたしの屋敷に顔を出したのはダイアナを隣国へ連れていくように依頼していたグランディル子爵だった。
「騎士団と公爵が突然小屋に来てダイアナ様を見つけ出してしまいました。ミリア様もホテルに泊まっているところを見つけられて先程連行されました。わたしのこともわかっているようで屋敷にたくさんの騎士達が来ています。わたしは恐ろしくなって裏から逃げて来ました」
「お前がわたしのところに来れば、わたしがお前と何か関係があるように思われるだろう。さっさとこの屋敷から出て行け!誰か、この男を追い出せ!」
「はい!」
屋敷にいた護衛が子爵の腕を掴むと引っ張るように無理やり連れて行った。
「わ、わたしは貴方に頼まれてダイアナ様を連れ出しただけです。なのにこのままではわたしが犯人にされてしまいます。助けてください!」
子爵は喚いていたがうるさいだけ。
だがこのままこの男を追い出せば全てバラしてしまうかもしれない。
「その男、地下牢にでも入れておけ」
ダイアナを売る約束はついている。もう鉱山の権利書はこちらが受け取った。
もしダイアナを渡さなければ今度はわたしの命が危なくなる。
どうにかダイアナを取り戻さなければならない。ミリアが使い物にならないなら、息子のダニエルにまた強く言わなければならない。
わたしがダニエルにこうして欲しいと言えばあいつは逆らうことはできない。そんな人形に育てたのだ。
幼い頃から言うことを聞かなければ体罰を与え、素直に言うことを聞けば褒める。これを長年続ければわたしに逆らわない良い子の息子が出来る。人間も動物もしっかりと躾ければ言うことを聞くものなんだ。
「ダイアナを手放すのは愛する娘と引き裂かれるようで辛いだろう」
そう言ってブラン王国へ行かせないようにした。
ダイアナの美しさは母親譲り。いずれ高く売れる。だが売れなければわたしの玩具にすればいい。
そう思っていた。
「ミリアに子供を産ませろ。お前がエレファと夫婦でいるためなんだから」
嫌がる息子に薬を盛り無理やりミリアとの関係を持たせた。
そして洗脳に近い状態でミリアの元へ通うダニエル。いない間にわたしはエレファを犯した。
体調がすぐれず寝込んでいるエレファのお見舞いだと称して彼女の部屋へ行き口を塞ぎことに及んだ。
恐怖で声も出せずに涙を流すエレファはとても美しかった。あの綺麗な黒髪を何度も触りながら体中にキスをした。震えて泣くエレファにキスをするとエレファは目を瞑り絶対に目を開けない。
その顔がまた美しい。
恐怖とわたしを見る憎悪。
ゾクゾクしてたまらない。
ダニエルがミリアに夢中になり家を空けることが増えた頃、わたしはエレファを犯しに息子の屋敷へと通う。ダニエルはその頃罪悪感を募らせていた。
いや罪悪感しかない。エレファの顔を見ることすらできなくなっていた。わたしがそう仕向けたのだ。
愛する妻を裏切って他の女を抱くお前をエレファはどう思うだろう?
ダニエルにそう囁くだけでダニエルは妻に会いに行けなくなった。
抵抗するエレファには「ダニエルはこのままでは公爵を継がすことはできない。お前がダニエルにしてあげられることはもうわたしに黙って抱かれることだけだ。そうすればダニエルに公爵の座を渡そう」
「お義父様……本当にダニエルに公爵の座を渡してくださるのですか?」
弱々しくわたしを見ながらダニエルのことを心配するエレファ。
「ああ、心配するな。ダニエルにはもう新しい家庭があるんだ。お前はダニエルのためにわたしに抱かれ死んでいけばいい」
「………」エレファは返事はしなかったがそれからは抵抗することすらなくなった。
エレファが亡くなる少し前、わたしに抱かれたあと初めてお願いをしてきた。
「お義父様、ダイアナをわたしの実家に預けたいと思っています。ダニエルに息子がいるのならダイアナはもういなくてもいいでしょう?」
「そうだな、ダイアナはお前の希望通りブラン王国へ行かせよう」
わたしはエレファと約束した。行かさなかったのはダニエル。
エレファとの約束は守った。だがダニエルは
『ダイアナを手放すのは愛する娘と引き裂かれるようで辛いだろう』
わたしの言葉で手放すこともできずにずっとダイアナを屋敷に置いた。
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