17 / 55
お義母様とイザベラ様②
祭りのことを断ったら今度はお義母様とイザベラ様が次の日わたしの部屋にやって来た。
お義母様はあからさまにわたしに対してひどい態度は取らない。
イザベラ様ははっきりと敵意を剥き出しにしてくるけど。
「セレンったらお祭りの参加は妻として次期公爵夫人として大切なことなのよ?」
「あ、はい、でも仕事が溜まっていますので参加する余裕はーー」
「そんなことではスティーブの妻としてやって行けないわ。上手に時間を作るのも大切なことよ」
「はあ、まあ、ソウデスネ」
ーー貴女はわたしに仕事を押し付けたから好きなだけ自由な時間があるかもしれないけど、わたしは不慣れなんだから無理に決まってるじゃない!!
と言いたいところだけど、ぐっと我慢した。
スティーブ様には言えるけど流石に公爵夫人には言えない。
イザベラ様はお義母様の隣でクスッと笑うと
「おば様?わたしが代わりにスティーブとご一緒しましょうか?セレン様は妻の勤めも出来ないようだから」と言った。
「え?本当ですか?助かりました。よろしくお願いいたします」
わたしは「ちょっとお待ちくださいね」と言って急いで執務室へ戻った。
机に山積みにされた書類の中を掻き分けて、重たい封筒を持ってイザベラ様とお母様のところへ戻った。
「じゃあこちらをお願いいたします」
「え?これは何かしら?」
「お祭りに出席するに当たってご挨拶をしなければいけない貴族の方達のお名前とその家族について。それから主催者達のお名前とその方の職業です。ご挨拶する時に一人一人お話をしなければいけませんので全て頭に入れておいてください。あと公爵家とお付き合いのある方についてはご趣味やその方の最近の出来事なども書いてあります。わたしはある程度お義母様に教わって頭に入れているので新しい情報だけでいいのですがイザベラ様は初めてなので一から覚えてくださいね。あと2週間もあるので、優秀なイザベラ様だったら簡単なことだと思います。本当に不甲斐ない妻で申し訳ありません。ただの幼馴染でしかないイザベラ様が夫のためにそこまでしてくださって感謝いたしますわ」
ーーあ~、長い話だった。話すのも疲れるわ。
わたしはお二人に微笑んで「では仕事がまだまだ残っておりますので」と言ってその場を立ち去った。
「ちょ、ちょっと!」
後ろから叫び声が聞こえたけどーー
無視よ無視!
ふふふふふ。
お義母様はあからさまにわたしに対してひどい態度は取らない。
イザベラ様ははっきりと敵意を剥き出しにしてくるけど。
「セレンったらお祭りの参加は妻として次期公爵夫人として大切なことなのよ?」
「あ、はい、でも仕事が溜まっていますので参加する余裕はーー」
「そんなことではスティーブの妻としてやって行けないわ。上手に時間を作るのも大切なことよ」
「はあ、まあ、ソウデスネ」
ーー貴女はわたしに仕事を押し付けたから好きなだけ自由な時間があるかもしれないけど、わたしは不慣れなんだから無理に決まってるじゃない!!
と言いたいところだけど、ぐっと我慢した。
スティーブ様には言えるけど流石に公爵夫人には言えない。
イザベラ様はお義母様の隣でクスッと笑うと
「おば様?わたしが代わりにスティーブとご一緒しましょうか?セレン様は妻の勤めも出来ないようだから」と言った。
「え?本当ですか?助かりました。よろしくお願いいたします」
わたしは「ちょっとお待ちくださいね」と言って急いで執務室へ戻った。
机に山積みにされた書類の中を掻き分けて、重たい封筒を持ってイザベラ様とお母様のところへ戻った。
「じゃあこちらをお願いいたします」
「え?これは何かしら?」
「お祭りに出席するに当たってご挨拶をしなければいけない貴族の方達のお名前とその家族について。それから主催者達のお名前とその方の職業です。ご挨拶する時に一人一人お話をしなければいけませんので全て頭に入れておいてください。あと公爵家とお付き合いのある方についてはご趣味やその方の最近の出来事なども書いてあります。わたしはある程度お義母様に教わって頭に入れているので新しい情報だけでいいのですがイザベラ様は初めてなので一から覚えてくださいね。あと2週間もあるので、優秀なイザベラ様だったら簡単なことだと思います。本当に不甲斐ない妻で申し訳ありません。ただの幼馴染でしかないイザベラ様が夫のためにそこまでしてくださって感謝いたしますわ」
ーーあ~、長い話だった。話すのも疲れるわ。
わたしはお二人に微笑んで「では仕事がまだまだ残っておりますので」と言ってその場を立ち去った。
「ちょ、ちょっと!」
後ろから叫び声が聞こえたけどーー
無視よ無視!
ふふふふふ。
あなたにおすすめの小説
【完結】愛してるなんて言うから
空原海
恋愛
「メアリー、俺はこの婚約を破棄したい」
婚約が決まって、三年が経とうかという頃に切り出された婚約破棄。
婚約の理由は、アラン様のお父様とわたしのお母様が、昔恋人同士だったから。
――なんだそれ。ふざけてんのか。
わたし達は婚約解消を前提とした婚約を、互いに了承し合った。
第1部が恋物語。
第2部は裏事情の暴露大会。親世代の愛憎確執バトル、スタートッ!
※ 一話のみ挿絵があります。サブタイトルに(※挿絵あり)と表記しております。
苦手な方、ごめんなさい。挿絵の箇所は、するーっと流してくださると幸いです。
一途な皇帝は心を閉ざした令嬢を望む
浅海 景
恋愛
幼い頃からの婚約者であった王太子より婚約解消を告げられたシャーロット。傷心の最中に心無い言葉を聞き、信じていたものが全て偽りだったと思い込み、絶望のあまり心を閉ざしてしまう。そんな中、帝国から皇帝との縁談がもたらされ、侯爵令嬢としての責任を果たすべく承諾する。
「もう誰も信じない。私はただ責務を果たすだけ」
一方、皇帝はシャーロットを愛していると告げると、言葉通りに溺愛してきてシャーロットの心を揺らす。
傷つくことに怯えて心を閉ざす令嬢と一途に想い続ける青年皇帝の物語
沈黙の指輪 ―公爵令嬢の恋慕―
柴田はつみ
恋愛
公爵家の令嬢シャルロッテは、政略結婚で財閥御曹司カリウスと結ばれた。
最初は形式だけの結婚だったが、優しく包み込むような夫の愛情に、彼女の心は次第に解けていく。
しかし、蜜月のあと訪れたのは小さな誤解の連鎖だった。
カリウスの秘書との噂、消えた指輪、隠された手紙――そして「君を幸せにできない」という冷たい言葉。
離婚届の上に、涙が落ちる。
それでもシャルロッテは信じたい。
あの日、薔薇の庭で誓った“永遠”を。
すれ違いと沈黙の夜を越えて、二人の愛はもう一度咲くのだろうか。
【完結】彼を幸せにする十の方法
玉響なつめ
恋愛
貴族令嬢のフィリアには婚約者がいる。
フィリアが望んで結ばれた婚約、その相手であるキリアンはいつだって冷静だ。
婚約者としての義務は果たしてくれるし常に彼女を尊重してくれる。
しかし、フィリアが望まなければキリアンは動かない。
婚約したのだからいつかは心を開いてくれて、距離も縮まる――そう信じていたフィリアの心は、とある夜会での事件でぽっきり折れてしまった。
婚約を解消することは難しいが、少なくともこれ以上迷惑をかけずに夫婦としてどうあるべきか……フィリアは悩みながらも、キリアンが一番幸せになれる方法を探すために行動を起こすのだった。
※小説家になろう・カクヨムにも掲載しています。
大好きな旦那様はどうやら聖女様のことがお好きなようです
古堂すいう
恋愛
祖父から溺愛され我儘に育った公爵令嬢セレーネは、婚約者である皇子から衆目の中、突如婚約破棄を言い渡される。
皇子の横にはセレーネが嫌う男爵令嬢の姿があった。
他人から冷たい視線を浴びたことなどないセレーネに戸惑うばかり、そんな彼女に所有財産没収の命が下されようとしたその時。
救いの手を差し伸べたのは神官長──エルゲンだった。
セレーネは、エルゲンと婚姻を結んだ当初「穏やかで誰にでも微笑むつまらない人」だという印象をもっていたけれど、共に生活する内に徐々に彼の人柄に惹かれていく。
だけれど彼には想い人が出来てしまったようで──…。
「今度はわたくしが恩を返すべきなんですわ!」
今まで自分のことばかりだったセレーネは、初めて人のために何かしたいと思い立ち、大好きな旦那様のために奮闘するのだが──…。
【完結済】次こそは愛されるかもしれないと、期待した私が愚かでした。
こゆき
恋愛
リーゼッヒ王国、王太子アレン。
彼の婚約者として、清く正しく生きてきたヴィオラ・ライラック。
皆に祝福されたその婚約は、とてもとても幸せなものだった。
だが、学園にとあるご令嬢が転入してきたことにより、彼女の生活は一変してしまう。
何もしていないのに、『ヴィオラがそのご令嬢をいじめている』とみんなが言うのだ。
どれだけ違うと訴えても、誰も信じてはくれなかった。
絶望と悲しみにくれるヴィオラは、そのまま隣国の王太子──ハイル帝国の王太子、レオへと『同盟の証』という名の厄介払いとして嫁がされてしまう。
聡明な王子としてリーゼッヒ王国でも有名だったレオならば、己の無罪を信じてくれるかと期待したヴィオラだったが──……
※在り来りなご都合主義設定です
※『悪役令嬢は自分磨きに忙しい!』の合間の息抜き小説です
※つまりは行き当たりばったり
※不定期掲載な上に雰囲気小説です。ご了承ください
4/1 HOT女性向け2位に入りました。ありがとうございます!
すれ違う思い、私と貴方の恋の行方…
アズやっこ
恋愛
私には婚約者がいる。
婚約者には役目がある。
例え、私との時間が取れなくても、
例え、一人で夜会に行く事になっても、
例え、貴方が彼女を愛していても、
私は貴方を愛してる。
❈ 作者独自の世界観です。
❈ 女性視点、男性視点があります。
❈ ふんわりとした設定なので温かい目でお願いします。
【完結】この胸が痛むのは
Mimi
恋愛
「アグネス嬢なら」
彼がそう言ったので。
私は縁組をお受けすることにしました。
そのひとは、亡くなった姉の恋人だった方でした。
亡き姉クラリスと婚約間近だった第三王子アシュフォード殿下。
殿下と出会ったのは私が先でしたのに。
幼い私をきっかけに、顔を合わせた姉に殿下は恋をしたのです……
姉が亡くなって7年。
政略婚を拒否したい王弟アシュフォードが
『彼女なら結婚してもいい』と、指名したのが最愛のひとクラリスの妹アグネスだった。
亡くなった恋人と同い年になり、彼女の面影をまとうアグネスに、アシュフォードは……
*****
サイドストーリー
『この胸に抱えたものは』全13話も公開しています。
こちらの結末ネタバレを含んだ内容です。
読了後にお立ち寄りいただけましたら、幸いです
* 他サイトで公開しています。
どうぞよろしくお願い致します。