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エディ様の病気。
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白い結婚から半年。
お義母様との付き合い方にも慣れて、仕事にも慣れたこの頃。
スティーブ様とは相変わらず必要最低限の会話で済ませている。
サリーは今日もわたしのためにお花を生けてくれる。
「この花は?」
「アネモネです」
「赤と青、珍しいわね、赤いお花を生けてくれるの」
「……あ、はい、青いお花がお好きなのは知っているのですが……どうしても赤い花をと……」
「そう……庭師にありがとうと伝えておいて」
赤いアネモネは庭師のおじさんが選んでくれたのだろう。
「あ、はいかしこまりました」
「ところで最近イザベラ様があまりわたしの前に現れないのだけど……」
「それは……まぁ、セレン様には……その、イザベラ様も……」
「少しは成果が現れたのかしら?」
「は、はい?」
イザベラ様があまりにも露骨に嫌味を言ってくるので、嫌がらせついでに花嫁修行(勝手に)として会うたびに次期公爵夫人としてしないといけない仕事を振ってあげていた。
「イザベラ様が居てくださって助かります。あの不甲斐ないわたしの代わりにぜひ今回は礼状を書いていただけたらと」と言って100通ほどお願いしたら
「もう無理!わたしは遊びに来ているだけなの!」
と言うから
「でも結婚したばかりの頃、『わたしだったらこんな仕事簡単にこなせるわ』と頼もしい事を仰ってましたよね?
『ではいつでもお力になっていただけますね?』と聞いたら『貴女なんかに聞かなくても見ただけですぐ出来るわ』と言っていましたから……わたしはトロくて何でもこなせませんがイザベラ様はとても優秀なスティーブ様の幼馴染だと聞いております」
と言ったら『お貸しなさい!』とぶつぶつ言いながら仕事をしてくれた。
ま、半分くらいは書き直しになったんだけど。
イザベラ様って名前のスペル間違っているし、インクを飛ばして汚したまま書いているからこのまま出すことも出来ないし、最後の方なんて字が適当で……
本気でこんなことで次期公爵夫人になれるのか心配になった。
イザベラ避けの仕方も覚えたしこの屋敷での生活もかなり慣れてきた。
可愛らしいお花を見ながらゆっくりと目を閉じた。
「エディ様が?」
エディ様が高熱を出したらしい。
「ですのでしばらくはエディ様の部屋には近寄らないでくださいませ」
侍女長は少し苦手。
お義母様とイザベラ様のことを崇拝でもしているのか、わたしのことを毛嫌いしている。
大体結婚しているわたしが、エディ様の部屋に一人で行くわけないじゃない!行く時はサリーか侍従についてきてもらっているわ。
変な誤解をされて噂でもされたら、それこそイザベラ様のターゲットにされてしまうわ。
「あまり酷くならなければいいのるだけど」
案の定、高熱から肺炎を引き起こしたらしい。
「スティーブ様!」
わたしは初めて彼の部屋に訪れた。
「セレン?どうした?」
「エディ様が肺炎を起こしたと聞きました。わたしお見舞いに行きたいのです」
「駄目だ、かなり悪いんだ。会うことはできないよ」
「命に関わるくらい悪いのでしたらわたしはどうしてもエディ様に会いに行きたい」
「君は……怪我だけではなく病気も治せるのか?」
「怪我の場合は治す時痛みを感じます。病気の時は……その時はやはり熱がかなり上昇したり腹痛ならお腹の痛みがひどくなります。でもそれは一瞬だったり数分くらいです、そのあと絶対に治ります。
わたしの癒しの魔法は少しだけリスクがあるのですが、エディ様が死んでしまうよりマシだと思います」
「エディが死ぬわけがないだろう!」
「わかっています。それでも……いざと言うことを考えれば治してあげたいです」
「エディは以前も治してもらった……だから信じるよ」
「スティーブ様こそわたしのこの力を誰にも言わず黙っていてもらってありがとうございました」
結婚して初めてまともな会話をした。
やれば普通の会話もできるじゃん。
そう思いながら二人でエディ様の部屋へ向かった。
お義母様との付き合い方にも慣れて、仕事にも慣れたこの頃。
スティーブ様とは相変わらず必要最低限の会話で済ませている。
サリーは今日もわたしのためにお花を生けてくれる。
「この花は?」
「アネモネです」
「赤と青、珍しいわね、赤いお花を生けてくれるの」
「……あ、はい、青いお花がお好きなのは知っているのですが……どうしても赤い花をと……」
「そう……庭師にありがとうと伝えておいて」
赤いアネモネは庭師のおじさんが選んでくれたのだろう。
「あ、はいかしこまりました」
「ところで最近イザベラ様があまりわたしの前に現れないのだけど……」
「それは……まぁ、セレン様には……その、イザベラ様も……」
「少しは成果が現れたのかしら?」
「は、はい?」
イザベラ様があまりにも露骨に嫌味を言ってくるので、嫌がらせついでに花嫁修行(勝手に)として会うたびに次期公爵夫人としてしないといけない仕事を振ってあげていた。
「イザベラ様が居てくださって助かります。あの不甲斐ないわたしの代わりにぜひ今回は礼状を書いていただけたらと」と言って100通ほどお願いしたら
「もう無理!わたしは遊びに来ているだけなの!」
と言うから
「でも結婚したばかりの頃、『わたしだったらこんな仕事簡単にこなせるわ』と頼もしい事を仰ってましたよね?
『ではいつでもお力になっていただけますね?』と聞いたら『貴女なんかに聞かなくても見ただけですぐ出来るわ』と言っていましたから……わたしはトロくて何でもこなせませんがイザベラ様はとても優秀なスティーブ様の幼馴染だと聞いております」
と言ったら『お貸しなさい!』とぶつぶつ言いながら仕事をしてくれた。
ま、半分くらいは書き直しになったんだけど。
イザベラ様って名前のスペル間違っているし、インクを飛ばして汚したまま書いているからこのまま出すことも出来ないし、最後の方なんて字が適当で……
本気でこんなことで次期公爵夫人になれるのか心配になった。
イザベラ避けの仕方も覚えたしこの屋敷での生活もかなり慣れてきた。
可愛らしいお花を見ながらゆっくりと目を閉じた。
「エディ様が?」
エディ様が高熱を出したらしい。
「ですのでしばらくはエディ様の部屋には近寄らないでくださいませ」
侍女長は少し苦手。
お義母様とイザベラ様のことを崇拝でもしているのか、わたしのことを毛嫌いしている。
大体結婚しているわたしが、エディ様の部屋に一人で行くわけないじゃない!行く時はサリーか侍従についてきてもらっているわ。
変な誤解をされて噂でもされたら、それこそイザベラ様のターゲットにされてしまうわ。
「あまり酷くならなければいいのるだけど」
案の定、高熱から肺炎を引き起こしたらしい。
「スティーブ様!」
わたしは初めて彼の部屋に訪れた。
「セレン?どうした?」
「エディ様が肺炎を起こしたと聞きました。わたしお見舞いに行きたいのです」
「駄目だ、かなり悪いんだ。会うことはできないよ」
「命に関わるくらい悪いのでしたらわたしはどうしてもエディ様に会いに行きたい」
「君は……怪我だけではなく病気も治せるのか?」
「怪我の場合は治す時痛みを感じます。病気の時は……その時はやはり熱がかなり上昇したり腹痛ならお腹の痛みがひどくなります。でもそれは一瞬だったり数分くらいです、そのあと絶対に治ります。
わたしの癒しの魔法は少しだけリスクがあるのですが、エディ様が死んでしまうよりマシだと思います」
「エディが死ぬわけがないだろう!」
「わかっています。それでも……いざと言うことを考えれば治してあげたいです」
「エディは以前も治してもらった……だから信じるよ」
「スティーブ様こそわたしのこの力を誰にも言わず黙っていてもらってありがとうございました」
結婚して初めてまともな会話をした。
やれば普通の会話もできるじゃん。
そう思いながら二人でエディ様の部屋へ向かった。
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