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26話。 ロード編 ③
カリナは確かに男爵家から除籍され平民になった。
理由は貴族令嬢であるカリナが、婚約者がいるのに男にだらしなく、婚約者のいる男にまで粉をかけてその気にさせては婚約解消をさせて捨てると言う碌でもないことばかりしていたからだった。
もちろん婚約者に婚約破棄され、問題を起こし過ぎたカリナは男爵家から除名され平民となり町に放逐された。
しかし元々明るく人懐っこい性格。裏を返せば強かで人を操るのが上手い。
貴族令息達から『薬』を教えられ、その『薬』を使い楽しむようになっていたカリナは平民になるとその『薬』を買うお金を稼ぐために、平民に『薬』を売り出した。
最初はカリナに気がある男達に。
それに味をしめたのか少しずつお金持ちの男を狙うようになっていく。流石にカリナを放っておけなくなり、カリナを捕まえようと警備隊、そして騎士団が動き始めた。
しかしカリナを捕まえるだけでは意味がない。どうせなら貴族の中にまで蔓延った『薬』の入手先、大元を捕らえなければ意味がない。
騎士団も貴族に手を出すのは難しい。確実な証拠がなければ圧力で握りつぶされる。なかなか捕まえることが出来ずに半分くらい諦めていた騎士団は自由気ままに動いて回るカリナに注目した。
カリナが平民達の間に『薬』を売り始めた。
カリナの動きを知るためには近くにいる必要がある。抜擢されたのが俺だった。
カリナに恋人として認識されるように振る舞う。
『カリナとは恋人のように動きますが、彼女と深い関係にはなりません。あくまで好きだから送り迎えをしたりデートをする程度までです。それ以上のことを求められるのなら、そこにいるジャックに命令してください』
『えっ?俺?俺はカリナとは無理だよ。貴族だし騎士団に入っているからね。サポートに徹するよ』
ジャックは騎士団から派遣された騎士。平民の俺と気が合い、仕事仲間として接してきた。
だけど今回の命令を受けて、平民と貴族の騎士にははっきりと立場の違いがあることを突きつけられた。
ジャックの騎士としての地位に傷をつけるわけにはいかない。貴族でありいずれ王立騎士団の団長を目指すエリートの彼にそんな汚れ役はさせられない。
俺のように街の警備隊の平民は使い捨てが出来る。街中でどんな噂をされても俺は所詮平民。結婚に醜聞はついて回らないし、家名を傷つけることもない。貴族のように面倒なしがらみなんてない。
だけど俺にだって守りたいものはある。
好きなダリアに勘違いされて、好きでもない女の顔を毎日見ないといけない。機嫌を取って面白くもない会話をして。
俺にとって一番大切なのはダリアなのに。
恋人として接していた時ダリアに絡むうるさい女達、俺がそれをなんとかしようと悩んでいたがどうしていいのかわからなかった。
その女達がカリナのことがあってさらにダリアに色々言っていると聞いた。
ジャックが「俺が動いてみる」と言い出してダリアに近づいた。
俺はカリナに疑われては困るのでジャックが動いてくれるのを内心腹を立てながらもグッと耐えた。二人が歩く姿を偶然見た時はショックだった。こんな想いをダリアはずっとしているんだと思うと仕事なんて辞めたくなる。
もちろんダリアはもう俺のことなんてなんとも思ってないかもしれない。
それでも(偽)でしかない関係だけど、幼馴染でずっと一緒に育ったんだ。ダリアが俺を簡単には嫌わないでいてくれると願っている。
今回の隣町に出来た新しいカフェ。
そこは伯爵家が資金を出して始めた店。カリナはその店を中心に『薬』を手に入れてさらに売り捌くらしい。
今まではコソコソと『薬』を手に入れていたカリナ。
貴族に売るよりも平民に売るほうが客数が無限にいるので大元の伯爵家も客を平民にシフトさせることにしたらしい。
そこで始めたのがカフェ。この店ならカリナが出入りしても怪しまれないし、これから売人を増やすためにもカフェはお誂え向き。
そこに行きたいと俺に言ってきた。
ずっとそばにいて見張っていたが、彼女がカフェに行くのは今回が初めて。本格的に動き始めるのだろう。
『薬』を手に入れるところを押さえれば、あとは騎士団が貴族達も捕まえることができる。
あと少し。
だけど……ダリアに会うことが出来なければ誤解を解くことすら出来ない。
なんでジャックはダリアに簡単に会いに行くんだ。俺の方が会いたくて仕方がないのに。
そう思っていた時、俺の変な噂を聞いた。
俺はダリアと付き合う前、何人もの女と遊んでいるらしいと。一夜を共にした女もいると。
はっ?ふざけんな!俺はダリア一筋だ!
ずっとずっと好きで、他の女なんてウザいしクソでしかないのに。
そしてその遊んだ女達がダリアに絡んでいると聞いて頭に血がのぼった。
ーーーったく、ふざけんな!ダリアをどれだけ傷つけるんだ!ちくしょう!
「ジャック、あんた俺の噂知ってただろう?」
「うん?まあ、それなりに。ロードは噂に疎すぎるんじゃない?他にもあるのに知らないだろう?」
「他ってなんだ?俺はこのクソ面倒で嫌な仕事をさっさと終わらせるために必死でやってるんだ。噂なんて誰も俺の耳に入れてはくれない。なんのことだ?」
ジャックの説明に唖然とした。
俺が女と遊んでいる噂のせいで、それでダリアが酷いことを言われていると聞いた。それだけでも腹が立って、女達に怒鳴りに行きたいのに。
ダリアの情報を勝手に使用人がお金をもらいその女達に売っていたらしい。そしてダリアがいく先々で絡んでいたと聞いた。
さらにあの屋敷の当主とダリアに関係があり愛人になっていると噂が立っていた?その噂は当主を始めジャック達が動いて落ち着いてきたと聞いた。
じゃあ、屋敷に行っても会わせてもらえないのは誰のせいなんだ?
俺がダリアと付き合っているのに浮気していると思われているから?
それともそのお金をもらって情報を売った使用人達のせい?
まさか本当にダリアは俺を見限ったのか?俺がカリナに夢中だと思っている?
思い出すのはこの前言ってしまった言葉。
『あっ………幼馴染なんだ』
あの言葉は、ダリアの中でもう終わりを告げるものになったかもしれない。
早くカリナ達犯罪者を捕まえる。
そしてダリアに会いたい。
俺は焦っていた。
理由は貴族令嬢であるカリナが、婚約者がいるのに男にだらしなく、婚約者のいる男にまで粉をかけてその気にさせては婚約解消をさせて捨てると言う碌でもないことばかりしていたからだった。
もちろん婚約者に婚約破棄され、問題を起こし過ぎたカリナは男爵家から除名され平民となり町に放逐された。
しかし元々明るく人懐っこい性格。裏を返せば強かで人を操るのが上手い。
貴族令息達から『薬』を教えられ、その『薬』を使い楽しむようになっていたカリナは平民になるとその『薬』を買うお金を稼ぐために、平民に『薬』を売り出した。
最初はカリナに気がある男達に。
それに味をしめたのか少しずつお金持ちの男を狙うようになっていく。流石にカリナを放っておけなくなり、カリナを捕まえようと警備隊、そして騎士団が動き始めた。
しかしカリナを捕まえるだけでは意味がない。どうせなら貴族の中にまで蔓延った『薬』の入手先、大元を捕らえなければ意味がない。
騎士団も貴族に手を出すのは難しい。確実な証拠がなければ圧力で握りつぶされる。なかなか捕まえることが出来ずに半分くらい諦めていた騎士団は自由気ままに動いて回るカリナに注目した。
カリナが平民達の間に『薬』を売り始めた。
カリナの動きを知るためには近くにいる必要がある。抜擢されたのが俺だった。
カリナに恋人として認識されるように振る舞う。
『カリナとは恋人のように動きますが、彼女と深い関係にはなりません。あくまで好きだから送り迎えをしたりデートをする程度までです。それ以上のことを求められるのなら、そこにいるジャックに命令してください』
『えっ?俺?俺はカリナとは無理だよ。貴族だし騎士団に入っているからね。サポートに徹するよ』
ジャックは騎士団から派遣された騎士。平民の俺と気が合い、仕事仲間として接してきた。
だけど今回の命令を受けて、平民と貴族の騎士にははっきりと立場の違いがあることを突きつけられた。
ジャックの騎士としての地位に傷をつけるわけにはいかない。貴族でありいずれ王立騎士団の団長を目指すエリートの彼にそんな汚れ役はさせられない。
俺のように街の警備隊の平民は使い捨てが出来る。街中でどんな噂をされても俺は所詮平民。結婚に醜聞はついて回らないし、家名を傷つけることもない。貴族のように面倒なしがらみなんてない。
だけど俺にだって守りたいものはある。
好きなダリアに勘違いされて、好きでもない女の顔を毎日見ないといけない。機嫌を取って面白くもない会話をして。
俺にとって一番大切なのはダリアなのに。
恋人として接していた時ダリアに絡むうるさい女達、俺がそれをなんとかしようと悩んでいたがどうしていいのかわからなかった。
その女達がカリナのことがあってさらにダリアに色々言っていると聞いた。
ジャックが「俺が動いてみる」と言い出してダリアに近づいた。
俺はカリナに疑われては困るのでジャックが動いてくれるのを内心腹を立てながらもグッと耐えた。二人が歩く姿を偶然見た時はショックだった。こんな想いをダリアはずっとしているんだと思うと仕事なんて辞めたくなる。
もちろんダリアはもう俺のことなんてなんとも思ってないかもしれない。
それでも(偽)でしかない関係だけど、幼馴染でずっと一緒に育ったんだ。ダリアが俺を簡単には嫌わないでいてくれると願っている。
今回の隣町に出来た新しいカフェ。
そこは伯爵家が資金を出して始めた店。カリナはその店を中心に『薬』を手に入れてさらに売り捌くらしい。
今まではコソコソと『薬』を手に入れていたカリナ。
貴族に売るよりも平民に売るほうが客数が無限にいるので大元の伯爵家も客を平民にシフトさせることにしたらしい。
そこで始めたのがカフェ。この店ならカリナが出入りしても怪しまれないし、これから売人を増やすためにもカフェはお誂え向き。
そこに行きたいと俺に言ってきた。
ずっとそばにいて見張っていたが、彼女がカフェに行くのは今回が初めて。本格的に動き始めるのだろう。
『薬』を手に入れるところを押さえれば、あとは騎士団が貴族達も捕まえることができる。
あと少し。
だけど……ダリアに会うことが出来なければ誤解を解くことすら出来ない。
なんでジャックはダリアに簡単に会いに行くんだ。俺の方が会いたくて仕方がないのに。
そう思っていた時、俺の変な噂を聞いた。
俺はダリアと付き合う前、何人もの女と遊んでいるらしいと。一夜を共にした女もいると。
はっ?ふざけんな!俺はダリア一筋だ!
ずっとずっと好きで、他の女なんてウザいしクソでしかないのに。
そしてその遊んだ女達がダリアに絡んでいると聞いて頭に血がのぼった。
ーーーったく、ふざけんな!ダリアをどれだけ傷つけるんだ!ちくしょう!
「ジャック、あんた俺の噂知ってただろう?」
「うん?まあ、それなりに。ロードは噂に疎すぎるんじゃない?他にもあるのに知らないだろう?」
「他ってなんだ?俺はこのクソ面倒で嫌な仕事をさっさと終わらせるために必死でやってるんだ。噂なんて誰も俺の耳に入れてはくれない。なんのことだ?」
ジャックの説明に唖然とした。
俺が女と遊んでいる噂のせいで、それでダリアが酷いことを言われていると聞いた。それだけでも腹が立って、女達に怒鳴りに行きたいのに。
ダリアの情報を勝手に使用人がお金をもらいその女達に売っていたらしい。そしてダリアがいく先々で絡んでいたと聞いた。
さらにあの屋敷の当主とダリアに関係があり愛人になっていると噂が立っていた?その噂は当主を始めジャック達が動いて落ち着いてきたと聞いた。
じゃあ、屋敷に行っても会わせてもらえないのは誰のせいなんだ?
俺がダリアと付き合っているのに浮気していると思われているから?
それともそのお金をもらって情報を売った使用人達のせい?
まさか本当にダリアは俺を見限ったのか?俺がカリナに夢中だと思っている?
思い出すのはこの前言ってしまった言葉。
『あっ………幼馴染なんだ』
あの言葉は、ダリアの中でもう終わりを告げるものになったかもしれない。
早くカリナ達犯罪者を捕まえる。
そしてダリアに会いたい。
俺は焦っていた。
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