『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる

仙道

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第4話「エルフの涙と契約」

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 妹のミナが完全に意識を取り戻すまで、そう時間はかからなかった。  死の淵にいたのが嘘のように、彼女はベッドの上で体を起こし、姉の手を握り返している。

「本当にお姉ちゃんが治してくれたの? あの伝説の薬で?」 
「私じゃないわ。あそこにいる、カズヤさんが持ってきてくれたのよ」

 リーナが俺の方を指差す。  ミナの視線が俺に向く。大きな瞳には、感謝よりも先に畏敬の色が浮かんでいた。

「あ、ありがとうございます……! なんとお礼を言えばいいか……」 
「礼なら姉から貰うことになっている。気にするな」

 俺は簡潔に返す。  ミナはまだ病み上がりだ。長話をするつもりはない。  俺はリーナに目配せをして、小屋の外に出た。

 しばらくして、リーナも出てくる。  その目は赤く腫れていたが、表情は憑き物が落ちたように晴れやかだった。  彼女は俺の前に立つと、その場に膝をつき、深く頭を垂れた。

「カズヤさん。改めて、お礼を言わせてください」

 彼女の声は震えていた。

「ミナは、私の全てでした。両親を早くに亡くして、二人だけで生きてきて……ミナを失ったら、私も後を追うつもりでした」 
「……そうか」 
「貴方は、私の命そのものを救ってくれたんです。それも、本来なら国一つ買えるような秘薬を、惜しげもなく使って……」

 彼女が顔を上げる。  その瞳には、崇拝に近い感情が宿っていた。

「この命、貴方に捧げます。私の弓も、体も、これからの時間の全てを、貴方のために使わせてください」

 大袈裟な言葉だが、彼女の本心だろう。  エルフは一度誓った契約を絶対の掟とする種族だと聞いたことがある。  俺は彼女を見下ろし、冷徹に計算する。  彼女の腕は確かだ。  『無限の矢筒』を持たせたことで、継続戦闘能力も飛躍的に向上している。  何より、俺の秘密――『確定ドロップ』という異常性を見ても、恐怖するどころか恩恵として受け入れ、秘密を守れる共犯者になり得る。

「勘違いするなよ、リーナ」 
「はい?」 
「俺はお前を慈善事業で助けたわけじゃない。俺は効率よく強くなりたい。そのためには、背中を任せられる優秀な射手が必要だった。それだけだ」

 俺はあえて突き放すように言う。  だが、リーナは嬉しそうに微笑んだ。

「はい。存じています。貴方が合理的で、そして誰よりも強い方だということは」 
「なら、条件は一つだ」 
「なんでしょうか」 
「俺の邪魔をするな。そして、俺が狙った獲物は絶対に逃がすな」

 俺が求めているのは、足手まといではなく戦力だ。  リーナは背筋を伸ばし、凛とした声で応える。

「誓います。私の矢は、貴方の意志のままに」

 契約は成立した。  俺は手を差し出し、彼女の手を取って立たせる。  その手はもう震えていなかった。

「行くぞ。まずは人間の街へ向かう」 
「はい! ……あ、少しだけ待っていただけますか? ミナに別れを告げてきます」 
「急げよ」

 リーナは小屋に戻っていった。  俺はその間、次の行動指針を整理する。  まずは冒険者ギルドへの登録。そして、手に入れた素材の換金だ。  『剛力の腕輪』や『石化の魔眼』は装備するが、オークの牙やバジリスクの余った素材は金になる。装備を整える資金が必要だ。

 数分後、旅支度を整えたリーナが戻ってきた。  背中には使い古した弓ではなく、里の倉庫から持ち出したという予備の長弓が背負われている。

「お待たせしました、マスター」 
「マスター?」 
「はい。貴方は私の主ですから」

 呼び方が変わっていた。  訂正するのも面倒だ。好きに呼ばせればいい。

「出発だ」

 俺たちは歩き出す。  森の出口へ向かう道中、俺の視界には相変わらず魔物の赤い点がちらついていた。  だが、今は無視だ。  雑魚を狩るよりも、まずは拠点を確保する。

 隣を歩くリーナが、時折俺の顔を盗み見ては、頬を染めてにやけているのが視界に入った。  妹が助かった安心感と、俺への忠誠心で頭がいっぱいなのだろう。  扱いやすい手駒が手に入ったことに、俺は満足感を覚える。

 森を抜けると、街道の向こうに城壁に囲まれた街が見えてきた。 
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