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第1章 月森ヶ丘自由学園
手間をかけさせないで下さい。
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「フンっ!奴が死んだと思っているお前ほど、おめでたい奴はいないな」
クリフェイドは勿論、毒を吐くことを忘れない。
「な……に…ッ!?馬鹿な!!そんなことがあってたまるか!!二年前から立てていた計画なんだぞ!?替え玉だって?馬鹿な!!奴には四六時中、監視を付けていたんだ。そんな隙はないし、現に私が奴を殺した!!!」
クリフェイドの言葉に酷く動揺する学園長は、馬鹿な…!そんなはずが…っと一人喚くばかり。
その様子をクリフェイドはただ一人せせら笑う。
「あの男が死んだだって?何をほざくかと思えば、笑止。奴はそう表に出てくることすら稀だと言うのに」
目を窄めるとクリフェイドは笑みを深めた。
「替え玉と代わる隙がなかったって?まったく、笑わせてくれる!当然だろう?最初から、替え玉なんだからな」
そんなことにも気付かないのか?阿呆が…とクリフェイドは毒づく。
(室長の機嫌がすこぶる悪い…。原因と言えば‥‥睡眠不足にストレスといったところでしょうか……?いつにましてや酷い毒舌っぷり。あの餌食だけはなりたくないですね‥。)
シフォンが内心そう思っていたことはクリフェイドは知るはずもない。
「な゙!? ど…どういうことだ!!」
「奴は……簡潔に言えば、臆病者。それ故、厄介なのがIQが高いということだ。気に入らないことは全て裏で‥。気にくわない奴がいても、面と向かって本人に言えないアイツは影で他殺に見せかけて殺す。
そんな卑劣で小心者なアイツに表立って人前に出てくるわけがないだろ?アイツは常に部下を駒のように扱い、命令するのみ。全て金で片付け、卑劣な手口で人の命を弄び、自分は安全地帯で高見の見物。お前が殺したスクワットのダミーと会った瞬間から、騙されていたというわけだ。奴は小心者でも、馬鹿ではない。組織の人間の考えていることはお見通しだったわけだ。
つまり、こうなること自体がスクワットには、とうの昔にわかっていたこと、ということだ。理解できたか?」
クリフェイドは馬鹿にしたように鼻で笑う
「奴の狙いは僕でもある。憎しみか恨みか‥‥はたまた他のことか、どちらにせよ、僕が奴を失脚させた主な原因だからな。
薄々は気付いていたが、それでも奴本人が現れないかと思ったが、現れなかったし、アシスも取り戻した。こちらとしては、もう、あんたに用はないんだ。……さっさと帰してくれないか?」
しれっと遠慮なしに告げるクリフェイドに学園長は開いた口が塞がらない
「ッ!これ以上、私をコケにするなっ!!」
「ちょっ……室長っっ!??なに、相手を煽ってるんですか」
「別に煽ってなんかいない。僕はただ、疲れたから、さっさと終わらせてくれと言っただけだ」
腕を組み憮然と言い放つクリフェイドにシフォンは頭を抱えたくなる。
「だからっ!それが煽ってるんですって!!!」
「えぇいっっ!!喧しい!!どいつもこいつも…っ 私の邪魔ばかりっ!!もう、何もかもが終わった!道連れにお前達を殺してやるっ!!」
憤る学園長にクリフェイドはシフォン達を後ろに一歩進む。
「…そこまで、道連れにしたいのなら僕を殺すといい。その代わり、そこの三人には……特に崙だけは手を出すな。マフィアとの抗争だけはこの上なく厄介だからな」
「室長っ!!」
「クリフェイドーっ!!」
「クリフェイド!お前、自分が何を言っているのか、わかっているのか!?」
コツコツコツ――…
アクシオン達がクリフェイドに叫んでいるとき、FBIのヘリ近くに控えていたヒューの1部下のグレイは目の前を横切る年若い青年の突然の来訪に目を疑った
『……ぇ…今のって‥まさか……あのっ…マコーネル・レイド!?』
グレイの声に気づかないのか、はたまた違うのか。目の前の青年は、肩につくか、つかないか程よい長さに切られた美しい金髪を風になびかせて足を運ぶ…
その顔の額辺りにはくっきりと青筋が浮き出ていた。
「仕方ないだろ?シフォンは官僚だし、アシスは王子。残る崙はマフィアのボスで論外。ならば、何もない僕しかいないだろ?」
後ろで喚くシフォンと前方で怒鳴ってくる父と兄を鬱陶しげに見据える
「な…っ!!」
「くくっ…。霧島君、君には本当に邪魔されてばかりだったからね。殺せるのが嬉しくてたまらないよ」
クリフェイドに銃口を向けた
その瞬間――‥
「……ほう? 何もないですか。大それたご冗談を。そこの方は貴方ごときが殺して良い人物ではないんですよ」
コツコツ、
「そこの方は、英国国家機密情報機関特殊組織の責任者、室長という重役、幹部に付き、組織を管轄。及び国の情報セキュリティを支えるエキスパート。国の情報セキュリティ管理の大半を扱っている彼が何もないわけないでしょう?
彼がいなくなれば、今ほど高度なセキュリティは出来ませんからね‥。それほど、彼は国に必要とされている存在です。
その彼に手を出すとなれば、容赦しませんよ…」
――…ジャリ、
憮然とした表情の金髪美形の青年は前に出ると足を止めて冷ややかな目で前を見据える
「あまり、手間をかけさせないで下さい。…………とくに、」
『そこの二人』
マコーネル・レイドはさっと青ざめるシフォンと、やべっ…と顔をしかめるクリフェイドを睨み据えて言った。
クリフェイドは勿論、毒を吐くことを忘れない。
「な……に…ッ!?馬鹿な!!そんなことがあってたまるか!!二年前から立てていた計画なんだぞ!?替え玉だって?馬鹿な!!奴には四六時中、監視を付けていたんだ。そんな隙はないし、現に私が奴を殺した!!!」
クリフェイドの言葉に酷く動揺する学園長は、馬鹿な…!そんなはずが…っと一人喚くばかり。
その様子をクリフェイドはただ一人せせら笑う。
「あの男が死んだだって?何をほざくかと思えば、笑止。奴はそう表に出てくることすら稀だと言うのに」
目を窄めるとクリフェイドは笑みを深めた。
「替え玉と代わる隙がなかったって?まったく、笑わせてくれる!当然だろう?最初から、替え玉なんだからな」
そんなことにも気付かないのか?阿呆が…とクリフェイドは毒づく。
(室長の機嫌がすこぶる悪い…。原因と言えば‥‥睡眠不足にストレスといったところでしょうか……?いつにましてや酷い毒舌っぷり。あの餌食だけはなりたくないですね‥。)
シフォンが内心そう思っていたことはクリフェイドは知るはずもない。
「な゙!? ど…どういうことだ!!」
「奴は……簡潔に言えば、臆病者。それ故、厄介なのがIQが高いということだ。気に入らないことは全て裏で‥。気にくわない奴がいても、面と向かって本人に言えないアイツは影で他殺に見せかけて殺す。
そんな卑劣で小心者なアイツに表立って人前に出てくるわけがないだろ?アイツは常に部下を駒のように扱い、命令するのみ。全て金で片付け、卑劣な手口で人の命を弄び、自分は安全地帯で高見の見物。お前が殺したスクワットのダミーと会った瞬間から、騙されていたというわけだ。奴は小心者でも、馬鹿ではない。組織の人間の考えていることはお見通しだったわけだ。
つまり、こうなること自体がスクワットには、とうの昔にわかっていたこと、ということだ。理解できたか?」
クリフェイドは馬鹿にしたように鼻で笑う
「奴の狙いは僕でもある。憎しみか恨みか‥‥はたまた他のことか、どちらにせよ、僕が奴を失脚させた主な原因だからな。
薄々は気付いていたが、それでも奴本人が現れないかと思ったが、現れなかったし、アシスも取り戻した。こちらとしては、もう、あんたに用はないんだ。……さっさと帰してくれないか?」
しれっと遠慮なしに告げるクリフェイドに学園長は開いた口が塞がらない
「ッ!これ以上、私をコケにするなっ!!」
「ちょっ……室長っっ!??なに、相手を煽ってるんですか」
「別に煽ってなんかいない。僕はただ、疲れたから、さっさと終わらせてくれと言っただけだ」
腕を組み憮然と言い放つクリフェイドにシフォンは頭を抱えたくなる。
「だからっ!それが煽ってるんですって!!!」
「えぇいっっ!!喧しい!!どいつもこいつも…っ 私の邪魔ばかりっ!!もう、何もかもが終わった!道連れにお前達を殺してやるっ!!」
憤る学園長にクリフェイドはシフォン達を後ろに一歩進む。
「…そこまで、道連れにしたいのなら僕を殺すといい。その代わり、そこの三人には……特に崙だけは手を出すな。マフィアとの抗争だけはこの上なく厄介だからな」
「室長っ!!」
「クリフェイドーっ!!」
「クリフェイド!お前、自分が何を言っているのか、わかっているのか!?」
コツコツコツ――…
アクシオン達がクリフェイドに叫んでいるとき、FBIのヘリ近くに控えていたヒューの1部下のグレイは目の前を横切る年若い青年の突然の来訪に目を疑った
『……ぇ…今のって‥まさか……あのっ…マコーネル・レイド!?』
グレイの声に気づかないのか、はたまた違うのか。目の前の青年は、肩につくか、つかないか程よい長さに切られた美しい金髪を風になびかせて足を運ぶ…
その顔の額辺りにはくっきりと青筋が浮き出ていた。
「仕方ないだろ?シフォンは官僚だし、アシスは王子。残る崙はマフィアのボスで論外。ならば、何もない僕しかいないだろ?」
後ろで喚くシフォンと前方で怒鳴ってくる父と兄を鬱陶しげに見据える
「な…っ!!」
「くくっ…。霧島君、君には本当に邪魔されてばかりだったからね。殺せるのが嬉しくてたまらないよ」
クリフェイドに銃口を向けた
その瞬間――‥
「……ほう? 何もないですか。大それたご冗談を。そこの方は貴方ごときが殺して良い人物ではないんですよ」
コツコツ、
「そこの方は、英国国家機密情報機関特殊組織の責任者、室長という重役、幹部に付き、組織を管轄。及び国の情報セキュリティを支えるエキスパート。国の情報セキュリティ管理の大半を扱っている彼が何もないわけないでしょう?
彼がいなくなれば、今ほど高度なセキュリティは出来ませんからね‥。それほど、彼は国に必要とされている存在です。
その彼に手を出すとなれば、容赦しませんよ…」
――…ジャリ、
憮然とした表情の金髪美形の青年は前に出ると足を止めて冷ややかな目で前を見据える
「あまり、手間をかけさせないで下さい。…………とくに、」
『そこの二人』
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