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- 謎多き執事の秘密ごと -
『元気になる、おまじない…』
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呆然としている僕を見てレオンが白い布生地の手袋を嵌めた人差し指をピッと立てて口元に持ってくる
『──クスッ、』
『おまじない、ですよ。貴方が元気になるように…』
その言葉が、
《おまじないだよ?キミが元気になるように》
あのときと被さる───。
「レオン、あの──っ!」
『?どうされましたか?』
…そんなわけないのに。ううん。僕の… 気のせい、だよね?
「ううん、何でもないよ。その、ありがとう… 心配してくれて」
普段、こんなことを口にしないから何だか妙に恥ずかしくて、でも恥ずかしいからと言って礼を言うのに顔を逸らすのも相手に失礼で、だから咄嗟に───…
「………っ」
『えっ』
目の前にいるレオンにぱふっと抱き着いた。キュッと服を握って羞恥に染まる僕の顔を見られないように、レオンに抱き着いたことで隠せた、のは良かったけど…
(こ、これは…っ これで恥ずかしいかもっっ)
これはこれで恥ずかしかったから、少し失敗したと後悔した。
『アラン、様…?』
だから、このとき自分の羞恥に耐えていた僕は気づかなかった。レオンが… 僅かに息を呑んだのを。手の甲で口元を隠していたレオンに、抱き着いていた僕は気づかなかった…。
『──クスッ、』
『おまじない、ですよ。貴方が元気になるように…』
その言葉が、
《おまじないだよ?キミが元気になるように》
あのときと被さる───。
「レオン、あの──っ!」
『?どうされましたか?』
…そんなわけないのに。ううん。僕の… 気のせい、だよね?
「ううん、何でもないよ。その、ありがとう… 心配してくれて」
普段、こんなことを口にしないから何だか妙に恥ずかしくて、でも恥ずかしいからと言って礼を言うのに顔を逸らすのも相手に失礼で、だから咄嗟に───…
「………っ」
『えっ』
目の前にいるレオンにぱふっと抱き着いた。キュッと服を握って羞恥に染まる僕の顔を見られないように、レオンに抱き着いたことで隠せた、のは良かったけど…
(こ、これは…っ これで恥ずかしいかもっっ)
これはこれで恥ずかしかったから、少し失敗したと後悔した。
『アラン、様…?』
だから、このとき自分の羞恥に耐えていた僕は気づかなかった。レオンが… 僅かに息を呑んだのを。手の甲で口元を隠していたレオンに、抱き着いていた僕は気づかなかった…。
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