8 / 17
第7章~エーデルワイス
しおりを挟む青年の悩みは尽きる事を知らない。
そして彼を救えるのはただ1人ロージーだけだろう。そもそも青年はロージーの気持ちを知らない。少女が自分を好きでなければ全ては水の泡になる。もし仮に好きだとしても、10歳の少女の心移りが無いとは言い切れないし、何も知らない純粋な彼女を自分の欲で縛り付けていいものなのか?
青年の悩みは尽きる事を知らない。
庭で少女は歌を歌っていた。少女の夢は歌手になる事だった。自然と戯れ、歌を歌う事が大好きであった彼女にとってこの時間はかけがえの無い宝物であった。
「Edelweiss, edelweiss, every morning you greet me..」
そんな彼女の頭の中をしめているものがあった。アレックスと婚約の話である。少女はゆっくりとアレックスに貰ったピンクの薔薇のペンダントを撫でた。
「いつか、アレックスのように愛せる者が現れますように。」
「Small and white, Clean and bright... 」
小鳥の囀りと共に少女は美しく歌うのだった。
「You look happy to meet me...」
.......................................................................................
「フランソワさん? いるかい?」
「どなた?」
「私は エドワード・ウィルスミス。貴女のフィアンセです。」
「私は 昨日知ったわ。」
「そうですか。実は貴女に1つ提案があるのです。」
改まって彼が真剣に言うので少女は驚いていた。
「聞かせて頂きます。」
エドワードはシャルロットと同い年であった。確かに彼女の両親が言っていた様にスマートで礼儀正しい青年だった。けれど、アレックスを超える者はいないと少女は思ってしまうのであった。
.......................................................................................
アレックスは自分の書斎で資料をまとめていた。
「トン、トン」
「どうぞ。」
「仕事中かしら?」
「いや、構わないよ。入って。」
「ありがとう。」
「で、どうしたんだい? 君から書斎に来てくれるなんて、ロージー?」
「いえ、特には無いのだけれど... アレックス、今から変な事聞くわ。でも笑わないで、私は真剣なの。」
「えっ、あぁ 分かった。」
「アレックスは私の事、好き?」
この時、恋の嵐が始まろうとしていた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる