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悠真くんと蓮くん
悠真くん~修学旅行/コスプレ/エロなし~
しおりを挟む「やって来ました修学旅行!」
「テンション高けぇ」
「逆になんでそんなにテンション低いんだよ、蓮」
こいつは忘れているのだろうか。今日の朝が早かった事を。睡眠不足はテンションでは補えなかった。
「バカ」
「何なんだよ!急に!」
蓮は悠真を置いてサクサク進んでいく。
「あ、待ってよ!」
今は自由時間である。東京の街。なぜか、蓮たちはアキバに来ていた。蓮と悠真自体オタクであるわけではない。というか、行き先はいくら自由時間でも自分で決められないのだ。
「なぁ、何でアキバなんだ?」
「んなの、先生に聞けよ。行き先は先生が指定すんだから」
「何考えてんだよー。コウちゃん先生にちゃんとスカイツリーにしてねーって言ったのに!」
「バカは高いところ好きだからな。コウちゃんはこれ以上、悠真が馬鹿になんないように気を遣ってくれたんだよ」
「何それ!酷い!というか、頭の良い蓮が居るんだからプラマイ0でしょ」
「いや…それは違うと思うぞ」
悠真たちは自分の興味が惹かれそうな建物を探す。メイドカフェに行ってみようかと思ったのだが、それは悠真が頑なに拒否した。曰く、恥ずかしいらしい。
「お、コスプレだって!」
「さすが、アキバ」
「ちょっと行ってみない??」
「お前、メイドカフェは恥ずかしくて、コスプレは良いのかよ」
「それはそれだよ」
「まぁ、良いか。どうせ行くところもないしな」
悠真たちは中に入る。すると、背が高く髪の長い優男が出てきた。カメラを首から下げているところを見るとカメラマンだろう。
「こんにちは。本日はコスプレ写真の撮影でよろしいでしょうか?」
「どうする、蓮?」
「あ?やりたいならやれば良いだろ」
「じゃあ、せっかくなんで…」
「はい。では、お客様はこちらにどうぞ。お連れ様はこちらからお選びください」
「俺はなんでも良いんだが…」
「では、後ほど私がお持ちいたしますね」
「それでお願いします。んじゃ、思う存分、選んでこいよ」
「はーい!」
悠真は案内されるまま、奥に行った。奥にも多くの服があるが…
「あの…?ここって女物じゃあ…」
「…んふ」
さっきまで爽やかな笑顔で対応していた店員さんは突然セクシーな吐息を吐いた。
「あの…」
「…だって、あなた。彼と恋人同士なんでしょう?私にはすぐ分かったわよ~」
突然おネェ言葉で喋りだした店員に悠真は目を丸くした。
「え…?」
「あら、可愛いわね!私、同族には猫かぶらないの」
「はぁ…でも、なんで俺が女物を?」
「にっぶいこね~あなたが女装したら彼が喜ぶからよ!それに、あなた絶対似合うわ」
肩を掴まれ力説され、悠真もなぜかそういうような気がしてきてしまった。
「そうかな?蓮が喜んでくれるなら女物でも良いや!」
「そうこなくっちゃ。どれ着る??」
「ん~…お任せとか?お姉さん?センス良さそうだし」
「あらやだ!嬉しいこと言ってくれるじゃない!じゃあ、まずはこれね。私、蓮くんに服を渡してくるから着替えててね。メイクもしてあげるから」
「…これ?」
悠真は覚悟した。絶対蓮に馬鹿にされると。
------------------
「はーい、お待たせ」
悠真が着替え終わると、美羅(さっき名前を教えてもらった)は蓮に声をかけた。しかし、悠真は更衣室から出れなかった。
「悠真くーん」
「いや、やっぱり無理!恥ずかしすぎる//」
「良いから、早く出てこいよ」
ガラガラッ
蓮は悠真の返事を待たずに更衣室のカーテンを開けた。
「…」
「…//」
「わぉ!とても可愛いじゃない!」
ひらひらのエプロンドレス、水色しましまニーソ、リボンのカチューシャ。悠真はアリスのコスプレをしていた。それは、幼さが残る悠真の顔立ちにとても似合っていた。
「かっこいい…」
蓮はおしゃれな紳士服と派手な帽子を被っていた。帽子屋の蓮に悠真は思わず声が出てしまった。
「…」
蓮は悠真を見つめたまま動かない。悠真も動けずにいた。
「…わ、笑えば良いだろ!//」
「…いや、悠真にしては上出来じゃねえか」
「!///」
蓮が褒めたことに悠真は目を見開いて顔を真っ赤にした。絶対馬鹿にされると思っていたため、嬉しかった。
「じゃあ、写真撮りましょう!」
美羅は2人をティーテーブルに座らせ、写真を撮っていく。
「うん、今度は蓮くんが悠真くんのおでこにキスしよっか」
「え///」
ちゅ
カシャッ
「良いわよー!」
「れれれ蓮!?」
「おでこにキスしたぐらいで大袈裟だ」
パチンッ
「いった!」
蓮はさっきキスした悠真のおでこにデコピンをした。悠真は痛くて思わず額を抑える。
「ふふっ、じゃあ、次の衣装に着替えてね!」
「え!?」
「え?じゃないわよ。お任せって言ったじゃない。安心しなさい。店は閉めたし、今日のお代はは要らないわ」
「それって良いんですか?」
「良いのよ!2人のこと気に入っちゃったんだから」
美羅は強引に2人を更衣室に押し込むと服のセットを着る順番に俺たちに渡してきた。
ミニスカポリスと警官服
「これ、短すぎる//」
「いんじゃね?それくらいがちょうどいい」
囚人と監守
「ククッ今日一番で似合ってるぜ」
「嬉しくねぇよ」
ナースと医者
「ちゅ、注射しちゃうぞ//」
「どちらかといえばされる方だろ」
バコッ
猫と狼
「喰っちまうぞ」
「(エロかっこいい////)
メイドと紳士服
「ごごご主人様//」
「ほら、ご奉仕しろよ。悠真メイド」
バコッ
セーラー服とスーツ
「まだ、教育が必要なようですね」
「(お前がやるとシャレにならん//)」
これだけコスプレさせられるとさすがに二人は疲れたようで出されたジュースを持ってぐったりしていた。
「もう、だらしないわね!」
「いやいや、疲れますって…」
「もっと着て欲しいものがあるのに!」
「いや、俺たち修学旅行中なんで時間がやばいっす」
「あら!修学旅行生だったの??ごめんなさいね!貴重な時間を取っちゃって…」
「き、気にしないでください!俺たち行くところなくて困ってたので逆に時間潰せてラッキーでした!なぁ、蓮!」
「はい。良いもん見れました」
疲れたけど、これも東京だから味わえたものだし、何より悠真にとって蓮はカッコ良かった。
「そう~?じゃあ、あと一着だけ来てね。はい」
二人は更衣室に押し込まれて、服を渡される。
「これって…」
「誰もが憧れる素敵な魔法のドレスよ」
悠真はそのドレスを着る。そして、外へ出た。
「うわぁ…タキシード」
「っ!…ウェディングドレス」
悠真は蓮のかっこよさに頬を高揚させた。蓮もまた、悠真の可愛さに悶えている。
「二人とも最高よ!ほら、愛の告白は!?」
「え!?/////」
「もおー!健やかなる時もやめる時もこの人を愛すると誓いますか?」
「え、あ、」
「誓います」
「ち、誓います!」
「じゃあ~、誓いのキスを」
ちゅっ
カシャ
「んふっ、二人とも最高よ。私たちのようなゲイはこの国では結婚式があげられないけれど…結婚式があげたくなったらまた来なさい。いつでも挙げてあげるから」
「…!ありがとうございます!」
悠真たちは嬉しそうに笑うと、お互いを抱きしめあった。
------------------
「じゃあ、写真が出来たら送るわね!」
「はい!本当にありがとうございました!」
「良いのよ!ほら、時間があるんでしょ?」
「はい…じゃあ、また」
「ありがとうございました」
「じゃあねぇ~!また撮らせてね!」
二人は綺羅に手を振ると仲良く駅まで歩いて行った。
「蓮…今日、めっちゃカッコ良かったよ//」
「お前も、良かったぜ。最初はメイドカフェ嫌なら、コスプレも嫌なんじゃないかと思ったんだがな。楽しんだようで何より」
「そ、それは…/////」
「?」
「それは…蓮がカッコ良いから、きっとメイドの人に気に入られちゃうと思ったから…/////メイドの人きっと可愛いし…なんかやだった/////」
蓮は目を丸く見開いた後、ニヤリと妖艶に笑った。
「…なに、それ。煽ってんの?夜まで我慢しろよ。思う存分犯してやるから」
「修学旅行中なのに/////」
「煽ったお前が悪い。覚悟しろよ」
蓮は悠真の手を握る。悠真はその行為が嬉しく顔を真っ赤にして笑った。この時がもう少し続けば良いと、悠真は少しスピードは緩め、ゆっくりと歩いて行った。
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