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3話 魔王城で引き回しの刑にし、途中で部下を恫喝して恐怖を植え付けた
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翌朝、セレヴィは夜明け前に目覚めた。
なんて気分だろうか、頭がすっきりしていて、体も軽い。鳥の鳴き声が、なんと心地よい事か。
部屋にはアロマの心地よい香りが残っている、寝る前に夜勤メイドが焚いてくれたのだが、おかげでとてもリラックスして眠れた。ベッドも寝間着も上等な物で、触れるだけで心地よい。
「落ち着かぬ、私は奴隷なんだよな」
それ以前に騎士である。セレヴィは簡単な訓練をして、気を引き締めた。
「うーっす、おはよっすー」
「マステマ……何の用だ」
「朝飯持ってきたからとっとと食えっす、主様待たせたらお仕置き受けるっすよ」
テーブルに料理が並ぶ。紅茶にスクランブルエッグ、サラダ、トーストにバターと、まるでホテルのような朝食だ。と言うか昨日の料理と大分違う、食べなれた料理だ。
「あー、昨日はアバドンが中華の気分だったんであーなったっす」
「アバドン? ちゅうか?」
「うちの料理長兼幹部っす。あいつ日によって作るもん違うんすよぉ」
「内輪の話をされても分からん、というか料理長が幹部なのか?」
「そうっすよ、なんか問題あるっすか?」
「いや……何も言うまい」
昨日からツッコミっぱなしで疲れた、大人しく食べるとしよう。
……今日は城内を引き回しにされてしまう。覚悟はしていても、足が震えてくる。
一体どんな辱めを受けてしまうのか、心臓が早鐘のように鳴っていた。
マステマに案内され、謁見の間へ通される。そこにはガレオンが、玉座で待っていた。
「やっと来たか、ベッドがよほど寝心地良かったようだな奴隷」
「御託はいい、早く始めろ」
「そんなに城内引き回しが楽しみだったか、殊勝な事だ。やっと奴隷としての自覚が出来たようだな」
セレヴィは意を決し、手を上げた。木枷を掛けやすいように。
どうせ抵抗しても無意味なのだ、ならば自分から用意した方が幾分ましである。
「何をしている、早く来い」
「え」
とか思っていたら、ガレオンはセレヴィを華麗にスルー。扉の前で手招きしていた。
「あの、引き回しだろう? ならなんか枷とか鎖とか、そんなのないの?」
「特殊な性癖を持っているようだな、マステマに頼めばやってくれるぞ」
「違う、そうじゃない。だって、え? 私がおかしいのか?」
「当たり前だ、黙ってついて来い」
なんか急に恥ずかしくなり、セレヴィは真っ赤になって俯いた。
城内には多数の兵が巡回しており、ガレオンを見かけるなり一斉に敬礼、挨拶を繰り返した。その度にガレオンも一人一人に、
「しかと働け! 俺の目が黒いうちは、死ぬまで働いてもらうからな奴隷ども!」
なんて返事をしている。発言だけ見れば悪人そのものだ。
城内に居る者達は皆奴隷のマーキングが施されている。だけど誰一人として嫌々働いている者は居らず、むしろ楽しげですらあった。
皆奴隷なのに、なんでこんな幸せそうなんだ?
「おい貴様!」
と、ここでガレオンが怒鳴った。
ゴブリンの兵を捕まえ、大声でがなり散らしている。どうやらガレオンの気に障る事をしてしまったようだ。
「貴様の顔など見たくもない! とっとと城から出て行け! 貴様の代わりなどいくらでも居るのだからな!」
「は、はいぃ!」
ゴブリンは泣きながら走り去っていく。セレヴィはガレオンを睨むなり、ゴブリンを追いかけた。
大勢の兵やメイドの前で、あんなにがなり立てなくてもいいだろう。酷いパワハラだ、やはりあいつは魔王だ、相手を思いやる気持ちなんか微塵もないんだ。
目の前で誰かが虐げられているのを見て、放ってはおけない。その一心でセレヴィはゴブリンを追いかけていた。
「おい待て! 言われっぱなしでいいのか、悔しかったら言い返すべきだろう! それでも兵士か! 悔しければ奴に一言でも反論してみろ、おい!」
「止めないでください! うちのカミさんが……カミさんが産気づいたって知らせが!」
「……………???????」
セレヴィは思考停止した。
「魔王様が教えてくれたんです、けども俺ぁ仕事でどうしたらと思ってたら、魔王様が有休を使えと、隊長にも話付けるから出産に立ち会えと言ってくれたんです!」
「……あ、そうなの?」
「カミさん待っててくれ! 今すぐに行くからなぁ!」
猛ダッシュで退勤していくゴブリンは、あっという間に見えなくなった。
「……部下を思いやってるぅ!? めちゃくちゃ部下思いかつ気遣い上手ぅ!? こんなパワハラ私だって受けてみたいわ!」
「なら心行くまでパワハラしてやろうか?」
いつの間にかガレオンが背後に立っている。彼は呆れたようにため息をつき、肩をすくめた。
「出来の悪い奴隷を怒鳴って何が悪い、奴は妻を見捨てて仕事にかまけようとしていたのだぞ? そんな事は俺が許さん、奴隷は奴隷らしく子供を増やし、後世まで俺に従う下僕を育てる義務がある。きちんと俺に服従するよう教育してもらわねばなぁわははははは!」
「言ってる事悪役なのに中身が善人過ぎるだろう、何がしたいんだお前は、第一あれが奴隷に対する扱いか! 奴隷の仕事とプライベートのどっちが大事なんだ言ってみろ!」
「プライベートに決まっているだろうが」
「そこは仕事って言え魔王様ぁ!」
どんだけ奴隷を大事にしている魔王だ、というかこれってほんとに奴隷なんだろうか。疑問は深まるばかりであった。
なんて気分だろうか、頭がすっきりしていて、体も軽い。鳥の鳴き声が、なんと心地よい事か。
部屋にはアロマの心地よい香りが残っている、寝る前に夜勤メイドが焚いてくれたのだが、おかげでとてもリラックスして眠れた。ベッドも寝間着も上等な物で、触れるだけで心地よい。
「落ち着かぬ、私は奴隷なんだよな」
それ以前に騎士である。セレヴィは簡単な訓練をして、気を引き締めた。
「うーっす、おはよっすー」
「マステマ……何の用だ」
「朝飯持ってきたからとっとと食えっす、主様待たせたらお仕置き受けるっすよ」
テーブルに料理が並ぶ。紅茶にスクランブルエッグ、サラダ、トーストにバターと、まるでホテルのような朝食だ。と言うか昨日の料理と大分違う、食べなれた料理だ。
「あー、昨日はアバドンが中華の気分だったんであーなったっす」
「アバドン? ちゅうか?」
「うちの料理長兼幹部っす。あいつ日によって作るもん違うんすよぉ」
「内輪の話をされても分からん、というか料理長が幹部なのか?」
「そうっすよ、なんか問題あるっすか?」
「いや……何も言うまい」
昨日からツッコミっぱなしで疲れた、大人しく食べるとしよう。
……今日は城内を引き回しにされてしまう。覚悟はしていても、足が震えてくる。
一体どんな辱めを受けてしまうのか、心臓が早鐘のように鳴っていた。
マステマに案内され、謁見の間へ通される。そこにはガレオンが、玉座で待っていた。
「やっと来たか、ベッドがよほど寝心地良かったようだな奴隷」
「御託はいい、早く始めろ」
「そんなに城内引き回しが楽しみだったか、殊勝な事だ。やっと奴隷としての自覚が出来たようだな」
セレヴィは意を決し、手を上げた。木枷を掛けやすいように。
どうせ抵抗しても無意味なのだ、ならば自分から用意した方が幾分ましである。
「何をしている、早く来い」
「え」
とか思っていたら、ガレオンはセレヴィを華麗にスルー。扉の前で手招きしていた。
「あの、引き回しだろう? ならなんか枷とか鎖とか、そんなのないの?」
「特殊な性癖を持っているようだな、マステマに頼めばやってくれるぞ」
「違う、そうじゃない。だって、え? 私がおかしいのか?」
「当たり前だ、黙ってついて来い」
なんか急に恥ずかしくなり、セレヴィは真っ赤になって俯いた。
城内には多数の兵が巡回しており、ガレオンを見かけるなり一斉に敬礼、挨拶を繰り返した。その度にガレオンも一人一人に、
「しかと働け! 俺の目が黒いうちは、死ぬまで働いてもらうからな奴隷ども!」
なんて返事をしている。発言だけ見れば悪人そのものだ。
城内に居る者達は皆奴隷のマーキングが施されている。だけど誰一人として嫌々働いている者は居らず、むしろ楽しげですらあった。
皆奴隷なのに、なんでこんな幸せそうなんだ?
「おい貴様!」
と、ここでガレオンが怒鳴った。
ゴブリンの兵を捕まえ、大声でがなり散らしている。どうやらガレオンの気に障る事をしてしまったようだ。
「貴様の顔など見たくもない! とっとと城から出て行け! 貴様の代わりなどいくらでも居るのだからな!」
「は、はいぃ!」
ゴブリンは泣きながら走り去っていく。セレヴィはガレオンを睨むなり、ゴブリンを追いかけた。
大勢の兵やメイドの前で、あんなにがなり立てなくてもいいだろう。酷いパワハラだ、やはりあいつは魔王だ、相手を思いやる気持ちなんか微塵もないんだ。
目の前で誰かが虐げられているのを見て、放ってはおけない。その一心でセレヴィはゴブリンを追いかけていた。
「おい待て! 言われっぱなしでいいのか、悔しかったら言い返すべきだろう! それでも兵士か! 悔しければ奴に一言でも反論してみろ、おい!」
「止めないでください! うちのカミさんが……カミさんが産気づいたって知らせが!」
「……………???????」
セレヴィは思考停止した。
「魔王様が教えてくれたんです、けども俺ぁ仕事でどうしたらと思ってたら、魔王様が有休を使えと、隊長にも話付けるから出産に立ち会えと言ってくれたんです!」
「……あ、そうなの?」
「カミさん待っててくれ! 今すぐに行くからなぁ!」
猛ダッシュで退勤していくゴブリンは、あっという間に見えなくなった。
「……部下を思いやってるぅ!? めちゃくちゃ部下思いかつ気遣い上手ぅ!? こんなパワハラ私だって受けてみたいわ!」
「なら心行くまでパワハラしてやろうか?」
いつの間にかガレオンが背後に立っている。彼は呆れたようにため息をつき、肩をすくめた。
「出来の悪い奴隷を怒鳴って何が悪い、奴は妻を見捨てて仕事にかまけようとしていたのだぞ? そんな事は俺が許さん、奴隷は奴隷らしく子供を増やし、後世まで俺に従う下僕を育てる義務がある。きちんと俺に服従するよう教育してもらわねばなぁわははははは!」
「言ってる事悪役なのに中身が善人過ぎるだろう、何がしたいんだお前は、第一あれが奴隷に対する扱いか! 奴隷の仕事とプライベートのどっちが大事なんだ言ってみろ!」
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