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54話 女騎士に弱みを握られた
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皇霊祭が近づくにつれて、セレヴィはガレオン領が活気づいているのを感じた。
商店はこの機を逃すまいとギフト用品を売り出し、領民は贈り物をどうするのか楽しそうに悩み、意中の相手へのプレゼントを探している若者達も大勢いた。
セレヴィもその中の一人で、ノアを連れて店を回っていた。
「セレヴィ様、これでいかがでしょうか」
「十分だ。休日にすまないな」
「いえいえ! 私も皇霊祭の準備がしたかったので」
紙袋を抱え、楽し気に帰路に就く。色々考えた末、二人は皇霊祭に菓子を作って、世話になった人へ贈る事にした。
ガレオンのみならず、マステマにルシファー、アバドンと、セレヴィは多くの人に世話になっている。その人達に感謝を伝えるのなら、手作りの品が一番だ。
という事で休日を利用し、二人で試作会をしようとなったのである。
「私はお菓子作りって初めてですけど、セレヴィ様はいかがです?」
「ある程度は出来るぞ。何度かスコーンやクッキーを作っているしな」
「セレヴィ様って高名な貴族のご令嬢なのに、お料理得意ですよね」
「そうでもないさ。さて! 何を作るとするか」
ああでもない、こうでもないと二人で色んな菓子を試作していく。ラッピングやリボンの組み合わせも考え、メッセージカードも様々なパターンを試してみた。
どれも可愛いから悩みものだ。一人一人包装を変えてみたり、イラストをつけてみたり、色んな工夫を楽しんだ。
「んー、中々決まらないですねっ。クッキーもいいけどプチケーキだって捨てがたいし、包装の組み合わせももっと考えたいですしっ」
「まだ時間はあるさ、今日はここらで切り上げて、後日再度話し合おう」
「はいっ! この後予定ありますもんねっ、頑張ってくださいっ!」
「いやそんな大層な事じゃ……あるけども」
照れつつも、セレヴィはアバドンの下へ向かった。
新聞を読んでいたアバドンはセレヴィに気づくと、黙って材料を出してくれた。
「時間を作ってくれてありがとう。しかしいいのか? まだ仕事中だろう」
「今日の業務は終わらせているアル。無駄口叩く暇あるなら準備するアル」
料理の事となると厳しくなる。セレヴィは気を引き締め、エプロンを着けた。
セレヴィはガレオンへの贈り物は別に作ろうと決めていた。皇霊祭は意中の相手に想いを伝えるチャンス、逃すわけにはいかない。
ガレオンへ私の想いをぶつける。覚悟は、決まっていた。
ガレオンが甘党だと知れたのは僥倖だ、おかげでプレゼントに悩まずに済んだから。でも彼がどんな味が好きなのか分からないから、アバドンに頼んで教えてもらう運びとなったのである。
「主様の好みは果物を使ったスイーツアル。特に焼き菓子なんかは喜ぶアルヨ」
「果物を使った焼き菓子か……タルトなんかはどうだろう」
「いいアルね。何を主役にするアルか? 主様は果物なら何でも好きアルよ」
「そうだな、それじゃあ……」
アバドンと話し合いながらいくつかレシピを書き、何個も作っていく。アバドンの指導は非常にスパルタだが、セレヴィは懸命について行った。
「おー? なんかいい匂いがするかと思えば、やってるっすねー」
マステマがひょっこりと厨房に入ってきた。気づけば既に夕暮れ、終業時間になっていた。
「おータルトっすねー味見してもいいっすかー?」
「いいぞ。感想を聞きたい所だったしな」
「やりー♪ んじゃ早速……」
「……どうだ?」
「んめっす。ただ、ちょいと甘すぎやしないっすか?」
「主様はこのくらいが好みアル」
「マジっすか。糖尿病にならねーか不安になるっすねー。しっかし、ラスベリーにバナナにキウイ、ミックスと。軸になる奴を決めあぐねてるんすか」
「なまじ何でもいいとなると、かえってな」
「だったらあーたの好きな奴でいーんじゃねっすか? 相手の好みに合わせるのもいいっすけど、今回はそれがあーたのと同じでも構わないんすから」
「同感アル。何より主様、貴方の作った物なら何でも喜ぶアル」
「ああ、なら……」
軸になる果物も決まった、後は内容を詰めていくだけ。今日の所はここで切り上げ、続きはまた後日となった。
「熱心にやってたっすねぇ。でも主様もいいっすけど、あーしへの貢ぎ物もちゃんと考えてるんすよねぇ」
「貢ぎ物言うな、渡さないぞ」
「えーそんなのねーっすよー。あーしはきちんと考えてるんすよー?」
「ならそっちが答えろ」
「当日までの秘密っす」
「じゃあ私もだ、教えない。……なぁ、この機会に聞いていいか? ずっと疑問を感じているんだが、どうしてマステマ達は私を応援してくれるんだ」
「人の恋路に野次送って何が悪いんすか」
「ふざけて聞いているんじゃない。だってマステマは幹部だろう? ガレオンと交際する女を慎重に審査するべき立場の者が、そんな簡単に背中を押していいのか?」
「なんか都合が悪いんすか? あーたにとっちゃ願ったりじゃねっすか」
「それはそうなんだが、なんだか裏がある気がしてな」
セレヴィは人間界で多くの貴族と接し、数々の謀略と戦ってきた女だ。笑顔の裏にエゴが隠れていればすぐに見破ってしまう。
マステマ達はセレヴィを利用しようとしている。彼女はとうに見抜いていた。
「お前達の事だ、私を使ってガレオン領を乗っ取ろうなんて思ってないのは分かる。だからこそ分からないんだ、私をガレオンに近づけようとする理由がな」
「そんなに気にする必要ねーじゃねっすか、この話はおしまいっ。そゆ事でー」
マステマは逃げてしまった。くそ、逃げ足の速い奴め。
……マステマ達には決して悪意はない、むしろガレオンに対し気遣っているというか、立ち直ってほしいと願っているようだった。
マステマがあれでは、ルシファーとアバドンも教えてくれないだろう。彼女らの真意が分からず、セレヴィは少しいら立ちを感じた。
◇◇◇
翌朝、悩みのせいで眠れず、セレヴィは寝ぼけ眼でランニングをしていた。
走っていれば悩みは振り切れるだろうと思ったのだが、むしろもやもやが増すばかり。そうまでして隠す理由はなんだろうか。
ふと顔を上げると、執務室の窓が開いていた。昨日のメイドが閉め忘れたか? そう思うも、マステマが必ず全部屋を確認しているからありえない。
……まさか、不届き者が侵入したか?
思うや否や、セレヴィは執務室へ走った。扉の鍵が開いている。そっと中を覗いたが、誰も居なかった。
「夜勤メイドが掃除にでも入ったんだろうか……一応、調べるか」
窓を見ても誰かが侵入した痕跡はなく、調度品にも変化はない。単なる考えすぎだろうか。
ともあれガレオンに報告しておかなければ。そう思った時、机に目が向かった。
肖像画が納まった、小さな額縁が置かれている。何ともなしに手に取り、セレヴィは目を見開いた。
描かれていたのはガレオンだ。しかし、彼だけではない。
金と銀のメッシュの髪を一まとめにした、凛々しい顔立ちの、巨大な戦斧を担いだ女性と肩を組んだ肖像画だった。日焼けして褐色になった肌が快活な印象だ。
よく見れば、額縁の隅にタイトルが書かれている。
「親愛なる……イナンナ、と?」
イナンナって、誰だ?
商店はこの機を逃すまいとギフト用品を売り出し、領民は贈り物をどうするのか楽しそうに悩み、意中の相手へのプレゼントを探している若者達も大勢いた。
セレヴィもその中の一人で、ノアを連れて店を回っていた。
「セレヴィ様、これでいかがでしょうか」
「十分だ。休日にすまないな」
「いえいえ! 私も皇霊祭の準備がしたかったので」
紙袋を抱え、楽し気に帰路に就く。色々考えた末、二人は皇霊祭に菓子を作って、世話になった人へ贈る事にした。
ガレオンのみならず、マステマにルシファー、アバドンと、セレヴィは多くの人に世話になっている。その人達に感謝を伝えるのなら、手作りの品が一番だ。
という事で休日を利用し、二人で試作会をしようとなったのである。
「私はお菓子作りって初めてですけど、セレヴィ様はいかがです?」
「ある程度は出来るぞ。何度かスコーンやクッキーを作っているしな」
「セレヴィ様って高名な貴族のご令嬢なのに、お料理得意ですよね」
「そうでもないさ。さて! 何を作るとするか」
ああでもない、こうでもないと二人で色んな菓子を試作していく。ラッピングやリボンの組み合わせも考え、メッセージカードも様々なパターンを試してみた。
どれも可愛いから悩みものだ。一人一人包装を変えてみたり、イラストをつけてみたり、色んな工夫を楽しんだ。
「んー、中々決まらないですねっ。クッキーもいいけどプチケーキだって捨てがたいし、包装の組み合わせももっと考えたいですしっ」
「まだ時間はあるさ、今日はここらで切り上げて、後日再度話し合おう」
「はいっ! この後予定ありますもんねっ、頑張ってくださいっ!」
「いやそんな大層な事じゃ……あるけども」
照れつつも、セレヴィはアバドンの下へ向かった。
新聞を読んでいたアバドンはセレヴィに気づくと、黙って材料を出してくれた。
「時間を作ってくれてありがとう。しかしいいのか? まだ仕事中だろう」
「今日の業務は終わらせているアル。無駄口叩く暇あるなら準備するアル」
料理の事となると厳しくなる。セレヴィは気を引き締め、エプロンを着けた。
セレヴィはガレオンへの贈り物は別に作ろうと決めていた。皇霊祭は意中の相手に想いを伝えるチャンス、逃すわけにはいかない。
ガレオンへ私の想いをぶつける。覚悟は、決まっていた。
ガレオンが甘党だと知れたのは僥倖だ、おかげでプレゼントに悩まずに済んだから。でも彼がどんな味が好きなのか分からないから、アバドンに頼んで教えてもらう運びとなったのである。
「主様の好みは果物を使ったスイーツアル。特に焼き菓子なんかは喜ぶアルヨ」
「果物を使った焼き菓子か……タルトなんかはどうだろう」
「いいアルね。何を主役にするアルか? 主様は果物なら何でも好きアルよ」
「そうだな、それじゃあ……」
アバドンと話し合いながらいくつかレシピを書き、何個も作っていく。アバドンの指導は非常にスパルタだが、セレヴィは懸命について行った。
「おー? なんかいい匂いがするかと思えば、やってるっすねー」
マステマがひょっこりと厨房に入ってきた。気づけば既に夕暮れ、終業時間になっていた。
「おータルトっすねー味見してもいいっすかー?」
「いいぞ。感想を聞きたい所だったしな」
「やりー♪ んじゃ早速……」
「……どうだ?」
「んめっす。ただ、ちょいと甘すぎやしないっすか?」
「主様はこのくらいが好みアル」
「マジっすか。糖尿病にならねーか不安になるっすねー。しっかし、ラスベリーにバナナにキウイ、ミックスと。軸になる奴を決めあぐねてるんすか」
「なまじ何でもいいとなると、かえってな」
「だったらあーたの好きな奴でいーんじゃねっすか? 相手の好みに合わせるのもいいっすけど、今回はそれがあーたのと同じでも構わないんすから」
「同感アル。何より主様、貴方の作った物なら何でも喜ぶアル」
「ああ、なら……」
軸になる果物も決まった、後は内容を詰めていくだけ。今日の所はここで切り上げ、続きはまた後日となった。
「熱心にやってたっすねぇ。でも主様もいいっすけど、あーしへの貢ぎ物もちゃんと考えてるんすよねぇ」
「貢ぎ物言うな、渡さないぞ」
「えーそんなのねーっすよー。あーしはきちんと考えてるんすよー?」
「ならそっちが答えろ」
「当日までの秘密っす」
「じゃあ私もだ、教えない。……なぁ、この機会に聞いていいか? ずっと疑問を感じているんだが、どうしてマステマ達は私を応援してくれるんだ」
「人の恋路に野次送って何が悪いんすか」
「ふざけて聞いているんじゃない。だってマステマは幹部だろう? ガレオンと交際する女を慎重に審査するべき立場の者が、そんな簡単に背中を押していいのか?」
「なんか都合が悪いんすか? あーたにとっちゃ願ったりじゃねっすか」
「それはそうなんだが、なんだか裏がある気がしてな」
セレヴィは人間界で多くの貴族と接し、数々の謀略と戦ってきた女だ。笑顔の裏にエゴが隠れていればすぐに見破ってしまう。
マステマ達はセレヴィを利用しようとしている。彼女はとうに見抜いていた。
「お前達の事だ、私を使ってガレオン領を乗っ取ろうなんて思ってないのは分かる。だからこそ分からないんだ、私をガレオンに近づけようとする理由がな」
「そんなに気にする必要ねーじゃねっすか、この話はおしまいっ。そゆ事でー」
マステマは逃げてしまった。くそ、逃げ足の速い奴め。
……マステマ達には決して悪意はない、むしろガレオンに対し気遣っているというか、立ち直ってほしいと願っているようだった。
マステマがあれでは、ルシファーとアバドンも教えてくれないだろう。彼女らの真意が分からず、セレヴィは少しいら立ちを感じた。
◇◇◇
翌朝、悩みのせいで眠れず、セレヴィは寝ぼけ眼でランニングをしていた。
走っていれば悩みは振り切れるだろうと思ったのだが、むしろもやもやが増すばかり。そうまでして隠す理由はなんだろうか。
ふと顔を上げると、執務室の窓が開いていた。昨日のメイドが閉め忘れたか? そう思うも、マステマが必ず全部屋を確認しているからありえない。
……まさか、不届き者が侵入したか?
思うや否や、セレヴィは執務室へ走った。扉の鍵が開いている。そっと中を覗いたが、誰も居なかった。
「夜勤メイドが掃除にでも入ったんだろうか……一応、調べるか」
窓を見ても誰かが侵入した痕跡はなく、調度品にも変化はない。単なる考えすぎだろうか。
ともあれガレオンに報告しておかなければ。そう思った時、机に目が向かった。
肖像画が納まった、小さな額縁が置かれている。何ともなしに手に取り、セレヴィは目を見開いた。
描かれていたのはガレオンだ。しかし、彼だけではない。
金と銀のメッシュの髪を一まとめにした、凛々しい顔立ちの、巨大な戦斧を担いだ女性と肩を組んだ肖像画だった。日焼けして褐色になった肌が快活な印象だ。
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