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俺がロードになった理由
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その日、朝から照り付ける太陽がまぶしすぎたのも、不調の一因だっただろう。
それと、姉が用意した黒ジャケットの上下にVネックのシャツは自分らしくなくて落ち着かない。
ロードとして会うのだからみっともない恰好はしないでという姉の気持ちはわかる。わかるのだが。
「姉ちゃん……気持ちわるぃ……」
久々の電車で思い切り酔っていた。
まさか、三半規管がここまで弱っていたなんて、情けない。
「陽介、大丈夫?」
電車を降りてすぐに駅のホーム内のベンチに座り込んだら友里恵が心配そうに背中をさすってくれた。
「今日は帰る?」
冷たいペットボトルを受け取り額を冷やしてたら、顔を覗き込まれた。本気で心配してくれている顔だ。
その顔も昔から変わらない。
逆にそれで決意が固まった。行かなければ、と。
グラフィックボードが惜しかったわけではない。いや、欲しいけれど。
姉はここまで準備してくれたのに、自分のためにやめようかとまで言ってくれた。それに応えなかったら男がすたる。
でも、姉の見栄を守るためというより、見知らぬ誰かの夢を潰したくないという気持ちが強かった。きっと姉もそうなのだろう。
それを配慮するからこそ、姉は恥をしのんで自分に頭を下げて、替え玉なんて願い出てきたのだろうから。
「ううん、大丈夫……行ってくるよ」
「あんたらが落ち合ったと思ったら、私は帰るから」
「わかってる」
相手には今日の自分の恰好を伝えてあるけれど、こちらは相手の恰好を知らない。
お互いの写真をあらかじめ送れば早いのではと思ったけれど、セキュリティの問題で姉に止められた。
まだお互いの個人的な連絡手段は伝え合っていないというのも、男と思われているこちら側というより、男と二人きりで会うという相手側の不安感を思いやった上での提案だろう。
そういう手際の良さはさすがだなぁ、と感心していた。
「あの、ロードさんですか?」
待ち合わせの大きな時計の前でぼんやりしていたら声をかけられた。
振り返れば、まだ初夏の光がそのサラサラの黒髪にきらめいて見えた気がした。まさに天使の輪。
「見てすぐにわかりました! 初めまして、サニーです」
相手が挨拶するのに合わせるようにして、ぎこちなく頭だけを下げる。声を出すことができなかった。
そのままじっと彼女を見つめ、彼女が気まずい様子を見せたのに気づいて、慌てて行きましょうか、とようやく促した。
サニーさんはお喋りで、でも一方的に話すというより、きっとうまく話せない自分に気を使ってくれているだけのようだ。
どうしても話の内容は主に、フルーツプラネットの二人のことになるのだけれど。
あの時はこうだったね、とか話を合わせるのに精いっぱいで、何より、人と話すのが苦痛で、自然と聞き手に回ってしまう。
「ロードさんは、リアルだと無口なんですね」
「うん……緊張しちゃってるんだよね。しゃべるのあまり得意じゃないし。つまらなかったらごめんね」
「そんなことないです! ごめんなさい、責めているわけじゃないんです。だから今までマイクオフにしてたんだなぁって思っただけで」
ネットと違うと気づかれてしまっただろうか。彼女は俺をロードだと思っているのに。
今までは、姉を通して誰かを傷つけたくないと思っていた。
でも今は違う。俺がこの人を傷つけたくない、と思っていた。
こうして近づくと触れてはいないのに彼女の肌から熱気が伝わるのを感じて、この人、生きてる、と変なことを感じた。
外に出て久しぶりのリアルの世界は、空気自体が熱く感じられた。
日差しだってこんなに強かっただろうか。知っていたのに知らないような世界。
ガラス一枚と網戸一枚越しの世界は、自分を別に拒絶していたわけではないのに、非リアルで。
目の前の彼女は、姉と作られたログの中でしか存在しないキャラではもうない。
ナマモノとして可愛いと思えてしまって。こうして傍にいるだけで、ひどく心臓の活動が活発になる。
家族以外の人間で、しかもリアルの女の子を知って、舞い上がっているだけなのかもしれない。
こういう心の誤作動を起こしている時は、ドリンク剤を飲んで15時間くらい寝ればきっと収まるに違いない。
そう自分に言い聞かせながら、その日は幸い何事もなく家路につくことができた。
***
「ただいま」
靴を脱いで玄関から居間に向かって歩こうとすると、まさに居間側からドアが開いた。
「お帰り」
待ち構えていたのだろうか。自分がそこにいることに姉は驚いた様子はない。
どうせ今日のことを聞こうと思って待っていたのだろうと思って友里恵の様子をうかがうが、姉はどこかこわばった顔をしている。
「……陽介、話があるんだけど」
「なに?」
部屋で着替えたいから手短に済ませてほしかったのだが、姉は強引にダイニングの椅子に座るよう命じてきた。
「まぁ、座って」
「なんだよ」
「……サニーさん、私の知ってる子だったよ……」
テーブルに肘をついて顔を手で覆い隠す姉の表情は見えないが、なんとなく疲れたような声だった。
「は?」
顔を上げると友里恵はアルバムを部屋から持ってきて、目の前で開きだした。一人の少女を指さして、自分の方へとアルバムを押しやってくる。
その写真の相手に目を落とすと……それは随分とあどけないけれど、間違いなく今日会った彼女だ。
「中学からの私の後輩で浅田遥香っていうの。フルーツプラネットやってると言ってたけれど、遥香がまさかサニーさんだったなんてね」
姉は中高一貫の女子校の出身だ。
サニーさんは姉より二つ年下の後輩で、部活も同じで、いまだに付き合いが続いている数少ない学園時代の人だそうだ。
「知り合いだなんて……気まずいな」
「気まずいなんてどころじゃないわよ。オンライン上とはいえ恋人関係なんてねえ……」
これは百合展開というやつなんだろうか、と姉が聞いたら激しく怒りそうなことをこっそり思ったが、姉は一人で途方に暮れている。
「ほんとどうしよう。遥香相手に、恋愛ロールプレイングなんてもうできないよ。まさか本当のことを言うわけにもいかないし」
「じゃあさ」
思いがけないことに喉が気づかず鳴った。
姉の前に両手を突いて立ち上がる。その勢いに驚いて姉は動きを止めていた。
「これから俺がロードになる」
「へ?」
姉が目を見開いて俺をまじまじと見ていたが、いぶかしそうな顔をして睨んできた。
「……あんた、遥香のこと、好きなの?」
「わからない」
正直、自分が今日会ったばかりの彼女、サニーさんを本当の意味で好きかどうかなんてわからない。
しかし、一度、ロードとして自分が会ってしまった以上、彼女の夢を壊したくないのなら、自分がロードを演じるしかないのだから、これが最善手なのではないかと思う。
俺の意見に友里恵は納得したようで、片手を握りしめると前に突き出された。
「いいわ。あんたがロードになりなさい。一応いっておくけど、ロードは中堅以上のそれなりに強いキャラだからね。それに見合ったような動きできないやつに譲らないから」
ひたすら練習しなさい、と釘を刺された。
そしてロードとしての心得というより、女性の扱いを教え込まれていった。
「古いことなんてさ、普通は覚えてないの。だから、何かゲームでの思い出を言われてもこのログにない、読んでないことは全部『忘れた』と言いなさい。そんなこともあったっけ? ととぼけて。まかり間違っても、覚えているふりはしないこと。大事な思い出を覚えてないこと責められても、謝り倒しなさい。『忘れたこと』に対してだけ謝罪しなさい」
姉が言い出した嘘は、いつしか俺の中で本当となって。
ロードの動かし方も最初はぎこちなかったがすぐにクリアした。
問題はロードとしてサニーをはじめとするほかの仲間とのやり取りの方だった。
マイク機能を使わないロードは、今まで仲間相手に主にテキスト……文章でやり取りをしていたので、プレイングさえ見られなければ中身が違うことなどばれないだろうと高をくくっていた。
しかし実際は改行や言葉の言い回しや漢字変換1つでも癖があり、それを違えると途端にその人らしさが失われるということが分かった。
姉のログを見て、大まかな癖を真似していく日々。
姉ではなく自分が彼らと自然と話すようになっていった。
もうその時には、あんなに好きだったサバイバルゲームはしなくなっていて。
そして、俺たちの入れ替わりは完了した。
それと、姉が用意した黒ジャケットの上下にVネックのシャツは自分らしくなくて落ち着かない。
ロードとして会うのだからみっともない恰好はしないでという姉の気持ちはわかる。わかるのだが。
「姉ちゃん……気持ちわるぃ……」
久々の電車で思い切り酔っていた。
まさか、三半規管がここまで弱っていたなんて、情けない。
「陽介、大丈夫?」
電車を降りてすぐに駅のホーム内のベンチに座り込んだら友里恵が心配そうに背中をさすってくれた。
「今日は帰る?」
冷たいペットボトルを受け取り額を冷やしてたら、顔を覗き込まれた。本気で心配してくれている顔だ。
その顔も昔から変わらない。
逆にそれで決意が固まった。行かなければ、と。
グラフィックボードが惜しかったわけではない。いや、欲しいけれど。
姉はここまで準備してくれたのに、自分のためにやめようかとまで言ってくれた。それに応えなかったら男がすたる。
でも、姉の見栄を守るためというより、見知らぬ誰かの夢を潰したくないという気持ちが強かった。きっと姉もそうなのだろう。
それを配慮するからこそ、姉は恥をしのんで自分に頭を下げて、替え玉なんて願い出てきたのだろうから。
「ううん、大丈夫……行ってくるよ」
「あんたらが落ち合ったと思ったら、私は帰るから」
「わかってる」
相手には今日の自分の恰好を伝えてあるけれど、こちらは相手の恰好を知らない。
お互いの写真をあらかじめ送れば早いのではと思ったけれど、セキュリティの問題で姉に止められた。
まだお互いの個人的な連絡手段は伝え合っていないというのも、男と思われているこちら側というより、男と二人きりで会うという相手側の不安感を思いやった上での提案だろう。
そういう手際の良さはさすがだなぁ、と感心していた。
「あの、ロードさんですか?」
待ち合わせの大きな時計の前でぼんやりしていたら声をかけられた。
振り返れば、まだ初夏の光がそのサラサラの黒髪にきらめいて見えた気がした。まさに天使の輪。
「見てすぐにわかりました! 初めまして、サニーです」
相手が挨拶するのに合わせるようにして、ぎこちなく頭だけを下げる。声を出すことができなかった。
そのままじっと彼女を見つめ、彼女が気まずい様子を見せたのに気づいて、慌てて行きましょうか、とようやく促した。
サニーさんはお喋りで、でも一方的に話すというより、きっとうまく話せない自分に気を使ってくれているだけのようだ。
どうしても話の内容は主に、フルーツプラネットの二人のことになるのだけれど。
あの時はこうだったね、とか話を合わせるのに精いっぱいで、何より、人と話すのが苦痛で、自然と聞き手に回ってしまう。
「ロードさんは、リアルだと無口なんですね」
「うん……緊張しちゃってるんだよね。しゃべるのあまり得意じゃないし。つまらなかったらごめんね」
「そんなことないです! ごめんなさい、責めているわけじゃないんです。だから今までマイクオフにしてたんだなぁって思っただけで」
ネットと違うと気づかれてしまっただろうか。彼女は俺をロードだと思っているのに。
今までは、姉を通して誰かを傷つけたくないと思っていた。
でも今は違う。俺がこの人を傷つけたくない、と思っていた。
こうして近づくと触れてはいないのに彼女の肌から熱気が伝わるのを感じて、この人、生きてる、と変なことを感じた。
外に出て久しぶりのリアルの世界は、空気自体が熱く感じられた。
日差しだってこんなに強かっただろうか。知っていたのに知らないような世界。
ガラス一枚と網戸一枚越しの世界は、自分を別に拒絶していたわけではないのに、非リアルで。
目の前の彼女は、姉と作られたログの中でしか存在しないキャラではもうない。
ナマモノとして可愛いと思えてしまって。こうして傍にいるだけで、ひどく心臓の活動が活発になる。
家族以外の人間で、しかもリアルの女の子を知って、舞い上がっているだけなのかもしれない。
こういう心の誤作動を起こしている時は、ドリンク剤を飲んで15時間くらい寝ればきっと収まるに違いない。
そう自分に言い聞かせながら、その日は幸い何事もなく家路につくことができた。
***
「ただいま」
靴を脱いで玄関から居間に向かって歩こうとすると、まさに居間側からドアが開いた。
「お帰り」
待ち構えていたのだろうか。自分がそこにいることに姉は驚いた様子はない。
どうせ今日のことを聞こうと思って待っていたのだろうと思って友里恵の様子をうかがうが、姉はどこかこわばった顔をしている。
「……陽介、話があるんだけど」
「なに?」
部屋で着替えたいから手短に済ませてほしかったのだが、姉は強引にダイニングの椅子に座るよう命じてきた。
「まぁ、座って」
「なんだよ」
「……サニーさん、私の知ってる子だったよ……」
テーブルに肘をついて顔を手で覆い隠す姉の表情は見えないが、なんとなく疲れたような声だった。
「は?」
顔を上げると友里恵はアルバムを部屋から持ってきて、目の前で開きだした。一人の少女を指さして、自分の方へとアルバムを押しやってくる。
その写真の相手に目を落とすと……それは随分とあどけないけれど、間違いなく今日会った彼女だ。
「中学からの私の後輩で浅田遥香っていうの。フルーツプラネットやってると言ってたけれど、遥香がまさかサニーさんだったなんてね」
姉は中高一貫の女子校の出身だ。
サニーさんは姉より二つ年下の後輩で、部活も同じで、いまだに付き合いが続いている数少ない学園時代の人だそうだ。
「知り合いだなんて……気まずいな」
「気まずいなんてどころじゃないわよ。オンライン上とはいえ恋人関係なんてねえ……」
これは百合展開というやつなんだろうか、と姉が聞いたら激しく怒りそうなことをこっそり思ったが、姉は一人で途方に暮れている。
「ほんとどうしよう。遥香相手に、恋愛ロールプレイングなんてもうできないよ。まさか本当のことを言うわけにもいかないし」
「じゃあさ」
思いがけないことに喉が気づかず鳴った。
姉の前に両手を突いて立ち上がる。その勢いに驚いて姉は動きを止めていた。
「これから俺がロードになる」
「へ?」
姉が目を見開いて俺をまじまじと見ていたが、いぶかしそうな顔をして睨んできた。
「……あんた、遥香のこと、好きなの?」
「わからない」
正直、自分が今日会ったばかりの彼女、サニーさんを本当の意味で好きかどうかなんてわからない。
しかし、一度、ロードとして自分が会ってしまった以上、彼女の夢を壊したくないのなら、自分がロードを演じるしかないのだから、これが最善手なのではないかと思う。
俺の意見に友里恵は納得したようで、片手を握りしめると前に突き出された。
「いいわ。あんたがロードになりなさい。一応いっておくけど、ロードは中堅以上のそれなりに強いキャラだからね。それに見合ったような動きできないやつに譲らないから」
ひたすら練習しなさい、と釘を刺された。
そしてロードとしての心得というより、女性の扱いを教え込まれていった。
「古いことなんてさ、普通は覚えてないの。だから、何かゲームでの思い出を言われてもこのログにない、読んでないことは全部『忘れた』と言いなさい。そんなこともあったっけ? ととぼけて。まかり間違っても、覚えているふりはしないこと。大事な思い出を覚えてないこと責められても、謝り倒しなさい。『忘れたこと』に対してだけ謝罪しなさい」
姉が言い出した嘘は、いつしか俺の中で本当となって。
ロードの動かし方も最初はぎこちなかったがすぐにクリアした。
問題はロードとしてサニーをはじめとするほかの仲間とのやり取りの方だった。
マイク機能を使わないロードは、今まで仲間相手に主にテキスト……文章でやり取りをしていたので、プレイングさえ見られなければ中身が違うことなどばれないだろうと高をくくっていた。
しかし実際は改行や言葉の言い回しや漢字変換1つでも癖があり、それを違えると途端にその人らしさが失われるということが分かった。
姉のログを見て、大まかな癖を真似していく日々。
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