16 / 96
3章 異魔眼と瞬滅
第14話 魔力刃
しおりを挟む
「そんな事…出来るのか……?」
「出来なかったらやっていないわ。」
「そう……だよな。」
ミアスは私の左目をじっと見つめ、動かずにいた。
「能力は?」
「『魔力刃』よ。」
「まりょくは?」
「ええ。正確には、魔法具体『魔刃眼』。相手の魔力や構築している魔法陣を、魔力の刃によって斬るの。もちろん、人体にも影響させる事が出来るわ。」
「相手の魔力を、斬る?魔法陣を斬ると言うのは分かる。魔法を発動前に止めるという事だろう。」
魔法陣は、物理的に無効化する事は出来ない。
魔力により描かれている為、触れられないのだ。
だが、魔力を干渉させ、無効化する事は可能だ。
故に、魔力の刃で魔法陣を攻撃した場合、魔力が乱れ、構築途中の魔法陣は発動出来ずに砕け散ってしまう。
「その通りね。魔力刃により魔法発動を止める事は出来るわ。」
「じゃあ、相手の魔力を斬るとはどういう事だ?」
「例えばの話だけど、敵から状態異常系魔法『魔力乱』を受ければ、どういう状態になるかしら?」
「頭痛が起き、自身の魔力が乱された事によって魔法が発動出来なくなる。威力の強さによっては、その状態が1週間続くらしいな。」
「その通りよ。『魔力刃』はそれとほぼ同じ。魔力を斬り、相手の魔力循環を乱れさせる。ただ乱れるだけじゃないわ。斬られているから魔力回路の修復に時間が掛かる。手練の魔導師だったら、1日くらいで戻せるんじゃないかしら?」
「手練の魔導師で1日って……。くれぐれも使い方を間違うなよ?最悪、人が死ぬかもしれないんだからな。」
「分かってるわよ。人に対しては、万が一という時にしか使わないわ。魔法の無効化時には使うけどね。」
「それでいいさ。人に危害を加えなければ問題ない。人前で見せない方が良いだろうしな。」
「そうね。」
そう話し合い、私達はそれぞれの仕事を開始した。
(リアラを裏切るのは絶対に止めておこう。誰から何と言われようと、彼女を敵に回して勝てる者なんて居ない。)
そう、畏怖混じりに、心の中で再度忠誠を誓ったミアスなのであった。
ーーーーーーーーーーーーーー
後に、リアラの魔法具体『魔刃眼』によって、王国の人々を救う事となる──
「出来なかったらやっていないわ。」
「そう……だよな。」
ミアスは私の左目をじっと見つめ、動かずにいた。
「能力は?」
「『魔力刃』よ。」
「まりょくは?」
「ええ。正確には、魔法具体『魔刃眼』。相手の魔力や構築している魔法陣を、魔力の刃によって斬るの。もちろん、人体にも影響させる事が出来るわ。」
「相手の魔力を、斬る?魔法陣を斬ると言うのは分かる。魔法を発動前に止めるという事だろう。」
魔法陣は、物理的に無効化する事は出来ない。
魔力により描かれている為、触れられないのだ。
だが、魔力を干渉させ、無効化する事は可能だ。
故に、魔力の刃で魔法陣を攻撃した場合、魔力が乱れ、構築途中の魔法陣は発動出来ずに砕け散ってしまう。
「その通りね。魔力刃により魔法発動を止める事は出来るわ。」
「じゃあ、相手の魔力を斬るとはどういう事だ?」
「例えばの話だけど、敵から状態異常系魔法『魔力乱』を受ければ、どういう状態になるかしら?」
「頭痛が起き、自身の魔力が乱された事によって魔法が発動出来なくなる。威力の強さによっては、その状態が1週間続くらしいな。」
「その通りよ。『魔力刃』はそれとほぼ同じ。魔力を斬り、相手の魔力循環を乱れさせる。ただ乱れるだけじゃないわ。斬られているから魔力回路の修復に時間が掛かる。手練の魔導師だったら、1日くらいで戻せるんじゃないかしら?」
「手練の魔導師で1日って……。くれぐれも使い方を間違うなよ?最悪、人が死ぬかもしれないんだからな。」
「分かってるわよ。人に対しては、万が一という時にしか使わないわ。魔法の無効化時には使うけどね。」
「それでいいさ。人に危害を加えなければ問題ない。人前で見せない方が良いだろうしな。」
「そうね。」
そう話し合い、私達はそれぞれの仕事を開始した。
(リアラを裏切るのは絶対に止めておこう。誰から何と言われようと、彼女を敵に回して勝てる者なんて居ない。)
そう、畏怖混じりに、心の中で再度忠誠を誓ったミアスなのであった。
ーーーーーーーーーーーーーー
後に、リアラの魔法具体『魔刃眼』によって、王国の人々を救う事となる──
23
あなたにおすすめの小説
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
【完結】物置小屋の魔法使いの娘~父の再婚相手と義妹に家を追い出され、婚約者には捨てられた。でも、私は……
buchi
恋愛
大公爵家の父が再婚して新しくやって来たのは、義母と義妹。当たり前のようにダーナの部屋を取り上げ、義妹のマチルダのものに。そして社交界への出入りを禁止し、館の隣の物置小屋に移動するよう命じた。ダーナは亡くなった母の血を受け継いで魔法が使えた。これまでは使う必要がなかった。だけど、汚い小屋に閉じ込められた時は、使用人がいるので自粛していた魔法力を存分に使った。魔法力のことは、母と母と同じ国から嫁いできた王妃様だけが知る秘密だった。
みすぼらしい物置小屋はパラダイスに。だけど、ある晩、王太子殿下のフィルがダーナを心配になってやって来て……
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。
渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。
しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。
「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」
※※※
虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
竹井ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
追放された私の代わりに入った女、三日で国を滅ぼしたらしいですよ?
タマ マコト
ファンタジー
王国直属の宮廷魔導師・セレス・アルトレイン。
白銀の髪に琥珀の瞳を持つ、稀代の天才。
しかし、その才能はあまりに“美しすぎた”。
王妃リディアの嫉妬。
王太子レオンの盲信。
そして、セレスを庇うはずだった上官の沈黙。
「あなたの魔法は冷たい。心がこもっていないわ」
そう言われ、セレスは**『無能』の烙印**を押され、王国から追放される。
彼女はただ一言だけ残した。
「――この国の炎は、三日で尽きるでしょう。」
誰もそれを脅しとは受け取らなかった。
だがそれは、彼女が未来を見通す“預言魔法”の言葉だったのだ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる