上 下
37 / 255

気付いて……いるよ?(王子視点)

しおりを挟む
「実は知り合いに、創造魔法を得意とする方がいらっしゃるのです。その方に頼んで、創っていただきました。勿論、他言無用でですが。」


見たことも無い魔道具を使うヴァリフィアに対して、「君が創ったのか」と問うと、返ってきた言葉がこれだった。


「そうなのか…。」


と答えつつも、内心では怪しんでいた。
仮にヴァリフィアが言っている者がいるとしても、この魔道具を創るにはイメージが必要だ。
普通は思い付きもしない『形』に魔道具の『効果』。
ヴァリフィアが何者なのかという疑問が、ディルジアの中で強くなった。

しかしそれよりも気になったのは……


(この魔道具から発せられている魔力、ヴァリフィアのものだよね。いつも魔力オーラを抑えているように見えていた。でも気のせいと思っていたんだ…。しかし、こんな魔道具を創れるのなら……。)


この世界では、貴族の位が高いほど魔力量は増える。
ヴァリフィアのように規格外もいるのだが…。
ディルジアは王族だ。
つまりはそれなりの魔力量を持っている。
そして王子として剣術は勿論のこと、魔法技術も学ぶ。
故に、それなりに心得があるのだ。


(完璧に魔力を制御しているからこそ、分からなかったのか…?それにしても、魔道具を発動させる度に、ヴァリフィアと似た魔力を感じられた。これは多分……と言うよりは、ほぼ確実にヴァリフィアが創造魔法で創ったものだろう。)


次にすべき事をヴァリフィアから聞き、実行に移す為にも王城へとディルジアは戻る。


(さて、次は何をやってくれるのやら。)


ヴァリフィアへの好感度がさらに上がり、そして彼女の次の行動が何なのか、鼻歌交じりに考える。

ヴァリフィアは、ディルジアを全く誤魔化せていなかった……。
しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

完結 穀潰しと言われたので家を出ます

恋愛 / 完結 24h.ポイント:1,263pt お気に入り:326

【完】眼鏡の中の秘密

BL / 完結 24h.ポイント:14pt お気に入り:42

最愛の人がいるのでさようなら

恋愛 / 完結 24h.ポイント:60,868pt お気に入り:639

大好きなあなたを忘れる方法

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:7,804pt お気に入り:1,011

悪徳令嬢はヤンデレ騎士と復讐する

ファンタジー / 完結 24h.ポイント:241pt お気に入り:257

処理中です...