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表の裏側に……?(王子視点)

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「父上、ディルジアです。今お時間よろしいでしょうか。」

「うむ、入れ。」

「失礼致します。」


翌日の放課後、ディルジアは王城の国王の書斎を訪ねていた。
エフェンからの忠告に対応する為だ。


「どうした、ディルジアよ。」

「簡潔にお話致します。……ヴァリフィアの命を脅かさんとする者がいるようです。その者達の調査を、お願いしたいのです。」

「…何処でそれを知った?」

「えっ……?」

「ヴァリフィアに危険が迫っている事は把握している。いずれお前にも伝えるつもりだった。しかし、既に知っているとは……。」

「私がこの情報を知ったのは、エフェンから聞いたからです。」


包み隠さずエフェンから聞いた事を話した。
ヴァリフィアも恐らく気付いているだろうという事も。
すると国王陛下父上は少し考え事をしているようだった。
そしてポツリと呟いた。


「公爵家のエフェン……しかし、あの公爵家はこの件を知らないはず…。」

「父上?」

「ああ、すまない。考え事をしていた。ディルジアよ。」

「はい。」

「この件は責任をもって片付けよう。お前も気を付けておくのだぞ。」

「承知致しました、陛下。」

「それと…。エフェンから、今回の事を何処で知ったのか、聞いておいてくれ。」

「はっ。」

「要件は以上か?」

「はい。失礼致します。」


そうして、ディルジアは王室を退出し、学園の寮へと戻った。


(何故、父上はエフェンに聞くように命じたんだろう?それに、把握していたにも関わらず、直ぐに伝えて下さらなかった。
エフェンに詳しい事を聞く必要があるようだな……。)


何か裏に大事があると考える、ディルジアなのであった。
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