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逃がしませんよ?

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私は今、学園で授業に出席している。
しかし、その意識は授業を行っている教師ではなく、外に向けられていた。


(何だろう…この反応。魔力探知には反応しないのに、生命探知には反応がある。つまり、魔力を完全に抑える事が出来るほどの手練の者がいる……。)


何の為に?
その疑問が尽きなかった。
視力強化をし、窓の外から反応のある場所を見る。
そこには、いかにも暗殺者のような格好をした者が反応の数だけいた。


(最近の妙な視線はこれか。いつもは生命探知まで使う事がないから気が付かなかった。今日は違和感を感じたから使ったけれど。)


あまりにも外を向いていたのか、教師が私を呼ぶ。
スフレはあくまで担任なので、実技という担当の教科以外は他の教師が行っている。
今授業を行っているのは、優しいおじいちゃん先生だ。


「ヴァリフィアさん。…ヴァリフィアさん。……ヴァリフィアさん!」

「あっ。」

「授業中ですよ。集中するように。」

「申し訳ありません。以後、気を付けます。」

「では話を続ける。この問題は……」


その後も授業は続き、午後もいつも通り終わった。
それにしても、まさか狙われているとは思わなかった。
誰が私を狙っているのかを探る為、暗殺者の1人に魔法の印を付けておいた。
相手の視界も覗き見ることが出来る、優れた魔法だ。
勿論気付かれないようにだが。

私は学園を出て、印を付けた1人を睨む。
するとその者は驚いて、焦ったのか逃げていった。
狙い通りだ。
そして辿り着いた先は、他の仲間達がいる場所だった。


(参ったよ……学園の周りにいる暗殺者を含めて、十数人はいる。おっと、印を付けた1人が、そのまま依頼人のところへ向かうみたいだね。)


まさか自分がマークされているとは思っていないのだろう。
かなり距離があったので、無理もないが。


「私をあまり舐めない事ね。さて、依頼人が分かり次第、動くとしようかな。」


エフェンの『彼女なら自分で何とかするだろう』という予想は大当たりだったのだ--
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