【完結】私ですか?ただの令嬢です。

凛 伊緒

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今度は王様……

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ひと通りの話を終え、今度こそ寮へと戻る。
自室へと入り数分が経った時、侍女のイルナが声をかけてきた。


「お嬢様、今よろしいでしょうか?」

「ええ、入っても構わないわよ。」

「失礼致します。…お嬢様宛に、お手紙が届いております。」

「ありがとう。」


それを見て真っ先に目に入ったのは、国王陛下の名だった。
送り主が国王だとすると、無視する事は絶対に出来ない。
気を引き締めつつ内容に目を通す。


『宛 ヴァリフィア・ラーノンス

至急、話がある。
瞬間移動を使用し、アーリグェー公爵家次男、エフェンを連れて余の書斎まで来るように。

国王ツィレイル』


呼ばれるとは思っていたが、エフェンも一緒にとは驚いた。
何故かは分からないが、とりあえずエフェンの元に瞬間移動する。
寮の部屋の位置は聞いていたので、問題なく転移出来た。


「誰だ?!…ってヴァリフィアじゃないか。いきなり男子の部屋に来るのは、良くないと思うけど?」

「急用の時は何時でも来れるようにって、部屋の位置を教えたのはエフェンだけど?…まぁそれはおいておくとして…。」


いきなり現れた私に、驚きつつも対応するエフェン。
今は2人しかいないので、言葉も緩んだものになっていた。
エフェンはまだ何か言いたげな様子だったが、気にせず本題へと入る。


「今から一緒に国王陛下の書斎へ行くよ。」

「分かった、……ん?もう1回言ってくれないか?」

「だから、一緒に王城へ行くって言ってるの。」

「王城…?聞き間違いじゃない…よね?耳がおかしくなったのかな。」

「貴方の耳はちゃんと機能してるよ。国王陛下から直々にお呼びがかかった。手紙でね。そこにはエフェンを連れて、国王陛下の書斎へ瞬間移動して来いと記されていたのよ。」

「あー…絶対に無視出来ないやつだな。分かった。でも私は国王陛下の書斎なんて行ったことがないぞ?」

「大丈夫だよ。私が何回か行ってるから。」

「それは心強い。」

「じゃあ行くよ?」

「ああ。頼んだ。」


私は瞬間移動で書斎の前に転移した。
既に人払いがされていたらしく、扉前の騎士はいなかった。


「ヴァリフィア・ラーノンスです。エフェン・アーリグェー様も連れて参りました。国王陛下、いらっしゃいますか?」

「入りたまえ。」

「はい。「失礼致します。」」


エフェンは緊張しているのかと思い横を見ると、堂々としていた。
性格から考えて、その事に納得してしまう。
国王陛下の前まで来ると、私達は跪いた。


「よく来たな。ヴァリフィアよ、急にも関わらずエフェンと共に来てくれたこと、感謝しよう。」

「勿体なきお言葉。」

「お久しぶりにございます、国王陛下。」

「久しぶりだな、エフェン。そなたもよく来てくれた。早速だが本題に入ろう。」


少し空気が変わったことを、私達は感じ取る。
身構えてのだが、国王陛下の表情は柔らかいものだった。


「秘密裏に動いてくれた事、感謝しよう。そなたらならば、何の事か言わずとも分かるだろう?」

「「はい。」」

「話が早くて助かる。ヴァリフィアよ、改めて報告が聞きたい。頼めるか?」

「はい。私は学園で暗殺者達の存在に気付きました。その狙いが私だということも。そして--」


ディルジアに話したように、国王陛下にも全て話した。
隣でエフェンが驚いたように私を見ている。
しかし途中からは何故か少し口元が笑っていた。
呆れているのだろうか?
そう解釈しておいた。


「--以上です。」

「驚いたな……かの大公爵に関わるなと誓わせるとは。」


(やっぱり親子だなぁ。同じ事言ってるよ。)


しかし、国王が口にした事を隣にいたエフェンも思っていた。
つまり、誰もが同じ事を思うのだ。
しかし隣国の大公爵に誓いをさせる事が、どれ程のものなのかを理解していない、呑気なヴァリフィアなのであった。
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