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それは予想外です!

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私が話し終えると、国王陛下は視線を合わせてきた。
しかし、かけられた言葉は意外なものだった。


「ご苦労だった。実は、我々も秘密裏に動いたいたのだ。大事にならぬようにする為にな。
しかし解決出来ずにいた。どうするかと話していた時、報告があってな。ヴァリフィアが自ら動いた…と。そこで少し待つことにしたのだ。」

「……。」

「本当に感謝する。隣国の大公爵も、これ以上ヴァリフィアに関して動くことは無いだろう。だが、国王には話をしなければなるまい。」

「しかし、事を大きくする訳にはいかないと……」

「それとこれとでは話が別だ。かの国王が関わっている事は確実。故に、釘をさしておかねばなるまいよ。」

「……感謝致します。」

「気にする事はない。これは国家間の問題とも言える。力をつけた国は危険視される。しかしそれは我が国だけではない。
戦争を避ける為にも、そろそろ隣国と会談をしなければならないと思っていたところでな。……話が少し逸れてしまったな。」

「いいえ、お構いなく。」

「国王陛下、一つお尋ねしてもよろしいでしょうか。」


私が言い終わると同時に、エフェンが真剣な眼差しで国王陛下に問う。
ずっと自分が呼ばれた理由について、気になっていたのだろう。


「許そう。」

「感謝致します。…陛下は何故、私をお呼びになられたのでしょうか。」

「…その話がまだだったな。先日、ディルジアからヴァリフィアを守ってほしいと頼まれたのだ。暗殺者達からな。」

「殿下らしいですね…。」

「その時には既にこの件を把握していたのだが、知っている者は極小数。何故ディルジアがそのような事を知っているのか問うと、エフェンから聞いたと言われてな。」

「……。」

「エフェンよ。どこで知った?」


睨むような鋭い国王陛下の視線に、私は少し驚いたが、エフェンは全く動じなかった。
まるで聞かれる事を想定していたかのように。


「自ら、調査したのです。」

「1人で、か?」

「はい。ヴァリフィアを囲むように位置する不審な者共に気付き、自身の手で調査したのです。暗殺者について行くなど、様々な方法で探りました。
そして隣国が関わっている事も知ったのです。只事ではないと判断し、ディルジア殿下に全てではないものの、ヴァリフィアが刺客に狙われているとお話した次第です。」

「ふむ……。」


少し俯き、考え込む国王陛下。
しかし、納得したように顔を上げた。
エフェンの実力を認めたのだろうか。
それにしても、エフェンの説明は完璧だった。
覚えた文を暗唱しているかのよう。


「今回の件、誰にも言っていないか?」

「親しきものにさえ、言っておりません。」

「ならば良い。決して言わぬように。」

「承知致しました。」

「さてヴァリフィアよ、時に質問だ。」

「はい。」


雰囲気が軽くなった。
国王陛下の顔も柔らかいものとなっている。
さらにいえば、少し口元が緩んでいた。


「ディルジアとは上手くいっているか?」

「えっ…と?」


いきなりの予想外な質問に、私は困惑したのだった。
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