【完結】私ですか?ただの令嬢です。

凛 伊緒

文字の大きさ
124 / 255

また嫌がらせ……

しおりを挟む
学園へと向かうと、いつもの皆が集まっていた。
ディルジアとサールズ&エールズ、そしてユリエル達の6人だ。
何かを真剣に話し合っているようだ。


「皆さん、おはようございます。」

「ヴァリフィア様!おはようございます。」

「「「おはようございます!」」」

「どうかしたのかしら?」

「それが……。」


皆は視線をとあるクラスメイトの席へと移す。
その席には、普通ならば入っているはずの教科書などが綺麗さっぱりなくなっていた。


「あの席は確か……」

「はい…メイナさんですわ。教科書やその他の道具がなくなり、今日は学園にも来ておりませんの。」

「……エフェン様。知っていることを話して下さらないかしら?」

「「「えっ?」」」

「はははっ。やっぱりばれていたか。流石は『賢華』と名高いヴァリフィア令嬢だね。」

「いらしたのですか!?」

「それよりもエフェン。何か知っているのですか?」

「……知っていますよ、殿下。」

「流石、知る人ぞ知る情報屋と言われるだけありますね。」

「ヴァリフィア、そのことは言ってはいけないよ…。」

「ふふっ。」


私が口にしたエフェンの影の名前。
何を聞いても大体知っている事が由来だ。
国王陛下をはじめ、一部の貴族と私達は『情報屋』と呼んでいた。
私の言葉は、ユリエル達には聞こえないように小声で言った。


「それで、エフェン様。今メイナさんはどうしていますの?!」

「今日、学園には来ないようにと言っておいた。彼女も薄々気付いているようだったよ。何も聞かずに頷いてくれた。」

「それで、主犯は誰なのですか?」

「以前、ヴァリフィアがユリエルと共に会っている令嬢達だよ。」

「2年前のあの風紀委員の見回りの際、メイナさんに嫌がらせを行っていたあのご令嬢達ですの?!」

「そうだよ。しかし、殿下が友人と宣言した者をいじめるなんて……どうかしてる。」


私達は無言になる。
憤りを感じる。
その感情は全員が同じものだった。
出来るだけ学園内では共に行動するようにしていたのだが、最高学年となってから、またいじめが始まってしまったようだ。


「おはよう……ございます。」

「メ、メイナ!?無理して来なくて良いのよ……。」

「いえ……私自身の事なのに、皆様だけが行動して下さっていると思うと、心苦しくて…。」


(メイナは本当に良い子だね。だからこそ、助けてあげなきゃ!)


そう決心した私は、手を叩く。
大きな音がなり、全員が私の方を振り向いた。


「メイナに対し嫌がらせを行っているご令嬢達には、しっかりとお話しつけをしましょう。殿下、エフェン様。ご同行願います。」

「勿論だ。」「了解。」

「あの、ヴァリフィア様。私達は…その……。」


私の笑顔の裏を理解したユリエルが、恐る恐る聞いてきた。
ユリエル達にも、頼みたいことがある。


「ユリ、シア、ミエラ。貴女達には、メイナの護衛をお願いするわ。」

「分かりましたわ。お任せ下さい!」

「ヴァリフィア様。居場所は分かるのですか?」

「私が探せないとでも?」


ドヤ顔ともとれる表情で私は言ってのけた。
するとメイナを含め4人は目を輝かせた。


「では、行ってくるわね。」

「はい!お気を付けて!」


エフェンからの情報と、私の魔力探知による反応で令嬢達の元へ向かう。


「ご機嫌よう。何をなさっているので?」


今悪巧みをしています!というような雰囲気を纏った3人の令嬢が、そこにいた。
私が笑顔で令嬢達に聞くと、振り返り、私を見てからディルジアとエフェンを見て、驚き固まる。


(さて、しっかりとお話しましょうか。)
しおりを挟む
感想 7

あなたにおすすめの小説

悪役令嬢に転生したので地味令嬢に変装したら、婚約者が離れてくれないのですが。

槙村まき
恋愛
 スマホ向け乙女ゲーム『時戻りの少女~ささやかな日々をあなたと共に~』の悪役令嬢、リシェリア・オゼリエに転生した主人公は、処刑される未来を変えるために地味に地味で地味な令嬢に変装して生きていくことを決意した。  それなのに学園に入学しても婚約者である王太子ルーカスは付きまとってくるし、ゲームのヒロインからはなぜか「私の代わりにヒロインになって!」とお願いされるし……。  挙句の果てには、ある日隠れていた図書室で、ルーカスに唇を奪われてしまう。  そんな感じで悪役令嬢がヤンデレ気味な王子から逃げようとしながらも、ヒロインと共に攻略対象者たちを助ける? 話になるはず……! 第二章以降は、11時と23時に更新予定です。 他サイトにも掲載しています。 よろしくお願いします。 25.4.25 HOTランキング(女性向け)四位、ありがとうございます!

悪役令嬢ですが、当て馬なんて奉仕活動はいたしませんので、どうぞあしからず!

たぬきち25番
恋愛
 気が付くと私は、ゲームの中の悪役令嬢フォルトナに転生していた。自分は、婚約者のルジェク王子殿下と、ヒロインのクレアを邪魔する悪役令嬢。そして、ふと気が付いた。私は今、強大な権力と、惚れ惚れするほどの美貌と身体、そして、かなり出来の良い頭を持っていた。王子も確かにカッコイイけど、この世界には他にもカッコイイ男性はいる、王子はヒロインにお任せします。え? 当て馬がいないと物語が進まない? ごめんなさい、王子殿下、私、自分のことを優先させて頂きまぁ~す♡ ※マルチエンディングです!! コルネリウス(兄)&ルジェク(王子)好きなエンディングをお迎えください m(_ _)m 2024.11.14アイク(誰?)ルートをスタートいたしました。 楽しんで頂けると幸いです。 ※他サイト様にも掲載中です

異世界転生した私は甘味のものがないことを知り前世の記憶をフル活用したら、甘味長者になっていた~悪役令嬢なんて知りません(嘘)~

詩河とんぼ
恋愛
とあるゲームの病弱悪役令嬢に異世界転生した甘味大好きな私。しかし、転生した世界には甘味のものないことを知る―――ないなら、作ろう!と考え、この世界の人に食べてもらうと大好評で――気づけば甘味長者になっていた!?  小説家になろう様でも投稿させていただいております 8月29日 HOT女性向けランキングで10位、恋愛で49位、全体で74位 8月30日 HOT女性向けランキングで6位、恋愛で24位、全体で26位 8月31日 HOT女性向けランキングで4位、恋愛で20位、全体で23位 に……凄すぎてびっくりしてます!ありがとうございますm(_ _)m

〈完結〉【書籍化&コミカライズ】悪妃は余暇を楽しむ

ごろごろみかん。
恋愛
「こちら、離縁届です。私と、離縁してくださいませ、陛下」 ある日、悪妃と名高いクレメンティーナが夫に渡したのは、離縁届だった。彼女はにっこりと笑って言う。 「先日、あなた方の真実の愛を拝見させていただきまして……有難いことに目が覚めましたわ。ですので、王妃、やめさせていただこうかと」 何せ、あれだけ見せつけてくれたのである。ショックついでに前世の記憶を取り戻して、千年の恋も瞬間冷凍された。 都合のいい女は本日で卒業。 今後は、余暇を楽しむとしましょう。 吹っ切れた悪妃は身辺整理を終えると早々に城を出て行ってしまった。

【完結】ど近眼悪役令嬢に転生しました。言っておきますが、眼鏡は顔の一部ですから!

As-me.com
恋愛
 完結しました。 説明しよう。私ことアリアーティア・ローランスは超絶ど近眼の悪役令嬢である……。  気が付いたらファンタジー系ライトノベル≪君の瞳に恋したボク≫の悪役令嬢に転生していたアリアーティア。  原作悪役令嬢には、超絶ど近眼なのにそれを隠して奮闘していたがあらゆることが裏目に出てしまい最後はお約束のように酷い断罪をされる結末が待っていた。  えぇぇぇっ?!それって私の未来なの?!  腹黒最低王子の婚約者になるのも、訳ありヒロインをいじめた罪で死刑になるのも、絶体に嫌だ!  私の視力と明るい未来を守るため、瓶底眼鏡を離さないんだから!  眼鏡は顔の一部です! ※この話は短編≪ど近眼悪役令嬢に転生したので意地でも眼鏡を離さない!≫の連載版です。 基本のストーリーはそのままですが、後半が他サイトに掲載しているのとは少し違うバージョンになりますのでタイトルも変えてあります。 途中まで恋愛タグは迷子です。

〘完〙前世を思い出したら悪役皇太子妃に転生してました!皇太子妃なんて罰ゲームでしかないので円満離婚をご所望です

hanakuro
恋愛
物語の始まりは、ガイアール帝国の皇太子と隣国カラマノ王国の王女との結婚式が行われためでたい日。 夫婦となった皇太子マリオンと皇太子妃エルメが初夜を迎えた時、エルメは前世を思い出す。 自著小説『悪役皇太子妃はただ皇太子の愛が欲しかっただけ・・』の悪役皇太子妃エルメに転生していることに気付く。何とか初夜から逃げ出し、混乱する頭を整理するエルメ。 すると皇太子の愛をいずれ現れる癒やしの乙女に奪われた自分が乙女に嫌がらせをして、それを知った皇太子に離婚され、追放されるというバッドエンドが待ち受けていることに気付く。 訪れる自分の未来を悟ったエルメの中にある想いが芽生える。 円満離婚して、示談金いっぱい貰って、市井でのんびり悠々自適に暮らそうと・・ しかし、エルメの思惑とは違い皇太子からは溺愛され、やがて現れた癒やしの乙女からは・・・ はたしてエルメは円満離婚して、のんびりハッピースローライフを送ることができるのか!?

悪役令嬢ベアトリスの仁義なき恩返し~悪女の役目は終えましたのであとは好きにやらせていただきます~

糸烏 四季乃
恋愛
「ベアトリス・ガルブレイス公爵令嬢との婚約を破棄する!」 「殿下、その言葉、七年お待ちしておりました」 第二皇子の婚約者であるベアトリスは、皇子の本気の恋を邪魔する悪女として日々蔑ろにされている。しかし皇子の護衛であるナイジェルだけは、いつもベアトリスの味方をしてくれていた。 皇子との婚約が解消され自由を手に入れたベアトリスは、いつも救いの手を差し伸べてくれたナイジェルに恩返しを始める! ただ、長年悪女を演じてきたベアトリスの物事の判断基準は、一般の令嬢のそれとかなりズレている為になかなかナイジェルに恩返しを受け入れてもらえない。それでもどうしてもナイジェルに恩返しがしたい。このドッキンコドッキンコと高鳴る胸の鼓動を必死に抑え、ベアトリスは今日もナイジェルへの恩返しの為奮闘する! 規格外で少々常識外れの令嬢と、一途な騎士との溺愛ラブコメディ(!?)

【完結】【35万pt感謝】転生したらお飾りにもならない王妃のようなので自由にやらせていただきます

宇水涼麻
恋愛
王妃レイジーナは出産を期に入れ替わった。現世の知識と前世の記憶を持ったレイジーナは王子を産む道具である現状の脱却に奮闘する。 さらには息子に殺される運命から逃れられるのか。 中世ヨーロッパ風異世界転生。

処理中です...