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練習を始めましょう!

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「--と、この様に光の屈折によって水は虹色に輝くのです。」

「「「なるほど…。」」」

「ですがヴァリフィア様。その説明ですと、光がなければ虹色になりませんわよね。もし文化祭当日が雨だった場合、どうなさるのですか?」

「良い質問ね、ユリエル。確かにこの魔法においては、光が必要不可欠。けれど、光が太陽である必要はないのよ。」

「と、おっしゃいますと?」

「つまり、太陽に似た光を魔法の水に当てれば良いの。雨天の場合は、私がその役目を担うわ。だから心配は無用よ。」

「流石ヴァリフィア様ですわ!納得致しました。その時はぜひ、お願い致しますわ。」

「ええ。他に質問のある方はおられますか?」

「「「……。」」」

「無いようですね。では実践練習に移りましょう。」


一通りの説明を終え、私は練習をする為に他の班と離れる。
そして操る際に、魔法が違う方向へいってしまっても大丈夫なように結界を張っておく。
私はパフォーマンス用の魔法についての説明を、再度始める。


「難しく考える必要はありませんよ。皆さん優秀なのですから、すぐに出来るようになります。」

「「「はい…。」」」

「自信を持って下さい。魔法はイメージが重要です。私がしていた魔法をそのままイメージすれば、出来るはずです。」

「水を霧状にして……出来ました!」

「私も出来ましたわ!」

「僕も出来たよ。」


続々と霧状の水魔法を放てるようになるクラスメイト達。
しかし、そこからが大変だ。
操って、様々な方向に動かす必要がある。


「では次に、霧状を保った状態で動かしてください。様々な方向に操れるようにしなければなりません。」

「「「はい!」」」


どうやら皆の士気が上がった様子。
この調子で頑張ってもらいたい。
しかし、霧状を保ち操るという行為にかなり苦戦していた。


「あらら、僕の水魔法が操れずに落ちたよ…。」

「わあぁ!すみませんすみません!」


シェシュアの魔法が右往左往している。
操れずに魔法だけが暴走しているようだ。
このままでは誰かに水がかかってしまう。
そこで私は霧状の魔法を箱に詰めるように、1つにした。
ただの丸く浮遊する水となった。


「ありがとうございます、ヴァリフィア様。」

「時間は沢山あるわ。急がなくて良いのよ。」

「はい…。」

「皆さんも、無理しないようにお願いします。」

「「「はい。」」」


しかし、シェシュアの魔法の暴走を止めたヴァリフィアに対し、皆の思っていたことは一つだった。


『他人の魔法に顔一つ変えずに介入するなんて、普通は出来ない…。』


自分が普通の令嬢ではないと言っているようなその行動に、呆れつつも尊敬するクラスメイト達。
二つ名を持つ時点で、『ただの令嬢です。』とは言えないのだが…。
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