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教師達の腕はどれほどのもの…?
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学園の授業が終わり、ホームルームの時間となった。
スフレがクラスルームに入ってくると、室内は静まり返る。
いつものように明日の予定を伝え、終わるかに思えたのだが……。
「もう一つ報せがある。今日より1週間、放課後の演習場は使用禁止とさせてもらう。」
「何故ですか!?」
「訓練が出来ません!」
戦闘狂のような男子生徒が次々に言葉を発しだした。
耳を塞ぎたくなるほどの声に、スフレは睨みをきかし、一言。
「静かに!」
たったそれだけで、気圧されて静かになる。
生徒達の背筋が伸び、次の言葉を恐る恐る待つ。
冷や汗を流している生徒もいた。
「説明は最後まで聞くことだ。明日より1週間、宮廷魔法師による教師達への実演を伴った講演が行われる。7日間それぞれ違う宮廷魔法師の方が来られる予定だ。」
「あの……スフレ先生。」
「何だ?」
「その様子を見ることは出来ないのでしょうか。」
「残念ながら、その許可は出ていない。とはいえ、宮廷魔法師の方に教えてもらえる機会はあるぞ。最高学年になると、1回のみ直々に授業をしてくれる。これは毎年行われている。」
「そうなのですね!ではその時を心待ちにしています。」
「ああ、そうしてくれ。ではホームルームを終了する。お疲れ様。」
今の宮廷魔法師の実力がどれほどのものか、興味が湧いた。
スフレの実力を考えれば、私より弱いことは明らかなのだが。
そんなことを思っていると、丁度よくエフェンが近くにいたので、聞いてみることにした。
「エフェン様。」
「ん?どうした、ヴァリフィア。」
「宮廷魔法師って、どのくらいの強さがあるのですか?」
「そうだね……スフレ先生の10分の7くらいかな。」
「そう……弱いですね。」
「ヴァリフィアが強すぎるだけさ。他国を含めて、この国の宮廷魔法師達は一番強いと思うよ。」
「えぇ~……。あれで…ね…。」
「あれで…と言うが、かなり強い方だぞ?」
「そうなのですか。」
「これはもう、興味を失った時の反応だな。棒読みだ…。」
(聞いてもしょうがない事だったなぁ……。確かに、スフレ先生が王国の実力者という時点で、分かっていたことなのだけれど。)
聞いて損した……とまではいかないが、意味の無い質問だったなと思ってしまう。
私はお礼を言って、身を翻し演習場へと向かおうとしたのだが、エフェンが声をかけてきた。
「スフレ先生は上手く言ってくれていたな。」
「何の話です?」
「私とヴァリフィアの仲だ、隠す必要もないと思うが…。ヴァリフィアが教師達に芸術魔法を教えるのだろう?」
「流石は『情報屋』ですね。その通りですよ。さて、早く行かなければなりませんので、私はこれで。」
「ああ。しっかりと教えてあげなよ。」
「誰に言っているのです?」
「ははっ。その返し、ヴァリフィアらしいよ。」
そしてその後の1週間、私は教師達に毎日、日が暮れるまで魔法を教えた。
お陰様で疲れが溜まっている。
少し休みたいと思うのであった…。
スフレがクラスルームに入ってくると、室内は静まり返る。
いつものように明日の予定を伝え、終わるかに思えたのだが……。
「もう一つ報せがある。今日より1週間、放課後の演習場は使用禁止とさせてもらう。」
「何故ですか!?」
「訓練が出来ません!」
戦闘狂のような男子生徒が次々に言葉を発しだした。
耳を塞ぎたくなるほどの声に、スフレは睨みをきかし、一言。
「静かに!」
たったそれだけで、気圧されて静かになる。
生徒達の背筋が伸び、次の言葉を恐る恐る待つ。
冷や汗を流している生徒もいた。
「説明は最後まで聞くことだ。明日より1週間、宮廷魔法師による教師達への実演を伴った講演が行われる。7日間それぞれ違う宮廷魔法師の方が来られる予定だ。」
「あの……スフレ先生。」
「何だ?」
「その様子を見ることは出来ないのでしょうか。」
「残念ながら、その許可は出ていない。とはいえ、宮廷魔法師の方に教えてもらえる機会はあるぞ。最高学年になると、1回のみ直々に授業をしてくれる。これは毎年行われている。」
「そうなのですね!ではその時を心待ちにしています。」
「ああ、そうしてくれ。ではホームルームを終了する。お疲れ様。」
今の宮廷魔法師の実力がどれほどのものか、興味が湧いた。
スフレの実力を考えれば、私より弱いことは明らかなのだが。
そんなことを思っていると、丁度よくエフェンが近くにいたので、聞いてみることにした。
「エフェン様。」
「ん?どうした、ヴァリフィア。」
「宮廷魔法師って、どのくらいの強さがあるのですか?」
「そうだね……スフレ先生の10分の7くらいかな。」
「そう……弱いですね。」
「ヴァリフィアが強すぎるだけさ。他国を含めて、この国の宮廷魔法師達は一番強いと思うよ。」
「えぇ~……。あれで…ね…。」
「あれで…と言うが、かなり強い方だぞ?」
「そうなのですか。」
「これはもう、興味を失った時の反応だな。棒読みだ…。」
(聞いてもしょうがない事だったなぁ……。確かに、スフレ先生が王国の実力者という時点で、分かっていたことなのだけれど。)
聞いて損した……とまではいかないが、意味の無い質問だったなと思ってしまう。
私はお礼を言って、身を翻し演習場へと向かおうとしたのだが、エフェンが声をかけてきた。
「スフレ先生は上手く言ってくれていたな。」
「何の話です?」
「私とヴァリフィアの仲だ、隠す必要もないと思うが…。ヴァリフィアが教師達に芸術魔法を教えるのだろう?」
「流石は『情報屋』ですね。その通りですよ。さて、早く行かなければなりませんので、私はこれで。」
「ああ。しっかりと教えてあげなよ。」
「誰に言っているのです?」
「ははっ。その返し、ヴァリフィアらしいよ。」
そしてその後の1週間、私は教師達に毎日、日が暮れるまで魔法を教えた。
お陰様で疲れが溜まっている。
少し休みたいと思うのであった…。
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