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2話
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私は王室へと通される。
威厳溢れる国王が、目の前に座っていた。
跪いた私を、国王が見下ろしている。
「用件を聞こう。」
「はい。この度、私は勇者ゼイス様により、勇者パーティーを追放された事をご報告に参りました。」
「ほう?勇者ゼイス本人が、お前を追放したのだな?」
「その通りでございます。代わりの魔法使いはご自身で見つけるとのことです。私の力が至らなかったばかりに、勇者様にご迷惑をおかけしていたようです。申し訳ございません。」
「やはり、お前はこの程度だったのか。」
「え……?」
「余も魔法の腕には自信がある。一目見たときから、お前の魔力量は弱い。初級魔法しか使えないと、ゼイスからも聞いている。追放されて当然よな。お前の師匠はかなりの実力者だが、所詮はその弟子といったものよ。」
「……。」
「弟子の尻拭いをしてもらわなければなるまい。」
「それは、どのような意味でしょうか?」
「奴がお前を推薦したのだ。しかしゼイスが追放したとなると、余が指名した者が相応しくなかったと、貴族達に思われる。それは困るのでな。責任は全て奴にあるのだ。奴を罰するしかあるまい。」
「なっ!」
「『余に、使えない魔法使いを推薦した』という事でな。貴様に異論は認めない。さっさと立ち去るがよい。」
「っ……。」
まさか、最悪の予想が的中するとは思っていなかった。
『師匠に責任を押し付けられる』という、最悪の事態…。
しかし国王に抵抗することは、一番許されない行為だ。
王室から出てすぐ、師匠の元へ転移した。
「師匠!」
「話は聞いたよ。勇者パーティーから追放されたんだってね。」
「っ…。」
「別に怒っているわけではないよ。シェルアの実力だと、魔物討伐は初級魔法で通用してしまうからね。勇者達が弱いと誤解してしまうのも仕方がない。それにしても、シェルアの実力を見抜けない勇者にも困ったものだな。」
師匠の名はエルザーム。
この国の有名な魔法使いだ。
そんな師匠に、私は助けられた。
私には両親の記憶がない。
小さな領地を持つ男爵家だったそうなのだが、凶暴化した魔物によって滅ぼされた。
師匠が駆けつけた時には既に私の両親や騎士達は殺され、少しの平民と赤子の私だけが生きていたらしい。
私は、平民出身だが功績を挙げて名誉貴族となった師匠の養子となった。
つまりは父でもあるのだ。
しかし、昔から『師匠』と呼ぶように言い聞かせたらしい。
本当の父ではないのに、『お義父さん』と呼ばれるのは嫌だったそうだ。
実に師匠らしい理由だと思った。
「それどころではないのです……。」
「分かっているよ。陛下は私を不敬罪で捕えるだろうね。罪状は、『使えない魔法使いを推薦し、国王陛下の顔に泥を塗った』とかかな。」
「何故……!?」
「何故分かったのか、かい?陛下は私を良く思っていないからだよ。」
「それはどういう…。」
「功績がある以上は名誉貴族にしなければならない。しかし欲深い陛下は、英雄と呼ばれている私に王の座を奪われるのではないかと危険視している。平民は重税に苦しんでいるにも関わらず、税は下がらず、国王は贅沢をしている。そんな貴族達に対し、平民は耐えられなくなりつつあるんだ。」
「つまり……師匠を中心とした革命軍が集い、攻めてくることを恐れているということでしょうか。」
「シェルアは本当に賢いな。その通りだよ。」
「そんな……師匠にその気はないのでしょう?」
「当たり前だよ。もし平民達に頼まれようと、私は平和的に解決したいと思っている。」
「……私の…せいですね…。私が……。」
本当に申し訳なかった。
私は師匠の事を心の底から尊敬している。
魔法を指導してくれたこともそうだが、他種族についても教えてくれたのだ。
その他様々な事を師匠から学んだ。
そんな師匠が、不敬罪で捕らえられてしまう……。
「シェルアは何も悪くないよ。これも全て陛下の計画だからね。」
「えっ…?」
「私は陛下に命令されたんだよ。『勇者パーティーに相応しい、魔法の才のある者を推薦しろ』とね。シェルアしかいなかったんだ……私の方こそ、悪かったよ…。」
「気になさらないで下さい。」
「ありがとう。しかしその命令から、陛下の計画は始まっていたんだよ。おそらく勇者ゼイスも加担しているはずだ。」
「ゼイスが…?」
「そうだ。ゼイスは王家に連なる者であり、第二王女の次男。陛下の孫になる。そしてその思考は限りなく陛下に近い。」
「王家に連なる……初耳です。」
「勇者が王家と関わり深いと知られると、平民の協力が得られなくなる。そう考えて隠しているのだろうね。」
「では師匠は何故その事を…?」
「情報は武器だよ。魔法という素晴らしいものを活用すれば良いんだ。」
「なるほど……。」
「話を戻すよ。ゼイスは私が推薦した者は誰であろうと、追放したはず。不敬罪にする為にね。」
「そんな…っ。」
「……来たようだね。」
その時、扉を叩く音がしたので、師匠は扉を開けた。
鎧を着た騎士が数名、そこに立っていた。
「エルザーム。貴様に書状が出ている。内容を読み上げろ。」
「はっ!
『エルザームは陛下に対し、不敬な行いをした。無能な魔法使いを推薦し、陛下のご尊顔に泥を塗るという行為を。よって、不敬罪で捕らえることとする。』
以上です。」
「異論は後だ。貴様を連行する。ひとまず王城に来てもらうか。」
「分かりました。」
「手を縛れ!逃がさぬように魔法を使用不可にさせる魔道具を付けろ!」
「はっ!」
「それと、シェルアにも同行願おう。連れてくるよう、陛下にご命令されている。任意だが、拒否権はないと知れ。」
「分かりました…。同行致します……。」
「シェルアには念の為、魔法を使用不可にさせるエルザームと同じ魔道具を付けさせてもらう。そのまま後ろをついてくるように。」
「はい…。」
「王城に着いたと同時に、裁判となる。これも陛下からのご命令だ。心の準備をしておくのだな。」
そうして私達は王城へと向かい、すぐに裁判が始まった。
威厳溢れる国王が、目の前に座っていた。
跪いた私を、国王が見下ろしている。
「用件を聞こう。」
「はい。この度、私は勇者ゼイス様により、勇者パーティーを追放された事をご報告に参りました。」
「ほう?勇者ゼイス本人が、お前を追放したのだな?」
「その通りでございます。代わりの魔法使いはご自身で見つけるとのことです。私の力が至らなかったばかりに、勇者様にご迷惑をおかけしていたようです。申し訳ございません。」
「やはり、お前はこの程度だったのか。」
「え……?」
「余も魔法の腕には自信がある。一目見たときから、お前の魔力量は弱い。初級魔法しか使えないと、ゼイスからも聞いている。追放されて当然よな。お前の師匠はかなりの実力者だが、所詮はその弟子といったものよ。」
「……。」
「弟子の尻拭いをしてもらわなければなるまい。」
「それは、どのような意味でしょうか?」
「奴がお前を推薦したのだ。しかしゼイスが追放したとなると、余が指名した者が相応しくなかったと、貴族達に思われる。それは困るのでな。責任は全て奴にあるのだ。奴を罰するしかあるまい。」
「なっ!」
「『余に、使えない魔法使いを推薦した』という事でな。貴様に異論は認めない。さっさと立ち去るがよい。」
「っ……。」
まさか、最悪の予想が的中するとは思っていなかった。
『師匠に責任を押し付けられる』という、最悪の事態…。
しかし国王に抵抗することは、一番許されない行為だ。
王室から出てすぐ、師匠の元へ転移した。
「師匠!」
「話は聞いたよ。勇者パーティーから追放されたんだってね。」
「っ…。」
「別に怒っているわけではないよ。シェルアの実力だと、魔物討伐は初級魔法で通用してしまうからね。勇者達が弱いと誤解してしまうのも仕方がない。それにしても、シェルアの実力を見抜けない勇者にも困ったものだな。」
師匠の名はエルザーム。
この国の有名な魔法使いだ。
そんな師匠に、私は助けられた。
私には両親の記憶がない。
小さな領地を持つ男爵家だったそうなのだが、凶暴化した魔物によって滅ぼされた。
師匠が駆けつけた時には既に私の両親や騎士達は殺され、少しの平民と赤子の私だけが生きていたらしい。
私は、平民出身だが功績を挙げて名誉貴族となった師匠の養子となった。
つまりは父でもあるのだ。
しかし、昔から『師匠』と呼ぶように言い聞かせたらしい。
本当の父ではないのに、『お義父さん』と呼ばれるのは嫌だったそうだ。
実に師匠らしい理由だと思った。
「それどころではないのです……。」
「分かっているよ。陛下は私を不敬罪で捕えるだろうね。罪状は、『使えない魔法使いを推薦し、国王陛下の顔に泥を塗った』とかかな。」
「何故……!?」
「何故分かったのか、かい?陛下は私を良く思っていないからだよ。」
「それはどういう…。」
「功績がある以上は名誉貴族にしなければならない。しかし欲深い陛下は、英雄と呼ばれている私に王の座を奪われるのではないかと危険視している。平民は重税に苦しんでいるにも関わらず、税は下がらず、国王は贅沢をしている。そんな貴族達に対し、平民は耐えられなくなりつつあるんだ。」
「つまり……師匠を中心とした革命軍が集い、攻めてくることを恐れているということでしょうか。」
「シェルアは本当に賢いな。その通りだよ。」
「そんな……師匠にその気はないのでしょう?」
「当たり前だよ。もし平民達に頼まれようと、私は平和的に解決したいと思っている。」
「……私の…せいですね…。私が……。」
本当に申し訳なかった。
私は師匠の事を心の底から尊敬している。
魔法を指導してくれたこともそうだが、他種族についても教えてくれたのだ。
その他様々な事を師匠から学んだ。
そんな師匠が、不敬罪で捕らえられてしまう……。
「シェルアは何も悪くないよ。これも全て陛下の計画だからね。」
「えっ…?」
「私は陛下に命令されたんだよ。『勇者パーティーに相応しい、魔法の才のある者を推薦しろ』とね。シェルアしかいなかったんだ……私の方こそ、悪かったよ…。」
「気になさらないで下さい。」
「ありがとう。しかしその命令から、陛下の計画は始まっていたんだよ。おそらく勇者ゼイスも加担しているはずだ。」
「ゼイスが…?」
「そうだ。ゼイスは王家に連なる者であり、第二王女の次男。陛下の孫になる。そしてその思考は限りなく陛下に近い。」
「王家に連なる……初耳です。」
「勇者が王家と関わり深いと知られると、平民の協力が得られなくなる。そう考えて隠しているのだろうね。」
「では師匠は何故その事を…?」
「情報は武器だよ。魔法という素晴らしいものを活用すれば良いんだ。」
「なるほど……。」
「話を戻すよ。ゼイスは私が推薦した者は誰であろうと、追放したはず。不敬罪にする為にね。」
「そんな…っ。」
「……来たようだね。」
その時、扉を叩く音がしたので、師匠は扉を開けた。
鎧を着た騎士が数名、そこに立っていた。
「エルザーム。貴様に書状が出ている。内容を読み上げろ。」
「はっ!
『エルザームは陛下に対し、不敬な行いをした。無能な魔法使いを推薦し、陛下のご尊顔に泥を塗るという行為を。よって、不敬罪で捕らえることとする。』
以上です。」
「異論は後だ。貴様を連行する。ひとまず王城に来てもらうか。」
「分かりました。」
「手を縛れ!逃がさぬように魔法を使用不可にさせる魔道具を付けろ!」
「はっ!」
「それと、シェルアにも同行願おう。連れてくるよう、陛下にご命令されている。任意だが、拒否権はないと知れ。」
「分かりました…。同行致します……。」
「シェルアには念の為、魔法を使用不可にさせるエルザームと同じ魔道具を付けさせてもらう。そのまま後ろをついてくるように。」
「はい…。」
「王城に着いたと同時に、裁判となる。これも陛下からのご命令だ。心の準備をしておくのだな。」
そうして私達は王城へと向かい、すぐに裁判が始まった。
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