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10.溺愛

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「アーシャおいで」
「はい……」

 右手に包帯を巻いたヴェルは裸で仰向けに寝て、私を呼び寄せました。

 私はゆっくりとヴェルの顔にゆっくりと秘部を下ろして行くと、彼はちゅぱちゅぱと音を立てて、滴る蜜を啜り始めたのです。

「ヴェル……スゴい……気持ちいい……あっ、あっ、あっ、はあぁぁん……」

 生温かい舌がうねうねと私の膣壁を愛撫し、ヒクヒクと震えてしまいます。ヴェルは私のお尻を掴んで、快感が何度も襲いました。

 前のめりに倒れそうにたるところを目の前にあるヴェルの牡を掴み……

 ちゅぱちゅぱ……

「くう……アーシャ、それ良い……キミの綺麗な身体を見るともう、猛って大きくなってしまう。しゃぶって鎮めて欲しい……」
「ふぁい……ちゅぱ、ちゅぱ」

 口の中に収まり切らないヴェルのおちんちん……

 少し汗ばみ、塩気を帯びていましたが怪我を負ってまで助けてくれた彼のことが好きで堪らず、夢中で咥え、舌で愛撫していました。

「あうう……アーシャの口の中が気持ち良くて……うう」

 逞しいヴェルが私にしゃぶられて、可愛い声を上げています。でも、こちらも気持ち良くて……

 あん、ああん……ヴェルの舌遣い……気持ち良くて、力が抜けちゃう……

 でも、彼に気持ち良くなって欲しい。

 互いの性器を舐め合い、愛を確かめていると……快感が込み上げて……

「ふああぁぁぁぁーーー! いくぅぅぅぅーーー!!!」
「アーシャぁぁ……俺もだぁぁぁーーー!!!」

 口いっぱいにヴェルの濃い精液が吹き出していました。こんなに濃いのが膣内に出されたら、赤ちゃん……出来ちゃう……

「ヴェルの赤ちゃん……欲しい……」

 思わず、そんなことを口走っていました。

「アーシャ……俺もキミとの子が欲しいよ」

 髪を撫で、微笑んでくれるヴェル……仰向けになると彼の牡はまだまだ、元気なようで硬いまま。

 もっとヴェルを感じたくて……

「ああっ! 硬いぃぃ……気持ちいい……」

 ゆっくりと牡へ腰を下ろしていきました。すると彼から言われるまでもなく、腰が勝手に上下してしまい、快楽の虜になってしまいます。

「ア……アーシャ!?」

 ヴェルと肌を重ねれば、重ねるほど私は彼を求め、淫らになってしまっていました。でも、彼にそんな姿をもっと見て欲しいと……

「気持ちいいよぉ……ヴェルぅぅ……」
「嬉しいよ、アーシャの甘い声が聞けて」

 私が彼の上で喘げば喘ぐほど、牡は逞しくなっているような気がしました。

 ヴェルは下から私の乳房を愛撫するので更に膣から蜜が溢れ、ぐちゅぐちゅと卑猥な音が部屋中に響いています。

「くう……アーシャ……アーシャに絞り取られるぅ……」

 ぶびゅーーーぅ。

「ふあああぁぁぁぁーーーー!!! ヴェルの熱いのが私の膣内にぃぃぃ来てるぅぅぅ」

 ヴェルと私は一緒に達してしまったようで、ペタンと彼の胸に倒れ込んでしまいました。

「ヴェル……大好きぃぃ……」
「アーシャ、俺もだ」

 そのまま、口付けすると……疲労もあって、二人で眠りに落ちていったのです。


         ☆


 ――――王宮、イライザの寝室。

 う……ううん……

 目を覚ますと王宮のベッドに寝かされていました。どうやら、連れ戻されてしまったらしいです。

「お目覚めになられましか!」

 側仕えのメイドがおり……

「すぐに人を呼んで参ります」
「ええ……」

 逃亡したって言うのもっと騒動になっていると思ったら、怖いくらいに静かです。

「イライザ、目覚めたか!」
「ヘンリー! さま……」

 会いたくなかった彼を見て、驚きました。逃亡したことより、なんだか心配そうな表情をしていて……

「あのこれは……」
「分かっている。お前が俺を捨てる訳なかろう。そうだ、見せたいものがある。ついて来い」

「は、はい……」

 お、おかしい……絶対に問い詰められると思ったのに……

「何をしている? 早く行くぞ」
「はい、ただいま」

 あとを付いていくと、数回ほど顔を合わせた男が声を掛けてくる。

「イライザ様、お目覚めになりましたか!」
「え、ええ……」

 この男は……護衛隊のアラン……確か、暗殺、拷問なんかの汚れ仕事からヘンリーの護衛に抜擢されたとか……

「ご苦労だった」
「そんな殿下……もったいないお言葉……ありがたき幸せにございます」

「イライザ……アランがお前を助け出してくれたのだ。感謝の言葉でもくれてやれ」

 えっ!? 私は確か、アーシャの……

「ヘンリー様、私はただ、任務を遂行したまで。お気持ちだけで十分にございます」
「そうか、なら先を急ごう」


 ヘンリー達に連れて行かれた先は地下牢……

「面白い見世物がある。イライザ、俺と一緒に楽しもう」
「え、ええ……」

 こんな地下牢で観劇なんて、ヘンリーは何を……

「アラン、始めろ!」
「畏まりました!」

 ボッとランプの火が灯されると…… 

「ドミニク!?」

 ドミニクの前にはアランがおり、私達に腕を胸前に置いて、お辞儀をしました。ドミニクに黒い布袋を被せ、机の上に彼の腕を護衛隊の男達が押さえます。

「貴様がイライザ様を誘惑し、逃亡を手引きしたのであろう! 答えろぉぉぉ!!!」

 おもむろにハンマーと大きな釘を持ったアラン。木に釘を打つように打ち込んだのです。

「うぎゃあああああーーー!!!」

 ドミニクの叫び声が階全体に響き渡りました……

 うっ!? と、吐き気が込み上げます。

 ですが……

「うひゃひゃひゃひゃ!!! 聞いたか、イライザ! お前を誑かした悪い男が苦しむ姿は最高だな!」

 隣に座るヘンリーは手を叩きながら、喜々としていたのでした。

 こんな……嗜虐的な男だったなんて聞いてない!

「イライザ……お前、まさか本当に俺から逃亡したいなんて思ってなかったよなぁ?」

「も……もちろんです! 私はヘンリー様を愛しておりますわ」

 バレたら、私も拷問に……いえ、殺されてしまう……

「アラン! 手緩いです! もっと、そこの男に厳しい拷問をお掛けなさい!」

 私の命惜しさに家従のドミニクの命を差し出したのです。
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