66 / 80
5.光と闇
脱出成功?
しおりを挟む
散乱した部屋の中では、男が1人佇んでいた。
部屋の中は明るいはずなのに、何故か暗く感じる。
彼は、大切なものを部屋にしまうように大事にしていたのに、たった今失くしてしまったようだ。
慌てて帰ってきたせいで、大事なものを見誤ったらしい。
「あはは……、なんで分かってくれないんだろう。」
傷付けないように薬で管理して、部屋には監視カメラを付けていた。
出掛ける時にはチェックして、部屋から出ない限りは自由にさせていた。
だけど、奈緒を甘やかしすぎてしまったようだ。
バディと同調してまで、ここから出たいと思うなんて。
最近は、計画の後処理と報告で、家を開けていたから、寂しくさせてしまったのかもしれない。
でも、大丈夫。
奈緒と僕の絆は誰よりも深い。
今まで喧嘩はあまりした事なかったけど、奈緒は優しいし謝れば大体の事は許してくれる。
だから、今回の件だって仲直りすればいいだけだ。
まずは、僕のもとに、帰ってきてもらわないと……。
早く見つけあげよう。
じゃなきゃ、奈緒がかわいそうだ。
なぜなら、既に、彼は僕がいないと動けない身体に変わりつつあるのだから。
~.。・。.~
クロを先頭にしてねこにしか分からないような裏道を通っていく。
クロはどこへ向かってるんだろう。
元々、クロが持っている知識の中で最適解を選んでるはずだけど。
通ってる道は人目につかず入り組んでいて、そっと隠れて逃げるのには丁度良い。
外は、第3地区の雰囲気とはガラッと変わって暖かな風が吹いている。
潮の香りもするから、海が近いのだろう。
石畳でできた街路とレンガ作りの街並みには朗らかな太陽がとてもよく似合っている。
今こんな状況でなければ、落ち着いて観光したいという気にさせられる。
ジグザグに進んで緩やかな勾配の坂を下って行くと、だんだんと賑やかになってきた。
市場通りに面してるようだ。
物資の入った重そうな木箱があちこちに積み上げられて置かれている。
人通りが多くなってきた。
小さい身体になってしまった今では、人が大きく感じられる。
蹴られてしまわないように、壁際に沿って歩いて行く。
丁度、出店の裏側を通るような感じだ。
クロについていきながら、出店の商品も横目に眺めて行く。
見たことがないものであふれていた。
アクセサリーなどの装飾品やお洒落な食器、珍しい動植物や、美味しそうな食べ物に小道具や書籍、絵画……
この他にも、あらゆるものが揃っているようだ。
心は弾んできたけれど、かわりに身体がだるくなってきた。
走ったり、飛び越えたり、かなり動いたからかな……。
こんなに歩いてるけど、正直なところ、まだ距離を稼げてないような気がする。
だって、人間の一歩と、猫の一歩じゃ違いすぎる。
例え、方角が分からなくてもすぐに総に追いつかれそうだ。
このままで大丈夫なのかな。
クロは一向に行き先を教えてくれないし。
って、ああっ!……イタタ……
考え事をしながら歩いていたら、空の木箱に落ちてしまった。
もー、誰だよー、木箱に布を掛けたやつー。
中に何も入ってないんだったら、布を被せるなよなーっ。
よいせ、よいせっ。
地味に高さがあるから、よじ登るのが大変だ。
あああっー!
クローっ、待ってーっ!!
おいてかないでーっ!!!
てか、助けてーーー
こんな時ばかり、持ち主の想いを汲み取らない。
そう、それが、うちのバディのクロであった……。
ーーーよそ見は危険ーーー
部屋の中は明るいはずなのに、何故か暗く感じる。
彼は、大切なものを部屋にしまうように大事にしていたのに、たった今失くしてしまったようだ。
慌てて帰ってきたせいで、大事なものを見誤ったらしい。
「あはは……、なんで分かってくれないんだろう。」
傷付けないように薬で管理して、部屋には監視カメラを付けていた。
出掛ける時にはチェックして、部屋から出ない限りは自由にさせていた。
だけど、奈緒を甘やかしすぎてしまったようだ。
バディと同調してまで、ここから出たいと思うなんて。
最近は、計画の後処理と報告で、家を開けていたから、寂しくさせてしまったのかもしれない。
でも、大丈夫。
奈緒と僕の絆は誰よりも深い。
今まで喧嘩はあまりした事なかったけど、奈緒は優しいし謝れば大体の事は許してくれる。
だから、今回の件だって仲直りすればいいだけだ。
まずは、僕のもとに、帰ってきてもらわないと……。
早く見つけあげよう。
じゃなきゃ、奈緒がかわいそうだ。
なぜなら、既に、彼は僕がいないと動けない身体に変わりつつあるのだから。
~.。・。.~
クロを先頭にしてねこにしか分からないような裏道を通っていく。
クロはどこへ向かってるんだろう。
元々、クロが持っている知識の中で最適解を選んでるはずだけど。
通ってる道は人目につかず入り組んでいて、そっと隠れて逃げるのには丁度良い。
外は、第3地区の雰囲気とはガラッと変わって暖かな風が吹いている。
潮の香りもするから、海が近いのだろう。
石畳でできた街路とレンガ作りの街並みには朗らかな太陽がとてもよく似合っている。
今こんな状況でなければ、落ち着いて観光したいという気にさせられる。
ジグザグに進んで緩やかな勾配の坂を下って行くと、だんだんと賑やかになってきた。
市場通りに面してるようだ。
物資の入った重そうな木箱があちこちに積み上げられて置かれている。
人通りが多くなってきた。
小さい身体になってしまった今では、人が大きく感じられる。
蹴られてしまわないように、壁際に沿って歩いて行く。
丁度、出店の裏側を通るような感じだ。
クロについていきながら、出店の商品も横目に眺めて行く。
見たことがないものであふれていた。
アクセサリーなどの装飾品やお洒落な食器、珍しい動植物や、美味しそうな食べ物に小道具や書籍、絵画……
この他にも、あらゆるものが揃っているようだ。
心は弾んできたけれど、かわりに身体がだるくなってきた。
走ったり、飛び越えたり、かなり動いたからかな……。
こんなに歩いてるけど、正直なところ、まだ距離を稼げてないような気がする。
だって、人間の一歩と、猫の一歩じゃ違いすぎる。
例え、方角が分からなくてもすぐに総に追いつかれそうだ。
このままで大丈夫なのかな。
クロは一向に行き先を教えてくれないし。
って、ああっ!……イタタ……
考え事をしながら歩いていたら、空の木箱に落ちてしまった。
もー、誰だよー、木箱に布を掛けたやつー。
中に何も入ってないんだったら、布を被せるなよなーっ。
よいせ、よいせっ。
地味に高さがあるから、よじ登るのが大変だ。
あああっー!
クローっ、待ってーっ!!
おいてかないでーっ!!!
てか、助けてーーー
こんな時ばかり、持ち主の想いを汲み取らない。
そう、それが、うちのバディのクロであった……。
ーーーよそ見は危険ーーー
0
あなたにおすすめの小説
鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる
結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。
冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。
憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。
誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。
鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。
【完結】国に売られた僕は変態皇帝に育てられ寵妃になった
cyan
BL
陛下が町娘に手を出して生まれたのが僕。後宮で虐げられて生活していた僕は、とうとう他国に売られることになった。
一途なシオンと、皇帝のお話。
※どんどん変態度が増すので苦手な方はお気を付けください。
囚われた元王は逃げ出せない
スノウ
BL
異世界からひょっこり召喚されてまさか国王!?でも人柄が良く周りに助けられながら10年もの間、国王に準じていた
そうあの日までは
忠誠を誓ったはずの仲間に王位を剥奪され次々と手篭めに
なんで俺にこんな事を
「国王でないならもう俺のものだ」
「僕をあなたの側にずっといさせて」
「君のいない人生は生きられない」
「私の国の王妃にならないか」
いやいや、みんな何いってんの?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる