初恋

 小学2年の頃、都会から母と2人で引っ越してきたカナタは、新しい教科書が届くまでの間、隣りの席に座るハルカの教科書を一緒に見ていた。
 ハルカは、高校2年の夏、両親の離婚で、都会の学校へ転校する事になった。
 ハルカが町を去る少し前、カナタはハルカの下駄箱に手紙を入れた。
 好きだという言葉を書いたけれど、塗りつぶしてデタラメなQRコードに変えた。

 バドミントンの県大会で、カナタとハルカは再会する。  
 カナタの事が気になり、試合中に転倒して右手を骨折してしまったハルカは、カナタの母の気遣いで、その日はカタナの家に泊まる事になった。
 お互いの気持ちにとっくに気がついているけれど、ハルカは新しい学校の同級生と、カナタは幼馴染とそれぞれ交際を始めていた。 
 好きだと思いを閉じ込め、もう二度と会わない事に決めた2人。
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