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蕾責め 六
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「まったく、殿下は悪い子ね。こんなふうでは、なかななかお客の前に出せないわ」
ぺち、ぺち、とマーメイが剝きだしにされたラオシンの臀部を打つ。ラオシンは怒りに双眼を燃やすが、魔女の鋼の心には針一本ほどの痛みもあたえないらしい。
「あ……ああ」
隠すもものなくすべてさらけ出された身体の秘密を、卑しい男女四人に見つめられ、ラオシンは屈辱のあまり死ぬかと思ったが、死ねないのが人の身のつらさで、調子にのったドドによって、いっそう強く足首をしばられ、秘部をなおさらすようにされる。
「さ、ドド、始めろ。蹴られた恨みをぞんぶんに晴らすがいい」
「へい。……ですが」
ドドの細い目がきらりと光った。
「なんだ?」
「頭、こんな道具なんかじゃなく、俺の剣でお仕置きしてやっては駄目ですか?」
「それは駄目よ」
口をはさんだのはマーメイだ。
「殿下のお相手は決まっているのよ」
その言葉は憤辱に身を焦がして、気をうしないそうになっているラオシンの鼓膜を刺した。
「え? 誰なんですかい?」
「それは……、初見せの日に一番お金を出してくださるお客様よ。その人以外の人が殿下を抱くことはゆるされないの」
マーメイの説明にドドが情けなさそうに太い眉の端をさげる。
「で、ですが、そんなの判りっこありませんよ。どうせ道具で開発するんなら、俺の生身の肉のほうが殿下だって喜ばれるでしょう」
「うー、うう!」
ラオシンは呻き声をあげて身体をよじった。その嫌がる様子を見て、マーメイは笑う。
「ほうら、殿下も嫌がっていらっしゃるわ。気の毒だけれど、ドド、殿下を抱くのはあきらめて。そのかわり、ほら、この道具で、うんと殿下をよろこばせてあげるといいわ」
「ちっ……」
無念そうな顔をしながらも、ドドは身をかがめると、受け取った象牙の道具をラオシンのあらわにされた秘部にそっと押し付ける。
「ううっ!」
かたくななラオシンの蕾もすでに油で湿らせられたあとなので、いつまでも強情をとおすこともできず、やがて張り出したように造られた象牙の先を飲みこみはじめた。
「あっ、ああ! 駄目、だぁ……!」
「殿下、可愛いですよ」
ドドはさすがに男を感じさせることに慣れているらしく、けっして急がず、ゆっくりと、ねっとりとラオシンの官能を高めていく。
「ああ……、ああっ、ああっ」
「そうそう、そうやって素直にしていればいいんですよ。うんと感じさせてあげますからね」
「そうよ、ゆっくりとね。焦らないで。時間はたっぷりあるわ。二度と殿下が反抗しないように躾けてやるのよ」
マーメイが笑いながら歌うように言う。
「ああ……、すごい。王子様が俺のまえでこんな……」
ドドの興奮した声はラオシンの神経を逆なでする。
「どうだ、どうだ?」
「あっ、よせぇ」
ラオシンは魂が身体から抜け出すのではないかと思う直前まで責められたが、そのぎりぎりのところでドドの手は止まる。
「くぅー」
無念そうに唇を噛みしめ首をひねるラオシンを満足そうに見ながら、ドドはすこししてから動きを再開させる。
「ああ!」
いく――、というラオシンの心の叫びを、ドドはじめ他の三人もたしかに聞いた気がした。
だが、またも魂は空に飛び上がる直前で地上に引きずり降ろされ、かと思うとまた天に昇らせられる、ということを幾度となくくりかえされたあげく、とうとうラオシンは感極まって縛られた身体をひきつらされた。
「おおっと!」
「ああ……!」
ラオシンの悲痛な叫びを聞いて、リリはそっと布を手に近寄り、余韻にひたる間もないラオシンの身体をきよめてやる。
「殿下、気を失うのは早いですよ」
「そうよ。これからまだあと二回、いえ三回は頑張ってもらいましょう」
マーメイの冷酷な言葉に悔し気に眉をゆがめるラオシンに、追い打ちをかけるようにドドが言う。
「いえいえ、四回、いや、五回は頑張ってもらいましょうぜ。こういうのは最初が大事ですからね。俺が腕によりをかけて殿下を鍛えてやりますよ。殿下は弓の名手だと聞きましたが、こっちも劣ると勝らず名人になってもらわないと」
「それはいいわね」
「だが、ドド、おまえの方がしんどくならないか? すこし変わるか?」
ディリオスの提案にドドはとんでもない、と叫ぶように返す。
「大丈夫ですよ、頭、こんな上物と遊べるんですから、疲れなんてまったく感じません」
「まぁ、頼もしいわね。では、しばらくドドにまかせてみましょう。疲れたら私かリリが変わるわ。……ディリオス、あなたはこういうのはあまり好きじゃないのでしょう?」
「ああ。俺には向いてない」
「ご安心ください、俺が全部引き受けます」
「あら、駄目よ。こういうのもここで働くかぎりは練習しないと。ディリオスとリリにも一回ずつはやってもらうわよ」
「仕方ないな」
ディリオスの諦めたような声。
「そ、それならもう一回俺にさせてくださいよ。その次は頭、それからリリ」
「次は私。まぁ、その後も殿下がもちそうならドド、おまえがまたやるといいわ」
「なーに、気を失おうがどうしようが、俺が何度でも燃やしてやりますよ」
悪鬼たちの恐ろしい相談にラオシンは心も身体もくずれていくのを自覚した。
だが、夜明け近くまで、この後も彼はひたすら屈辱と恥辱に耐え、ドド、ディリオス、リリ、マーメイの手によって幾度となく心を崩壊させられることになるのだ。
ぺち、ぺち、とマーメイが剝きだしにされたラオシンの臀部を打つ。ラオシンは怒りに双眼を燃やすが、魔女の鋼の心には針一本ほどの痛みもあたえないらしい。
「あ……ああ」
隠すもものなくすべてさらけ出された身体の秘密を、卑しい男女四人に見つめられ、ラオシンは屈辱のあまり死ぬかと思ったが、死ねないのが人の身のつらさで、調子にのったドドによって、いっそう強く足首をしばられ、秘部をなおさらすようにされる。
「さ、ドド、始めろ。蹴られた恨みをぞんぶんに晴らすがいい」
「へい。……ですが」
ドドの細い目がきらりと光った。
「なんだ?」
「頭、こんな道具なんかじゃなく、俺の剣でお仕置きしてやっては駄目ですか?」
「それは駄目よ」
口をはさんだのはマーメイだ。
「殿下のお相手は決まっているのよ」
その言葉は憤辱に身を焦がして、気をうしないそうになっているラオシンの鼓膜を刺した。
「え? 誰なんですかい?」
「それは……、初見せの日に一番お金を出してくださるお客様よ。その人以外の人が殿下を抱くことはゆるされないの」
マーメイの説明にドドが情けなさそうに太い眉の端をさげる。
「で、ですが、そんなの判りっこありませんよ。どうせ道具で開発するんなら、俺の生身の肉のほうが殿下だって喜ばれるでしょう」
「うー、うう!」
ラオシンは呻き声をあげて身体をよじった。その嫌がる様子を見て、マーメイは笑う。
「ほうら、殿下も嫌がっていらっしゃるわ。気の毒だけれど、ドド、殿下を抱くのはあきらめて。そのかわり、ほら、この道具で、うんと殿下をよろこばせてあげるといいわ」
「ちっ……」
無念そうな顔をしながらも、ドドは身をかがめると、受け取った象牙の道具をラオシンのあらわにされた秘部にそっと押し付ける。
「ううっ!」
かたくななラオシンの蕾もすでに油で湿らせられたあとなので、いつまでも強情をとおすこともできず、やがて張り出したように造られた象牙の先を飲みこみはじめた。
「あっ、ああ! 駄目、だぁ……!」
「殿下、可愛いですよ」
ドドはさすがに男を感じさせることに慣れているらしく、けっして急がず、ゆっくりと、ねっとりとラオシンの官能を高めていく。
「ああ……、ああっ、ああっ」
「そうそう、そうやって素直にしていればいいんですよ。うんと感じさせてあげますからね」
「そうよ、ゆっくりとね。焦らないで。時間はたっぷりあるわ。二度と殿下が反抗しないように躾けてやるのよ」
マーメイが笑いながら歌うように言う。
「ああ……、すごい。王子様が俺のまえでこんな……」
ドドの興奮した声はラオシンの神経を逆なでする。
「どうだ、どうだ?」
「あっ、よせぇ」
ラオシンは魂が身体から抜け出すのではないかと思う直前まで責められたが、そのぎりぎりのところでドドの手は止まる。
「くぅー」
無念そうに唇を噛みしめ首をひねるラオシンを満足そうに見ながら、ドドはすこししてから動きを再開させる。
「ああ!」
いく――、というラオシンの心の叫びを、ドドはじめ他の三人もたしかに聞いた気がした。
だが、またも魂は空に飛び上がる直前で地上に引きずり降ろされ、かと思うとまた天に昇らせられる、ということを幾度となくくりかえされたあげく、とうとうラオシンは感極まって縛られた身体をひきつらされた。
「おおっと!」
「ああ……!」
ラオシンの悲痛な叫びを聞いて、リリはそっと布を手に近寄り、余韻にひたる間もないラオシンの身体をきよめてやる。
「殿下、気を失うのは早いですよ」
「そうよ。これからまだあと二回、いえ三回は頑張ってもらいましょう」
マーメイの冷酷な言葉に悔し気に眉をゆがめるラオシンに、追い打ちをかけるようにドドが言う。
「いえいえ、四回、いや、五回は頑張ってもらいましょうぜ。こういうのは最初が大事ですからね。俺が腕によりをかけて殿下を鍛えてやりますよ。殿下は弓の名手だと聞きましたが、こっちも劣ると勝らず名人になってもらわないと」
「それはいいわね」
「だが、ドド、おまえの方がしんどくならないか? すこし変わるか?」
ディリオスの提案にドドはとんでもない、と叫ぶように返す。
「大丈夫ですよ、頭、こんな上物と遊べるんですから、疲れなんてまったく感じません」
「まぁ、頼もしいわね。では、しばらくドドにまかせてみましょう。疲れたら私かリリが変わるわ。……ディリオス、あなたはこういうのはあまり好きじゃないのでしょう?」
「ああ。俺には向いてない」
「ご安心ください、俺が全部引き受けます」
「あら、駄目よ。こういうのもここで働くかぎりは練習しないと。ディリオスとリリにも一回ずつはやってもらうわよ」
「仕方ないな」
ディリオスの諦めたような声。
「そ、それならもう一回俺にさせてくださいよ。その次は頭、それからリリ」
「次は私。まぁ、その後も殿下がもちそうならドド、おまえがまたやるといいわ」
「なーに、気を失おうがどうしようが、俺が何度でも燃やしてやりますよ」
悪鬼たちの恐ろしい相談にラオシンは心も身体もくずれていくのを自覚した。
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