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玉石責め 三
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(良いか、これからは一日にすくなくとも十回は殿下に精を吐かせ、最低一回は泣かせるのじゃ。殿下には王子としての、いや、男としての誇りを失くしてもらう。身体は男のままにしておいてやるが、心は女になってもらうぞ。それもとびきりの淫乱にな。ぐふふふふ)
ジャハンの声が耳によみがえる。目的どおり泣きだしたラオシンを見ても達成感はわかず、ディリオスはおのれの職務が恨めしくなったが、泣き言はいえない。
「さ、ふたつ目よ。ドド、つづけて」
「へい」
「よ、よせ……!」
うっとりとラオシンの張りつめた淡い鳶色の尻を見下ろしながら、ドドがさらにふたつ目を蕾に近づけ、その果肉が、ひとつ目のときとはちがって、すんなりと玉石を呑んでいくのを見守る。
「あら、今度はするする入っていくわね」
「旨味をおぼえたんですかね?」
「ほほほほほ」
汗しずくを全身からたらたら垂らしながら、ラオシンはついに三っつ目も挿入されてしまう。縛られたままの体勢でのけぞり、目はほとんど白目をむきそうだが、ディリオスは口出しすることなく、ただ、拷問に耐えるラオシンを見つめつづけていた。どこかで、このままつづけてもラオシンは狂うことはないだろう、という奇妙な直観があり、傍観者に徹することにした。
「さ、殿下、全部呑んだら今度は出すのよ」
「い、いやだ!」
「ずっと入れておくわけには行かないでしょう? 大丈夫よ、出したあとで今度は張型でいかせてさしあげますわ。殿下には今日じゅうにあと最低でも七回はいってもらいますからね」
「む、無理だ、そんな!」
はぁ、はぁ、と苦悶の息を吐きながら、ラオシンは首をふる。だが、マーメイの言うようにずっとそのままでいるわけにもいかず、出すときがきた。
「た、たのむ……後生だから、離れてくれ……向こうをむいてくれ」
周囲には女たちがそれぞれの脂粉の匂いをまきちらしながら、魅入られたようにラオシンの痴態を目を輝かせて見つめている。彼女たちの存在はラオシンにとって苦痛以外のなにものでもない。男の目で嬲られるのとはまた違う痛み……というより、たまらない痒みをあたえられる気がするのだ。
「なに言っているのよ、本当に恥ずかしがりやさんね。そこをなおすための調教なのよ。ほら、おまえたちも近くで見せてもらうといいわ」
荒療治とばかりにマーメイは背後に遠ざけていた護衛の四人を呼びよせる。
「おお!」
男たちは先ほどからむらむらしながら遠目にこの淫らな責めを見ていたので、呼ばれて近くでラオシンの恥ずかしい姿を見られることに皆日に焼けた黒い顔を赤く燃やして、興味津々だ。
「ああ……」
女たちの香にまじって男たちの汗の臭いが鼻をつく。苦痛の汗を天鵞絨にしたたらせ、ラオシンは歯をくいしばった。
「さ、殿下、みんなが待っているわ。はやく!」
リリが粗相の始末をするために持ってきた銀の盥をラオシンの脚のあいだに置こうとしたので、ドドが身体をすこしゆずりつつ、ついでのようにラオシンの太腿をさらに大きく開けさせる。
「へへ、殿下、脚をもうちょっと開きましょうね」
「うう……!」
誰にも見せたことのない箇所が、無残にも下等な男女十一人の前にさらけだされ、ラオシンはまた喘ぐ。口から心の臓をはきだしそうだ。
「ほら、殿下、この盥のうえに出すといいわ。卵を産む鶏みたいにね」
マーメイの言葉にドドが残酷な軽口をたたいた。
「そりゃいい。こけこっこー、って言ってみますか、殿下?」
どっと男たちが笑い、女たちもつられたようにくすくす笑う。
「ああ! もう、殺せ、殺してくれ!」
もはや肉体的にも精神的にもラオシンは限界だった。
とうとう虐待者たちののぞむように水音をたてて玉石を盥のうえにひねり出した。
排泄行為にも似たこの様子を下等な連中の環視のなかでおこなわなければならないことに、ラオシンは発狂寸前まで追いつめられながら、それでも狂うことも死ぬこともできないまま、不様をさらしつづけるしかなく、手足を瘧にでもかかったようにぶるぶる震わせつづけている。
「おお、出た出た」
「亀の産卵のようだな」
ジャスミンの純白の花びらの浮かぶ水に、その名のとおり、のたうつ蛇を秘めたような乳黒色の石が沈む。
「ほら、あとふたつ。殿下、もっと力んで」
口々にはやしたてられ、ラオシンは涙をぽろぽろ流しながらふたつ目を落とす。
「そら、あとひとつだ」
「下腹を撫でてやろうか?」
「さ、さわるな!」
叫んだののと同時に、三っつ目がが水盤に落ちる。
「おおー」
刹那、周囲で歓声のような声がわっとあがり拍手の音までひびく。
同時に、ラオシンは精を放っていたのだ。
マーメイは満足の笑みを浮かべて声高く宣言する。
「上出来ですわ、殿下! さ、つぎは張型ね。今日はあと、六回はがんばってもらうわよ」
ラオシンは嗚咽した。
ジャハンの声が耳によみがえる。目的どおり泣きだしたラオシンを見ても達成感はわかず、ディリオスはおのれの職務が恨めしくなったが、泣き言はいえない。
「さ、ふたつ目よ。ドド、つづけて」
「へい」
「よ、よせ……!」
うっとりとラオシンの張りつめた淡い鳶色の尻を見下ろしながら、ドドがさらにふたつ目を蕾に近づけ、その果肉が、ひとつ目のときとはちがって、すんなりと玉石を呑んでいくのを見守る。
「あら、今度はするする入っていくわね」
「旨味をおぼえたんですかね?」
「ほほほほほ」
汗しずくを全身からたらたら垂らしながら、ラオシンはついに三っつ目も挿入されてしまう。縛られたままの体勢でのけぞり、目はほとんど白目をむきそうだが、ディリオスは口出しすることなく、ただ、拷問に耐えるラオシンを見つめつづけていた。どこかで、このままつづけてもラオシンは狂うことはないだろう、という奇妙な直観があり、傍観者に徹することにした。
「さ、殿下、全部呑んだら今度は出すのよ」
「い、いやだ!」
「ずっと入れておくわけには行かないでしょう? 大丈夫よ、出したあとで今度は張型でいかせてさしあげますわ。殿下には今日じゅうにあと最低でも七回はいってもらいますからね」
「む、無理だ、そんな!」
はぁ、はぁ、と苦悶の息を吐きながら、ラオシンは首をふる。だが、マーメイの言うようにずっとそのままでいるわけにもいかず、出すときがきた。
「た、たのむ……後生だから、離れてくれ……向こうをむいてくれ」
周囲には女たちがそれぞれの脂粉の匂いをまきちらしながら、魅入られたようにラオシンの痴態を目を輝かせて見つめている。彼女たちの存在はラオシンにとって苦痛以外のなにものでもない。男の目で嬲られるのとはまた違う痛み……というより、たまらない痒みをあたえられる気がするのだ。
「なに言っているのよ、本当に恥ずかしがりやさんね。そこをなおすための調教なのよ。ほら、おまえたちも近くで見せてもらうといいわ」
荒療治とばかりにマーメイは背後に遠ざけていた護衛の四人を呼びよせる。
「おお!」
男たちは先ほどからむらむらしながら遠目にこの淫らな責めを見ていたので、呼ばれて近くでラオシンの恥ずかしい姿を見られることに皆日に焼けた黒い顔を赤く燃やして、興味津々だ。
「ああ……」
女たちの香にまじって男たちの汗の臭いが鼻をつく。苦痛の汗を天鵞絨にしたたらせ、ラオシンは歯をくいしばった。
「さ、殿下、みんなが待っているわ。はやく!」
リリが粗相の始末をするために持ってきた銀の盥をラオシンの脚のあいだに置こうとしたので、ドドが身体をすこしゆずりつつ、ついでのようにラオシンの太腿をさらに大きく開けさせる。
「へへ、殿下、脚をもうちょっと開きましょうね」
「うう……!」
誰にも見せたことのない箇所が、無残にも下等な男女十一人の前にさらけだされ、ラオシンはまた喘ぐ。口から心の臓をはきだしそうだ。
「ほら、殿下、この盥のうえに出すといいわ。卵を産む鶏みたいにね」
マーメイの言葉にドドが残酷な軽口をたたいた。
「そりゃいい。こけこっこー、って言ってみますか、殿下?」
どっと男たちが笑い、女たちもつられたようにくすくす笑う。
「ああ! もう、殺せ、殺してくれ!」
もはや肉体的にも精神的にもラオシンは限界だった。
とうとう虐待者たちののぞむように水音をたてて玉石を盥のうえにひねり出した。
排泄行為にも似たこの様子を下等な連中の環視のなかでおこなわなければならないことに、ラオシンは発狂寸前まで追いつめられながら、それでも狂うことも死ぬこともできないまま、不様をさらしつづけるしかなく、手足を瘧にでもかかったようにぶるぶる震わせつづけている。
「おお、出た出た」
「亀の産卵のようだな」
ジャスミンの純白の花びらの浮かぶ水に、その名のとおり、のたうつ蛇を秘めたような乳黒色の石が沈む。
「ほら、あとふたつ。殿下、もっと力んで」
口々にはやしたてられ、ラオシンは涙をぽろぽろ流しながらふたつ目を落とす。
「そら、あとひとつだ」
「下腹を撫でてやろうか?」
「さ、さわるな!」
叫んだののと同時に、三っつ目がが水盤に落ちる。
「おおー」
刹那、周囲で歓声のような声がわっとあがり拍手の音までひびく。
同時に、ラオシンは精を放っていたのだ。
マーメイは満足の笑みを浮かべて声高く宣言する。
「上出来ですわ、殿下! さ、つぎは張型ね。今日はあと、六回はがんばってもらうわよ」
ラオシンは嗚咽した。
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