昭和幻想鬼譚

文月 沙織

文字の大きさ
67 / 190

調教初夜 一

しおりを挟む
 望も写真を見たことがあるが、だが著名な役者よりも香寺の方が華奢だ。仁とも雰囲気が似ているが、望には仁の方が美しく見える。 
「さぁ、先生、今日は雨沼さんに、あますところなくすべて見てもらおう。どうですか、この若茎。まだ無垢のようだ。清潔そうだ」
 勇に触られ、香寺が身をすくめる。
「ああっ……」
「ほう。どれどれ」
 雨沼が立ちあがると、若い狼と老いた虎に貪り食われようとしている兎のように香寺は怯え、おののいた。
 それを見ている望は、獣たちのなかに入れない幼獣で、彼らの狩りをただ見ていることしかできない。
「ああ、い、いやだ……」
 香寺には好意を抱いているが、いや、だからこそか、望は彼が無残に獣たちの牙にかかる様を見たいのだ。
 それはどうにも抑えようのない少年の性衝動か、やはり華族という特権階級に生まれ育った者特有の冷酷さなのか。とにかく今の望は身の内の欲望に煽られ、香寺が凌辱されるのを黙って見ていた。
「こら、また隠そうとする。ほら、邪魔なその手をどけろよ、先生」
 勇がふざけたように笑った。
「うう……」
「こまった恥ずかしがりやさんだ。本当に初心だな」
「こんな可愛い、お上品そうな坊やが、どうやって、ここをいじるのか、見てみたいものだな」
 雨沼の淫虐な言葉に、望の身体の中心がうずく。
「聞いたか、先生? 雨沼さんは、あんたが自分でしているところをご覧になりたいようだ。見せてやるといい」
「なっ、」
 望はガラスの向こうで、香寺の心身から火が噴いたのを見た気がした。
「そんな、そんな下劣な。わ、私を抱くなら、さっさと抱けばいい! そんな下品な真似はできません」
 やれやれ、物分かりの悪い……。勇の声が、首を振る仕草から伝わってきそうだ。
「できません、ではない、先生。するんだよ。雨沼さんがやれと言われたからには、しないといけない。あんたは、雨沼さんに買われたのだからな」
「そんな……! そんな、」
 わなわなと震えている全裸の哀れな香寺に、勇は情け容赦なく命じる。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ

BL
鍛えられた肉体、高潔な魂―― それは選ばれし“供物”の条件。 山奥の男子校「平坂学園」で、新任教師・高尾雄一は静かに歪み始める。 見えない視線、執着する生徒、触れられる肉体。 誇り高き男は、何に屈し、何に縋るのか。 心と肉体が削がれていく“儀式”が、いま始まる。

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

隣の親父

むちむちボディ
BL
隣に住んでいる中年親父との出来事です。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

完全なる飼育

浅野浩二
恋愛
完全なる飼育です。

身体検査その後

RIKUTO
BL
「身体検査」のその後、結果が公開された。彼はどう感じたのか?

処理中です...