昭和幻想鬼譚

文月 沙織

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調教初夜 八

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 香寺の繊細な神経は焼き切れる寸前だろう。望はさすがに目を伏せた。
「さぁ、どうした? そこに四つん這いになって、中尉にあんたの可憐な菊を見てもらえ。それから、じっくりと時間をかけて、花びらを開かせようではないか。安心しろ、儂はかしはせん。花が開くのを待つのも一興だ」
「ありがたい言葉だな。ほら、先生、なにをしているんだ? 四つん這いになるがいい」
 香寺の嗚咽が望の耳に痛い。それでも、身体の芯はまた熱を持ちだす。
 自分の欲の強さと浅ましさを恥じつつ、やはり望は香寺の姿を見てみたいと思わずにいられない。
(先生、ごめん……)
「ああっ……」
 香寺の悲痛な声が聞こえてくる。
「じっとしていろよ。ああ、本当に可愛いな、あんたの菊門は」
 勇の脅すような、宥めるような声。
「や、やめ……」
 望はおそるおそる頭を上げた。
 視界には、香寺が這いつくばるようにして、尻を頭より高くあげさせられ、秘めた箇所を勇に検分されているという、世にも淫らで罪深い光景が入ってくる。
 望は全身がしびれるような錯覚をおぼえた。
 香寺の白い肌が目に痛い。
「動くなよ、入れるぞ」
「ああっ、やめっ、やめてください!」
 道具で犯されるのは恐ろしく、屈辱的にちがいない。
「安心しろ、ちゃんと濡らしてある」
 ふざけたような勇の口調は、香寺にとって慰めになるわけもなく、あらがう吐息や物音が響く。
「こら、動くなと言っているだろう」
 勇の声には笑いがふくまれている。 
 じたばたとあがく香寺の姿が滑稽に思えたのか、雨沼の低い笑い声もつづく。
「ほうら、先が入ったぞ」
「ああ!」
「どうだ? 悪くない感触だろう?」
「うう……」
「すごい恰好だな、先生。いつもは取り澄まして真面目一途だと思っていたが、こんなにいやらしい身体だったとは……。驚きだな」
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