昭和幻想鬼譚

文月 沙織

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黄昏の季節 九

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「ああ、駄目ですよ、そんなにお尻を揺らしては。かえって目の毒だ。ほら、牛雄がますますたまらない気持ちになっていますよ。くくくく。ほうら……牛雄、よおく見せてもらうといい。香寺先生の可愛い可愛い蕾」
「ううううっ」
 獣の本能のままに、牛雄は己の股間へと両手を伸ばす。もとは白かったのだろうが、灰色に見えるズボンの前のふくらみから、この男の道具が人並みはずれていることがわかり、望はますます嗜虐的な気持ちになった。
「牛雄ったら……、先生、こいつすっかり大きくなっていますよ。かわいそうに。先生、牛雄を悦ばせてあげれますか?」
 言葉のふくむ意味は、香寺をぞっとさせたようだ。
「や、やめろぉ!」
「ああ、また動かないでくださいよ。白いお尻をそんなに動かしたら……俺までたまらない気持ちになってくる」
 淫鬼に取りつかれたように望は饒舌になり、ひどい言葉を放ちつづける。
「……牛雄、よく見ろ、この小さな可愛い蕾は、もう幾度も開いて男を……俺を受けいれたんだぞ。それだけじゃない。いやらしい道具をくわえこんで悦んでいたんだ。今日はおまえが毎晩夢に見ていた香寺先生の痴態、つまり淫らな姿をたんと見せてやるよ。生真面目な顔をしていて、これで先生はけっこう好き者なんだぞ。くくくく」
「ち、ちがう! ちが……っ」
「どこが違うというのですか? ほら」
 いきなり、望は自分の人差し指を香寺の蕾に入れた。
「ああっー」
 あまりのことで、香寺の背が見た目にあきらかにひきつる。
 入ったのは第一関節までだが、いつも望は挿入まえにたっぷり時間をかけるので、今日のようなことは初めてであり、香寺には衝撃だったのだろう。
「痛いですか? もうそれほど辛くはないでしょう? ちゃんと感じている」
 望もまた欲望に燃える目で、自分の指の下でふるえる白い美肌を凝視していた。こんな浅ましい真似をされても、その肌も肉もすこしも卑しくも不潔にも見えない。
 それどころか、どんな美女よりも臈長ろうたけて見えてくるほどだ。
 どうしてこの男はこうも美しいのだろう、と望は不思議な気さえしてきた。
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