痛がり

白い靴下の猫

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51.好きだからで済みますか?

とりあえず、ひとやすみ。
肩と二の腕をさすってやる。
結構力を入れて握っていたし、明日筋肉痛になるかもしれない。

後ろ側からメイのお腹に腕を回し、よいしょと前に押し出して、ヘッドボードとメイの間に体を滑り込ませる。
人間背もたれ。
背中を見せなくなっていたメイが、いまやくてんくてんと動かされるままだ。
公開刑の傷は、一応ふさがって、ちょっと盛り上がった何本もの茶色い筋になっていたが、似たような傷は、腰椎から下にまで広がっていた。
どれほど打たれればこんなになるのか。

左右の肩甲骨の上に、お疲れ様のキスをして、背中からメイを抱きしめると、メイのお腹の上で組んだ俺の手に、メイが自分の手をのせてくる。
「手を握りたい、です」
「ん?いいよ?」
掌を上に向けて待っていると、俺の左手の上に、本当にそうっと掌を合わせて来た。

「さいしょ、に、その、お、お相手をしていただいた時、も、すごく、手を握りたくて」
「・・・なんで、握らなかったの?」
「両手供、ぎゅうっと握りこぶしだったから、私に、いら立っているかと」
「そっかぁ。ごめんな。あの時は、自分のクズさ加減に腹立てて、でも自分じゃ出られなくて。メイが手握ってくれたら出られたかな」
「傷、気持ち悪く、ないですか」
後ろから抱きしめる形でしゃべっているから、唇がメイの耳に近くて、メイがびくびくしているのがわかる。

メイの髪の毛をひと房もって、毛先で耳をかすめてみると、全身にざわっと鳥肌が立った。ちょっと試させてね。
左耳は髪の毛の先でサワサワを続け、右耳は唇で挟んだり、舌を入れてみたり、こしょこしょ話をしてみたりする。
「あっ、あっ」
俺の左手を震える両手でぎゅうっと握ったまま、身悶える。
震えているのは多分力が入りすぎているだけだと思う。怖いのではないようだ。

空いている右手で、下着に手を入れて女性の割れ目を探る。うわ、ぬるっぬる。
愛液を塗りまぶすように、クリや小陰唇を触りまわし、滑りが良くなったところで前後運動に移行する。
「あああっ。くうっ。ひぃっ」
「声は、いっぱい出していいから、脚、あんまり閉じないで、あと、左手も返してな」
そう言って、両手と口で、乳首と耳と陰核を集中して弄りはじめた。
くきゅ、くきゅ、くきゅ。
ちゅぷ、ちゅぷ、ちゅぷ。
後ろから抱きしめられたままだから、メイは逃げようがないし。
喘ぎ声が少々つらそうになっても、痛くないとわかっているから気楽だ。

「うう、たすけてぇ」
へ?
両手を止める。
「うわぁ、聞き捨てならないかも。だれに、助けを求めたの?めーい?」
「ん、う・・・さとる、さん」
「本当かぁ?」
ちょっと姿勢的にしんどいけれど、メイになるべく後ろに首をひねってもらって、上あごをこすったり、唇をあまがみしたりしながら、舌をつついて誘うと、本当におずおずという感じで舌を伸ばしてくるので、そのたびに思い切り吸い出してこねくり回す。
「後ろ向き、つらいです。さとるさんじゃ、なくなっているかも、とか、心細くなります」
おう、一本。
「すごく可愛かったから信じることにする。じゃぁ、今日は、サクっとイっちゃって終わりにしようか」
だめ、もう、これ以上、怖いギリギリさぐろうとかいう気になれない。
今のレベルでだいじょうぶなら、たぶん怖がらせずにエッチできる。
そこまでわかれば今日は十分なので、もう、だっこして寝るわ。そう思ったのに。

「さくっと?いっちゃう?」
後ろ側から見ててもわかる位、メイの表情が、どんどん不安そうに変わっていく。
え?なに?どこで地雷踏んだか全然わからないんだが。
「ご、ごめん、どこが怖かった?」
変態ジジイ、何しやがった?!と反射的に考えたがちがうらしい。
「だっ、大丈夫です。意味は、わかります!論文、読んだことあるし・・」
論、文。は、この際いらないと思うのは俺だけか?
「どんなの、読んだ?」
「この国は、女性の快感の存在を否定するけど、外国の、オーガズムというものにも科学的な根拠があり、虚偽ではないという・・」

存否確認から?!
女性がイクこと自体がツチノコあつかい?!
男も出すときは耳からとかローカルルールあったりするんじゃないのか?
いや、でも、サーファの手下のところにリンチされに行ったときは、女性に快感与えられない男が云々、っていう担架切ってたろ?!
どこで習った?

あ、俺の母親経由か?!すげーいいそう!なんかごめん!
9割優の受け売だな?のこりは論文なの?!

も、俺、よくメイと既成事実できたな。俺なりに精一杯大切に抱いたつもりなんだが、ひょっとして事実作る方に必死で、いろいろおざなりだったとか?
いや、いくらなんでも快感自体がツチノコ化する程ひどくなかったとおもうんだけど?!

おちつけ、おちつけ俺?

「その流れだと・・ひょっとしなくても、メイ、イったことなかったり、する・・かな」
「じょ、女性が、痛いだけなのに逃げないという事実が大切だからFGMになる訳で。快感があったら、逃げなくても、どう思ってるかわからないので、男性が不安になりませんか?」
「ええっと。痛い思いしかさせられないほうが男は不安だと思うが・・わるい、今混乱してて。ちょっとシューバにでも話きいてみようか」
「シューバ様は海外の学位を二つもお持ちなので、男女とも快感はある派の急先鋒、です」

それ、学位関係ないやつな。
も、どこからつっこめばいい?

「あ。メイ、さっき、たすけてって、言ったろ。誰にの方は納得したとして、どう、たすけてほしかった?」
周りに言われる程経験豊富な訳じゃないけど、最中に『たすけて』とかって叫ばれたことない気がする。
おまけに、メイのニュアンスからはちょっと宗教要素を感じた。『神よお許しください』系?
メイが泣きそうな顔をする。
「ふゅ」
「お、怒ってないっ。ちょっと不思議でっ」
「き、持ち良くならないように助けて、です。普通は、神に、祈るけど、私は、ちがくて、さとるさんと優さんが神様だから、嘘じゃないです」
げ。
いますぐ、メイもって国外脱出したくなってきた。
よく嗜好云々まで飛べたな。その理屈でいくと、体の関係って淫靡さのかけらもないただの我慢大会だぞ。
メイに宗教色うすいのがせめてもの救いか。
「あの、な。多数決かもだけど、男は自分と寝た女性が気持ちよくなってくれたら、嬉しい。俺メイに痛いだけだったとか言われたら、寝込むかも」
「寝込む?!快感感じたのを指摘して辱めをあたえる、とか、もっと痛くして服従を試す、とかではなくて?」
「それは相当斜めが反対向いてマントルにつっこんでるヤツな。基本コースは、悦ばれたい、これ鉄板。メイ、脚の間ぬるぬるするでしょ。それ、気持ちいいときになりやすいから、男はそうなってもらえると安心する」
「安心?」
「うん。嫌われてないんだな、もっと触ってもいいんだな、って思う。経験上、嫌いな奴より、好きな奴に触られる方がイイから」
「気持ちいいのは、好きだから?へんな声が止まらなくても、ぬるぬるがひどくなっても、さわってほしくて泣きそうになっても、好きだからですみます?」
「うん。高確率で好きだからですむ」
「ふぇ」
「また泣きそう?!こ、今度はどうした?」
後ろにいる俺に、一生懸命俺に手を伸ばして、触れようとするので、手を握る。
「気持ちいのか苦しいのかよくわからなくてごめんなさい。触ってほしくて仕方がないのに、勝手に体が逃げて、出るの悲鳴だし、す、好きじゃないみたいに見えたらごめんなさい。すごく好きなのに、信じて・・」
俺むけの心配?!
「だ、大丈夫だ、全然疑ってない!むしろ、もうノックアウトです。勘弁して・・」
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