海月のこな

平和なレグラム

レグラムは、美しい国だった。
海を臨む広大が城をもち、人々はなかなかに裕福そうだ。
大きな戦からも遠ざかり、楽しみを求める余裕があった。
そんな場所がらのせいか、高額ながら際立った先師ことルウイの占いは、簡単に大ブレイクした。
ルウイは適当に荒稼ぎをしながら、飽きると、ミセルと海にいった。
「うわ。すごい量のクラゲが打ち上がってる～。クラゲよけクリームとか稼げるかしらね」
「商売ごとはほどほどに。王子が遠からず到着されますよ。ご準備を」
「準備って。クラゲの干物とか？」
「・・・あまりからかうと嫌われますよ」
「だって。先師はもう慣れてるし。レグラム王は後宮だおれの色ボケだから、情報とるのもちょろそうだしさ。新鮮な刺激が欲しい」
やれやれ。
「あああ！！」
「はい？」
「いいこと思い出しちゃった！恋に恋するって、あれよ！よし、あいつでいいや、丈夫そうだし！」
恋に恋する話だったか？ミセルが心底げんなりという顔をする。
「本気だったのか・・・」
「悪い？お年頃よ！」
城下にもどると、王宮から使者が来ていた。
「王様がそなたらの占いを見たいそうだ。城に招こう」
「ありがたくお受けいたします」
はやいな。
ニヤ。いたずらっぽくもやる気に満ちたルウイの表情をみてミセルがため息をつく。その気になれば、ルウイは大抵の人間をたらしこめるのだ。
こうして、ルウイたちは、アルトが帰国するころには、すっかり城内でも人気者になっていた。