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凌が中退した後も、俺はよく授業をさぼっては校舎裏で煙草を吸っていた。凌を懐かしんでとか、そんなことではなかった。懐かしむほど俺は凌を知らなかった。ただ、もしかしたら来ないかな、と、思ったこともあった。来ないとは分かっていたけれど、冷たい北風に煙草を挟んだ指が凍える午後や、あまりに暑すぎて煙草を吸う気もおきない夕方なんかに。
それから二年弱、変わり映えのしない日々を過ごし、俺は担任の恩情でなんとか高校を卒業し、東京のバカ大に進学した。特に学びたいことがあったわけではない。なにかを学びたいと思ったことがそもそも俺にはない。ただ俺は、時間がほしかった。まだ、自分の人生というか、将来というか、そういうものをぼんやりさせておきたかったのだ。俺の人生も将来も、そう大層なものにはならないと自覚はしていたけれど。東京に出たことにも、大して理由はなかった。地元の大学は俺の頭のレベル的に受からなかったという、それだけの話。同じように上京する道を選んだ同級生には、東京での新しい生活に目を輝かせているやつもいたけれど、俺はそんな気にもなれずにいた。あんなに真面目に授業を受けて、ノートもごく丁寧にとっていた凌が高校中退になって、これ以上はないと言うくらい不真面目に高校生活を過ごしていた俺が大学進学する。その不条理さになんとなく腹が立ったりはした。腹が立ったところで、俺になにができるわけでもない。俺の家庭はそれなりに裕福で、バイト代を親に巻き上げられたことは一度もなかった。
大学は、頭が悪すぎて一年留年したけど、なんとか卒業できた。その五年間で、男とどうこうなったことは一度もない。性的な誘いを受けたことは何度かあった。ひとりで飲んでいるときに、隣に座った男に太ももに手を置かれたこともあったし、語学クラスで一緒になった男に真正面から口説かれたこともある。それでも俺は、その男たちとどうこうなりはしなかった。大学を卒業して数年たった後、家に転がり込んできた凌と寝るまで、俺は男と寝たことはなかったのだ。おんなとは寝たりもしたけれど、付き合うだとかそういう類の話は避けてきた。上手く言えないけれど、自分には向かないと思った。その感覚は今でも変わっていない。そのせいで凌が出て行ったのかもしれないと、ぼんやり思いもする。
それから二年弱、変わり映えのしない日々を過ごし、俺は担任の恩情でなんとか高校を卒業し、東京のバカ大に進学した。特に学びたいことがあったわけではない。なにかを学びたいと思ったことがそもそも俺にはない。ただ俺は、時間がほしかった。まだ、自分の人生というか、将来というか、そういうものをぼんやりさせておきたかったのだ。俺の人生も将来も、そう大層なものにはならないと自覚はしていたけれど。東京に出たことにも、大して理由はなかった。地元の大学は俺の頭のレベル的に受からなかったという、それだけの話。同じように上京する道を選んだ同級生には、東京での新しい生活に目を輝かせているやつもいたけれど、俺はそんな気にもなれずにいた。あんなに真面目に授業を受けて、ノートもごく丁寧にとっていた凌が高校中退になって、これ以上はないと言うくらい不真面目に高校生活を過ごしていた俺が大学進学する。その不条理さになんとなく腹が立ったりはした。腹が立ったところで、俺になにができるわけでもない。俺の家庭はそれなりに裕福で、バイト代を親に巻き上げられたことは一度もなかった。
大学は、頭が悪すぎて一年留年したけど、なんとか卒業できた。その五年間で、男とどうこうなったことは一度もない。性的な誘いを受けたことは何度かあった。ひとりで飲んでいるときに、隣に座った男に太ももに手を置かれたこともあったし、語学クラスで一緒になった男に真正面から口説かれたこともある。それでも俺は、その男たちとどうこうなりはしなかった。大学を卒業して数年たった後、家に転がり込んできた凌と寝るまで、俺は男と寝たことはなかったのだ。おんなとは寝たりもしたけれど、付き合うだとかそういう類の話は避けてきた。上手く言えないけれど、自分には向かないと思った。その感覚は今でも変わっていない。そのせいで凌が出て行ったのかもしれないと、ぼんやり思いもする。
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