幼馴染み

美里

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章吾

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なつめが俺と同じ高校に通うと知ったとき、俺はかなり驚いた。そしてその後、高校は同じと言ってもなつめが通うのは特進コースなのだと知って、納得した。なつめは成績が良かったし、家から一番近い高校はそこだったから。
 成績の悪い俺は、もちろん普通コースに通ったから、なつめとは学校では接点がなかった。違う学校に通っているくらい。
 中学の頃は一緒に登校することが多かった。といっても、別に約束なんかしているわけでもなくて、たまたま同じくらいの時間に家を出るから一緒になるというだけ。でも、高校に上がると、なつめは普通コースの俺よりも早い時間に家を出るようになった。なんでも、朝に特別授業の時間があるらしい。
 放課後も、帰宅部どうし一緒に帰ってくることが多かった中学時代とは違い、なつめは放課後も学校に残って自習するようになった。だから、俺となつめの接点は一気に減った。
 一緒に過ごすのは、休みの日くらい。休みの日だけは、なつめが俺の部屋にやってきた、小学校時代から変わらない、勝手知ったる足取りで。
 「お前、そんなに勉強してどうすんの? 東大でも行くつもりか?」
 半分冗談、半分本気で言ってみると、隣に座ってゲームのコントローラーを操作していたなつめは、それを鼻で笑った。
 「だったら今ここにいねーよ。勉強してる。」
 それもそうだな、と納得した俺は、黙ってゲームに集中した。窓の外で、気の早い蝉が一匹鳴いていた。
 しばらく無言でキャラクター同士を戦わせた後、不意になつめが口を開いた。
 「章吾は? 大学、行くのか?」
 「まだ考えてない。でも、俺が大学行くって、金の無駄な気がする。」
 「確かに。」
 「確かにじゃねーよ。」
 けらけらと、なつめが笑う。別に腹は立たなかった。本当のことだから。
 高校までなのかな、と。なんとなく思う。
 俺となつめがこうやって、小学校時代の延長みたいに遊んでられるのは、高校までなのかな。
 そう思うと、変な焦燥感があった。それは、夏休みの終わりを意識したときみたいな。
 そういうとき、俺はなつめの腕を掴んでしまう。はじめの頃は、掴まれたなつめはちょっと驚いたような顔をしていたけれど、今はもうそんな顔はしない。なにもかも承知みたいな顔をして、俺に引き倒されて、俺の腕の中に収まる。
 なに、とか、どうした、とか、そんなことも言わずに、なつめは服を脱ぐ。平然と、当たり前みたいに。
 そうすると俺は、盛った。発情期の獣みたいに。
 なんでなつめがあっさり服を脱ぐのか、理由は分からない。それは、自分が馬鹿みたいに盛る理由が分からないのと同じように。
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