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第二章
37 初夜1 ☆ (ムーンがRです)
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首筋を激しく喰まれながら、クリスはいやいやをする。
「あん、んっ、いやぁ、グリフィス……」
「……何がいや?」
俯いているクリスの顔を、グリフィスは覗き込んだ。彼はクリスの感じる箇所を熟知しているようで、そこばかりにキスを降らせる。少し前までは胸の尖りを口に含んでいた。
乳首を舌先で弾いたり咥えて啜られたりすると、背筋に甘い痺れが走り恥かしい声を上げてしまう。
「クリス、何がいやなんだ?」
もう一度聞かれたが、尖りを指先で悪戯されたままで、考えが上手く纏まらないし、恥かしくて言いにくい。
答えないクリスにグリフィスがまた屈んで、桜色の尖りを口に含もうとした。
「あ、待って……」
「うん……?」
「恥かしい……」
クリスはグリフィスにチラリと視線を送る。
「だって、グリフィスはまだ服を着たままなのに、私だけ裸で……私だけ…こ、声を出すのも…それに、タイルも少し…冷たい」
グリフィスは笑みを浮かべ、クリスを抱き締めると、くるりと自分の位置と入れ替えた。今ではグリフィスがタイルを背にして寄りかかっている。
「これで一つは解決――と、次は君だけが裸という事か……」
彼は腕の中にいるクリスの首筋に顔を埋めて囁いた。
「俺が着ている物を脱がせてくれ」
クリスの目がまん丸くなる。それを見てグリフィスは吹き出しそうになった。
「ごめん、少しからかっ……」
「分かったわ」
「え………」
彼は学びたがりの彼女を甘く見ていた。どうもクリスは閨での事も、前向きに取り組もうとしているらしい。
クリスはグリフィスを頭のてっぺんから足の爪先までじっと見ると、どこから脱がすか決めたようで、頷きながら両手を伸ばしてきた。
「クリス、ちょっと待っ――」
「何で邪魔をするの?」
そうだ、これは自分が言い出した事なのだ。彼は溜息をつくと、大人しくされるがままになった。そして裸のクリスに服を脱がせられる事が、どれほど苦しいか教えられるはめになる。
彼女はグリフィスの服を脱がせる事で頭が一杯になり、自分が裸身であるのを忘れているようだ。目の前で揺れる胸に、気が狂いそうになる程じらされる。
クリスは黒いシャツのボタンを上から一つ一つ外していった。全部を外し終えると、爪先立って肩の部分を両手で掴み、脱がせようとする。しかし彼は大きい上に前から後ろに脱がせようとしたので、シャツがはだけている彼の胸に、よろけて自分の胸をこすりつける結果となった。
紅くなりながら身体を離し『後ろを向いて』とお願いをする。
クリスはわざとやっているのだろうか――彼女の柔らかい胸が自分の胸に……
これはひょっとして拷問か……?
そういえば前に同じような事があった。確かあれは深いキスの練習をした時だ。
学んでないな、とグリフィスは頭を振って息を整えると、大人しく後ろを向いた。
グリフィスの手首から袖を抜き取り、クリスが背中からシャツを脱がせる事に成功をした。王族である彼女は普段自分の衣服でさえ侍女任せだ。ましてや人の衣服を脱がせるなど、全くもって皆無である。
初めての経験とささやかな成功は彼女をわくわくした気持ちにさせた。
次はズボンだ。前に回ってボタンを外せばいいのだが、グリフィスに見られながらのその作業は、ズボンだけにちょっと恥かしい……そうだ! 後ろから手を回して外せばいいのだ。クリスは`いい事を思いついた ‘ と、早速実行に移す。
彼の背後に立って、背中から腕を回してボタンを………
グリフィスは腕を組んで立っていた。そうでもしないと、クリスの身体に手を伸ばしてしまいそうだからだ。 シャツを脱がした後からクリスの動きがない。
恥かしくなって諦めたか……と振り向こうとしたところで、背中に胸が押し当てられた。
「え……?」
焦って下を見ると、背中から腕が腰を回って伸びてきて、ズボンのボタンに手を掛けている。
「ク、クリス――! 何をしようとしている!?」
「何って、ズボンを脱がせようと……」
「胸が、胸が背中に当たっている!」
「大丈夫。すぐ終わるから――」
大丈夫!? すぐ終わる!? 全くこのお姫様は――!
グリフィスは振り返ると、驚いているクリスを横に抱き上げた。すぐに寝室へと大股で運び、ベッドへ一緒に倒れこむ。
「グリフィス! 一体どうしたの――?」
「`どうしたの ‘ じゃない、この小悪魔。胸まで押し付けて、散々俺を焦らしたじゃないか」
「焦らしてなんかいないし『脱がせてくれ』って言ったのは貴方じゃない! 胸だって……当たってしまったけどわざとじゃないもの!」
「『脱がせろ』については弁明をしないが、焦らしたのは確かだ」
クリスが反抗的な眼差しを向けてきた。
いま彼女は自分が裸であることをきちんと理解しているのだろうか? ついさっきまで『恥かしい』と言っていたではないか。
口を少しだけ尖らせて、目はグリフィスをきっと睨んではいるが、顔から視線を下に移すと、すっと伸びたしなやかな手足に豊満な胸、細いウエストに足の間の淡い翳り…… そして今は夫と言えども、男と二人きりでベッドの中なのだ。
やはり彼女は警戒心が薄い――
ふと彼は何かを思いついたように笑みを浮かべた。
「やぁ、んっ、んっ、放してぇ……」
「君は俺の目の前で、この見事な肢体と胸をこれ見よがしに見せ付けたんだ。こうなる事は分かっていたんだろう?」
「でもっ、でも、わざとじゃないもの! それに『脱がせろ』って言ったのはグリフィスだし!」
「まだそんな口をきく余裕があるのか」
「え……やぁ! あっ…ん…」
クリスはベッドの上で、身体中を愛撫されながらキスを受け続けていた。グリフィスは弱いところばかりを攻めてくる。
「やん、だめ、胸を吸っちゃ! あっ…もう、言ってる傍からぁ……」
グリフィスが彼女の乳房から一旦口を離す。力が入らない手で、懸命に肩を押し返そうとしているクリスの目の前で、胸の尖りにチュッとくちづけた。
「君の無駄な足掻きが可愛い」
「――っ!」
顔どころか、全身を桜色に染めていくクリス。そう、彼女は正しいと思っている事は曲げないだろう……。
そして朝までまだ時間はたっぷりとある。いつまで持つかがとても楽しみだ。
クリスは防御に夢中で、グリフィスの口角が上がった事に気付かないでいた。
R15……注意書きを読んだのですが、R18との線引きが曖昧で、どこまで書いていいか正直よく分かりません。人によって取り方が変わる感じです。ならば! と、R18は読もうのムーンに任せて、こちらはロマンチックに書きたかったのですが、今回コメディ色が強かったような……。
「あん、んっ、いやぁ、グリフィス……」
「……何がいや?」
俯いているクリスの顔を、グリフィスは覗き込んだ。彼はクリスの感じる箇所を熟知しているようで、そこばかりにキスを降らせる。少し前までは胸の尖りを口に含んでいた。
乳首を舌先で弾いたり咥えて啜られたりすると、背筋に甘い痺れが走り恥かしい声を上げてしまう。
「クリス、何がいやなんだ?」
もう一度聞かれたが、尖りを指先で悪戯されたままで、考えが上手く纏まらないし、恥かしくて言いにくい。
答えないクリスにグリフィスがまた屈んで、桜色の尖りを口に含もうとした。
「あ、待って……」
「うん……?」
「恥かしい……」
クリスはグリフィスにチラリと視線を送る。
「だって、グリフィスはまだ服を着たままなのに、私だけ裸で……私だけ…こ、声を出すのも…それに、タイルも少し…冷たい」
グリフィスは笑みを浮かべ、クリスを抱き締めると、くるりと自分の位置と入れ替えた。今ではグリフィスがタイルを背にして寄りかかっている。
「これで一つは解決――と、次は君だけが裸という事か……」
彼は腕の中にいるクリスの首筋に顔を埋めて囁いた。
「俺が着ている物を脱がせてくれ」
クリスの目がまん丸くなる。それを見てグリフィスは吹き出しそうになった。
「ごめん、少しからかっ……」
「分かったわ」
「え………」
彼は学びたがりの彼女を甘く見ていた。どうもクリスは閨での事も、前向きに取り組もうとしているらしい。
クリスはグリフィスを頭のてっぺんから足の爪先までじっと見ると、どこから脱がすか決めたようで、頷きながら両手を伸ばしてきた。
「クリス、ちょっと待っ――」
「何で邪魔をするの?」
そうだ、これは自分が言い出した事なのだ。彼は溜息をつくと、大人しくされるがままになった。そして裸のクリスに服を脱がせられる事が、どれほど苦しいか教えられるはめになる。
彼女はグリフィスの服を脱がせる事で頭が一杯になり、自分が裸身であるのを忘れているようだ。目の前で揺れる胸に、気が狂いそうになる程じらされる。
クリスは黒いシャツのボタンを上から一つ一つ外していった。全部を外し終えると、爪先立って肩の部分を両手で掴み、脱がせようとする。しかし彼は大きい上に前から後ろに脱がせようとしたので、シャツがはだけている彼の胸に、よろけて自分の胸をこすりつける結果となった。
紅くなりながら身体を離し『後ろを向いて』とお願いをする。
クリスはわざとやっているのだろうか――彼女の柔らかい胸が自分の胸に……
これはひょっとして拷問か……?
そういえば前に同じような事があった。確かあれは深いキスの練習をした時だ。
学んでないな、とグリフィスは頭を振って息を整えると、大人しく後ろを向いた。
グリフィスの手首から袖を抜き取り、クリスが背中からシャツを脱がせる事に成功をした。王族である彼女は普段自分の衣服でさえ侍女任せだ。ましてや人の衣服を脱がせるなど、全くもって皆無である。
初めての経験とささやかな成功は彼女をわくわくした気持ちにさせた。
次はズボンだ。前に回ってボタンを外せばいいのだが、グリフィスに見られながらのその作業は、ズボンだけにちょっと恥かしい……そうだ! 後ろから手を回して外せばいいのだ。クリスは`いい事を思いついた ‘ と、早速実行に移す。
彼の背後に立って、背中から腕を回してボタンを………
グリフィスは腕を組んで立っていた。そうでもしないと、クリスの身体に手を伸ばしてしまいそうだからだ。 シャツを脱がした後からクリスの動きがない。
恥かしくなって諦めたか……と振り向こうとしたところで、背中に胸が押し当てられた。
「え……?」
焦って下を見ると、背中から腕が腰を回って伸びてきて、ズボンのボタンに手を掛けている。
「ク、クリス――! 何をしようとしている!?」
「何って、ズボンを脱がせようと……」
「胸が、胸が背中に当たっている!」
「大丈夫。すぐ終わるから――」
大丈夫!? すぐ終わる!? 全くこのお姫様は――!
グリフィスは振り返ると、驚いているクリスを横に抱き上げた。すぐに寝室へと大股で運び、ベッドへ一緒に倒れこむ。
「グリフィス! 一体どうしたの――?」
「`どうしたの ‘ じゃない、この小悪魔。胸まで押し付けて、散々俺を焦らしたじゃないか」
「焦らしてなんかいないし『脱がせてくれ』って言ったのは貴方じゃない! 胸だって……当たってしまったけどわざとじゃないもの!」
「『脱がせろ』については弁明をしないが、焦らしたのは確かだ」
クリスが反抗的な眼差しを向けてきた。
いま彼女は自分が裸であることをきちんと理解しているのだろうか? ついさっきまで『恥かしい』と言っていたではないか。
口を少しだけ尖らせて、目はグリフィスをきっと睨んではいるが、顔から視線を下に移すと、すっと伸びたしなやかな手足に豊満な胸、細いウエストに足の間の淡い翳り…… そして今は夫と言えども、男と二人きりでベッドの中なのだ。
やはり彼女は警戒心が薄い――
ふと彼は何かを思いついたように笑みを浮かべた。
「やぁ、んっ、んっ、放してぇ……」
「君は俺の目の前で、この見事な肢体と胸をこれ見よがしに見せ付けたんだ。こうなる事は分かっていたんだろう?」
「でもっ、でも、わざとじゃないもの! それに『脱がせろ』って言ったのはグリフィスだし!」
「まだそんな口をきく余裕があるのか」
「え……やぁ! あっ…ん…」
クリスはベッドの上で、身体中を愛撫されながらキスを受け続けていた。グリフィスは弱いところばかりを攻めてくる。
「やん、だめ、胸を吸っちゃ! あっ…もう、言ってる傍からぁ……」
グリフィスが彼女の乳房から一旦口を離す。力が入らない手で、懸命に肩を押し返そうとしているクリスの目の前で、胸の尖りにチュッとくちづけた。
「君の無駄な足掻きが可愛い」
「――っ!」
顔どころか、全身を桜色に染めていくクリス。そう、彼女は正しいと思っている事は曲げないだろう……。
そして朝までまだ時間はたっぷりとある。いつまで持つかがとても楽しみだ。
クリスは防御に夢中で、グリフィスの口角が上がった事に気付かないでいた。
R15……注意書きを読んだのですが、R18との線引きが曖昧で、どこまで書いていいか正直よく分かりません。人によって取り方が変わる感じです。ならば! と、R18は読もうのムーンに任せて、こちらはロマンチックに書きたかったのですが、今回コメディ色が強かったような……。
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