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第二章
43 もう閉じ込めないでしょう? # ムーンがちとR
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何故いつまでも会ってくれないの――?
「クリス様……!?」
「グリフィスは部屋に戻っているかしら?」
「はい、もう休んでいらっしゃいます」
二人の新居の警護をしていた騎士は、いきなり現れたクリスに驚く。青い小花柄のドレスを着たクリスは警護の騎士とトリシアを背後に従えていた。
クリスは堪忍袋の尾が切れてトリシアや、デイヴィッド、アーネスト達とも相談をし、夜中にグリフィスが寝込んでいるところを襲撃する事にした。
そうでもしないと、察しのいいグリフィスにいつも逃げられてしまうからだ。
話し合いの時にアーネストが「グリフィス様は何かお考えがあるみたいですよ?」と言っていたが、これ以上あやふやな状態は耐えられない。その`お考え ‘ とやらも是非聞いてみなければ。
「じゃあ、行ってくるわね」
「クリス様、頑張って……!」
トリシアに微笑みを返した後に騎士が扉を開けてくれ、クリスは明かりを落とした部屋の中へと消えていった。
居間を抜け、寝室への扉を開けて覗き込むと、グリフィスが死んだようにうつ伏せで眠っている。寝間着の下穿きを履いただけで上は着ていない。
見るからに連日の激務で疲れているのが窺えた。
せっかく意気込んできたけれど可哀想だから日を改めようかと、近付いて掛布をかけるために手を伸ばす。
するといきなり視界が反転し、ベッドにうつ伏せで取り押さえられ、右手は背中で捻られて、首元にはナイフが当てられた。
それらは身体に染み付いているのか一連の動きは流れるようで、気付いたらうつ伏せで右腕を捻られていた次第である。
「グリフィっ――、腕が痛い……」
「クリス!?」
呻き声をあげるクリスを助け起こし、腕の中でくたりとなった彼女にグリフィスは慌てた。
手に持っていたナイフを不必要とばかりにヒュッと右横へ投げつけ、投げられたナイフはタンッ、といい音をさせて壁に突き刺さる。
「大丈夫か?」
腕や首を丹念に調べ、何事も無い様子に彼は安堵した。
「クリス、寝込みを衝いたら駄目だ。寝惚けてると判断する前に身体が動いてしまう」
コクンと頷くクリスを腕の中に抱きしめる。
「何事もなくて良かった――」
強くギュッと抱きしめられ、久しぶりのグリフィスの感触にクリスは嬉しさと共にほっとする。しかし抱擁はいきなり中断し、彼が身体を離してしまった。
「大体察しはつくが、こんな時間に何の用だ?」
「話し合いにきたの」
「……もう遅い、明日にしよう。部屋まで送っていくよ」
「明日になったらまた逃げるでしょう?」
「もう少しだけ待てないか……?」
クリスが不満顔を見せると、グリフィスが諦めてベッドの上で胡坐をかいた。
「分かった。でも、今ならまだ逃がしてあげられるよ」
クリスが首を傾げる。
逃げていたのはグリフィスではないか。それにもう初夜は終えたし、結婚の無効宣告もできはしない。
クリスはグリフィスの前に座ってスカートを整える。それを見て、続けるつもりだと彼は理解をした。
「デイヴィッドから聞いたわ。貴方が潰した見合い相手はろくでもない人ばかりだったって」
「借金がある奴だったり、女癖が悪かったり、実力も無くただ屑のような連中が、王座を狙って君に結婚を申し込もうとしていた」
「それなら……貴方は悪くないじゃない、あの時そう言えば良かったのに」
「潰したのは確かだ……それに俺は嬉々としてやった。そんな奴等を許せなかったし、実質ライバルの数も減るからだ」
「じゃあ、私を閉じ込めたのは?」
「君はとても可愛らしくて、愛しくて……こんな気持ちは初めてで」
彼は手を伸ばして、クリスの頬に触れ手を滑らせる。
「……アレクサンダーに攫われた時、身体が引き裂かれるような思いを味わった。取り戻せないのではないかという不安に、押し潰されそうになるんだ」
クリスが意外そうに目を瞬いた。
「アーネストとデイヴィッドが `終始冷静沈着で自信に溢れていて、的確な判断と行動力だった ‘ と言っていたわ」
「常に`必ず救える。取り戻せる ‘ と自分に言い聞かせていたんだ。そう考えないと、上手くいくものもいかなくなる。でも心の奥底では地獄を這いずり回っていた」
「心配だから閉じ込めたの?」
「半分かな。愛おしいから、傍に置いておきたい。心配だから、攫われたりしないよう自分の腕の中に閉じ込めておきたい」
グリフィスはクリスの頬から手を外した。
「わたし、貴方を許せるわ……」
グリフィスがクリスを見て軽く微笑んだ。
「でも、何故話し合いに応じてくれなかったの? 一ヶ月以上も無駄にしたのよ」
「君は閉じ込められて、過重な俺の想いに潰されそうになっていた。時間を置いたほうがいいと思ったんだ」
「でも、時間を置きすぎよ。私が執務室に行った時に、会ってくれても良かったのではない?」
「うん……少し自分への罰と、後は君へのプレゼントが完成してから、許しを請いたかったから」
「プレゼント……?」
「ああ、もうすぐ出来上がる。散歩コースで、回っていない場所があるだろう?」
「ええ、子供達がいる辺りから南西の壁までくらいかしら……チラッと見えたけど、何か建物を建てているわね?」
「それは学校になるんだ。子供が増えて街にある学校だけでは手狭になったし、城の敷地内なら安心して君も子供達に勉強を教えられるだろう? もちろん俺も安心だ」
クリスの顔が花が咲いたようにほころんだ。
「グリフィス……!」
胸の中に飛び込んできたクリスを抱きしめると、彼女の顎に手を添えて上向かせる。
「その可愛い顔が見たかったんだ」
クリスが嬉しそうに頬を染め、やわらかに目を瞑りキスを強請って首を伸ばす。彼の唇がゆっくりと下りてきて、触れたり触れなかったり、彼女の唇を弄んだ。
なかなか深くならないくちづけに、クリスが焦れて微かに唇を開いたが、彼の唇はその横を滑っていく。
「んっ……!」
クリスが切なそうに声を上げても、グリフィスは苦笑して、彼女の望むものをなかなか与えてはくれない。焦れたクリスは太い首に両腕を回し、自分の唇を押し付けた。
彼が一瞬目を見開く。
クリスは不安げに顔を離した。
「はしたなかった……?」
初夜の時も我慢できずに強請ってしまった事を思い出す。あの時確か彼は……
グリフィスが同じ言葉を口にした。
「そんな事をしたらすぐに抱いてしまうよ」
そうだ……彼はそう言ったのだ。
いきなり彼の口が襲ってきて、その思考はすぐに断ち切られる。
ふっくらとした唇を貪るように開き、クリスの舌を肉厚な舌で絡め取ると、痛いほどに吸い上げた。
「はぁ……あ……」
吐く息を飲み込まれ、貪欲に咥内を貪られ彼女の身体からは段々と力が抜けていく。
食まれている……
獰猛な肉食獣に捕らわれて、もう自分は逃げられはしない。
その思いは口から零れ出ていたようで、気付いたグリフィスが顔を上げる。硬質なアイスブルーの瞳に見下ろされた。
「もう逃がさない。最初に注意したはずだ――」
その低い声が背筋に響いてぞくりとする。
「……初夜も迎えて離婚できないのに、逃がすって……?」
「そんなもの、手を打てばどうとでもなるさ。俺の君への執着さ加減が異常なのは骨身に沁みて知っている。だから時々良心が痛んで解放してあげなければ、と思うんだ」
「さっきがそうだったの?」
「ああ」
「今は……?」
「もう……無理…かな」
グリフィスの唇が首筋の曲線を探索し始め、時々敏感な皮膚をそっと噛んだ。
「んっ……やぁ……」
身体を震わせながら声を上げるクリスは可愛らしく、グリフィスは思わず我を忘れそうになる。
彼女の身体を優しく横たえ、ドレスの背中の紐を解いていくと、肩から簡単に脱がすことができた。
「これは……」
クリスは頬を染めて恥かしそうに横を向く。彼女がドレスの下に身につけていたのは、彼のお気に入りのリボンがついているネグリジェだった。
「また閉じ込められたいのかい……?」
グリフィスが顔の横に左手をつき、リボンの先を右手で掴んでくちづけると、クリスが彼に視線を向けた。
「もう、閉じ込めないでしょう? でも……ずっとじゃないなら、と、閉じ込められても……いい…かも……」
顔を赤らめてやっと口にするクリスにグリフィスが身体を強張らせ、自分を落ち着かせるように息を吐く。
「全く……無自覚なところは変わってないな」
彼は胸のリボンを解き、筋肉質な固い身体でクリスに覆い被さった。ネグリジェを肩からはだけさせると、なだらかな丸みを持つ肩を柔らかく吸い始めた。
お読み頂きあろがとうございます。今回は内容が違いますが、説明の辺りで重なる部分があります。ムーンがちとRです。
「クリス様……!?」
「グリフィスは部屋に戻っているかしら?」
「はい、もう休んでいらっしゃいます」
二人の新居の警護をしていた騎士は、いきなり現れたクリスに驚く。青い小花柄のドレスを着たクリスは警護の騎士とトリシアを背後に従えていた。
クリスは堪忍袋の尾が切れてトリシアや、デイヴィッド、アーネスト達とも相談をし、夜中にグリフィスが寝込んでいるところを襲撃する事にした。
そうでもしないと、察しのいいグリフィスにいつも逃げられてしまうからだ。
話し合いの時にアーネストが「グリフィス様は何かお考えがあるみたいですよ?」と言っていたが、これ以上あやふやな状態は耐えられない。その`お考え ‘ とやらも是非聞いてみなければ。
「じゃあ、行ってくるわね」
「クリス様、頑張って……!」
トリシアに微笑みを返した後に騎士が扉を開けてくれ、クリスは明かりを落とした部屋の中へと消えていった。
居間を抜け、寝室への扉を開けて覗き込むと、グリフィスが死んだようにうつ伏せで眠っている。寝間着の下穿きを履いただけで上は着ていない。
見るからに連日の激務で疲れているのが窺えた。
せっかく意気込んできたけれど可哀想だから日を改めようかと、近付いて掛布をかけるために手を伸ばす。
するといきなり視界が反転し、ベッドにうつ伏せで取り押さえられ、右手は背中で捻られて、首元にはナイフが当てられた。
それらは身体に染み付いているのか一連の動きは流れるようで、気付いたらうつ伏せで右腕を捻られていた次第である。
「グリフィっ――、腕が痛い……」
「クリス!?」
呻き声をあげるクリスを助け起こし、腕の中でくたりとなった彼女にグリフィスは慌てた。
手に持っていたナイフを不必要とばかりにヒュッと右横へ投げつけ、投げられたナイフはタンッ、といい音をさせて壁に突き刺さる。
「大丈夫か?」
腕や首を丹念に調べ、何事も無い様子に彼は安堵した。
「クリス、寝込みを衝いたら駄目だ。寝惚けてると判断する前に身体が動いてしまう」
コクンと頷くクリスを腕の中に抱きしめる。
「何事もなくて良かった――」
強くギュッと抱きしめられ、久しぶりのグリフィスの感触にクリスは嬉しさと共にほっとする。しかし抱擁はいきなり中断し、彼が身体を離してしまった。
「大体察しはつくが、こんな時間に何の用だ?」
「話し合いにきたの」
「……もう遅い、明日にしよう。部屋まで送っていくよ」
「明日になったらまた逃げるでしょう?」
「もう少しだけ待てないか……?」
クリスが不満顔を見せると、グリフィスが諦めてベッドの上で胡坐をかいた。
「分かった。でも、今ならまだ逃がしてあげられるよ」
クリスが首を傾げる。
逃げていたのはグリフィスではないか。それにもう初夜は終えたし、結婚の無効宣告もできはしない。
クリスはグリフィスの前に座ってスカートを整える。それを見て、続けるつもりだと彼は理解をした。
「デイヴィッドから聞いたわ。貴方が潰した見合い相手はろくでもない人ばかりだったって」
「借金がある奴だったり、女癖が悪かったり、実力も無くただ屑のような連中が、王座を狙って君に結婚を申し込もうとしていた」
「それなら……貴方は悪くないじゃない、あの時そう言えば良かったのに」
「潰したのは確かだ……それに俺は嬉々としてやった。そんな奴等を許せなかったし、実質ライバルの数も減るからだ」
「じゃあ、私を閉じ込めたのは?」
「君はとても可愛らしくて、愛しくて……こんな気持ちは初めてで」
彼は手を伸ばして、クリスの頬に触れ手を滑らせる。
「……アレクサンダーに攫われた時、身体が引き裂かれるような思いを味わった。取り戻せないのではないかという不安に、押し潰されそうになるんだ」
クリスが意外そうに目を瞬いた。
「アーネストとデイヴィッドが `終始冷静沈着で自信に溢れていて、的確な判断と行動力だった ‘ と言っていたわ」
「常に`必ず救える。取り戻せる ‘ と自分に言い聞かせていたんだ。そう考えないと、上手くいくものもいかなくなる。でも心の奥底では地獄を這いずり回っていた」
「心配だから閉じ込めたの?」
「半分かな。愛おしいから、傍に置いておきたい。心配だから、攫われたりしないよう自分の腕の中に閉じ込めておきたい」
グリフィスはクリスの頬から手を外した。
「わたし、貴方を許せるわ……」
グリフィスがクリスを見て軽く微笑んだ。
「でも、何故話し合いに応じてくれなかったの? 一ヶ月以上も無駄にしたのよ」
「君は閉じ込められて、過重な俺の想いに潰されそうになっていた。時間を置いたほうがいいと思ったんだ」
「でも、時間を置きすぎよ。私が執務室に行った時に、会ってくれても良かったのではない?」
「うん……少し自分への罰と、後は君へのプレゼントが完成してから、許しを請いたかったから」
「プレゼント……?」
「ああ、もうすぐ出来上がる。散歩コースで、回っていない場所があるだろう?」
「ええ、子供達がいる辺りから南西の壁までくらいかしら……チラッと見えたけど、何か建物を建てているわね?」
「それは学校になるんだ。子供が増えて街にある学校だけでは手狭になったし、城の敷地内なら安心して君も子供達に勉強を教えられるだろう? もちろん俺も安心だ」
クリスの顔が花が咲いたようにほころんだ。
「グリフィス……!」
胸の中に飛び込んできたクリスを抱きしめると、彼女の顎に手を添えて上向かせる。
「その可愛い顔が見たかったんだ」
クリスが嬉しそうに頬を染め、やわらかに目を瞑りキスを強請って首を伸ばす。彼の唇がゆっくりと下りてきて、触れたり触れなかったり、彼女の唇を弄んだ。
なかなか深くならないくちづけに、クリスが焦れて微かに唇を開いたが、彼の唇はその横を滑っていく。
「んっ……!」
クリスが切なそうに声を上げても、グリフィスは苦笑して、彼女の望むものをなかなか与えてはくれない。焦れたクリスは太い首に両腕を回し、自分の唇を押し付けた。
彼が一瞬目を見開く。
クリスは不安げに顔を離した。
「はしたなかった……?」
初夜の時も我慢できずに強請ってしまった事を思い出す。あの時確か彼は……
グリフィスが同じ言葉を口にした。
「そんな事をしたらすぐに抱いてしまうよ」
そうだ……彼はそう言ったのだ。
いきなり彼の口が襲ってきて、その思考はすぐに断ち切られる。
ふっくらとした唇を貪るように開き、クリスの舌を肉厚な舌で絡め取ると、痛いほどに吸い上げた。
「はぁ……あ……」
吐く息を飲み込まれ、貪欲に咥内を貪られ彼女の身体からは段々と力が抜けていく。
食まれている……
獰猛な肉食獣に捕らわれて、もう自分は逃げられはしない。
その思いは口から零れ出ていたようで、気付いたグリフィスが顔を上げる。硬質なアイスブルーの瞳に見下ろされた。
「もう逃がさない。最初に注意したはずだ――」
その低い声が背筋に響いてぞくりとする。
「……初夜も迎えて離婚できないのに、逃がすって……?」
「そんなもの、手を打てばどうとでもなるさ。俺の君への執着さ加減が異常なのは骨身に沁みて知っている。だから時々良心が痛んで解放してあげなければ、と思うんだ」
「さっきがそうだったの?」
「ああ」
「今は……?」
「もう……無理…かな」
グリフィスの唇が首筋の曲線を探索し始め、時々敏感な皮膚をそっと噛んだ。
「んっ……やぁ……」
身体を震わせながら声を上げるクリスは可愛らしく、グリフィスは思わず我を忘れそうになる。
彼女の身体を優しく横たえ、ドレスの背中の紐を解いていくと、肩から簡単に脱がすことができた。
「これは……」
クリスは頬を染めて恥かしそうに横を向く。彼女がドレスの下に身につけていたのは、彼のお気に入りのリボンがついているネグリジェだった。
「また閉じ込められたいのかい……?」
グリフィスが顔の横に左手をつき、リボンの先を右手で掴んでくちづけると、クリスが彼に視線を向けた。
「もう、閉じ込めないでしょう? でも……ずっとじゃないなら、と、閉じ込められても……いい…かも……」
顔を赤らめてやっと口にするクリスにグリフィスが身体を強張らせ、自分を落ち着かせるように息を吐く。
「全く……無自覚なところは変わってないな」
彼は胸のリボンを解き、筋肉質な固い身体でクリスに覆い被さった。ネグリジェを肩からはだけさせると、なだらかな丸みを持つ肩を柔らかく吸い始めた。
お読み頂きあろがとうございます。今回は内容が違いますが、説明の辺りで重なる部分があります。ムーンがちとRです。
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