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~第一章~
7話
しおりを挟む本当に辛そうに語るラスウィータに乙女ゲームの中では知りえなかった家族の事情を聞かされひどく心が痛み、与えられたのが殺意だなんてたった7歳の子供が言うなんて.....そんなの悲しすぎる......
それでも話を続ける兄にルフレーラは耳を傾けるしかできなかった。
それでも自分は幸せだったのだとラスウィータは言う、だって愛してくれる母がいて可愛い妹だってできた。勉強や剣術をがんばると褒めてくれる母がいて使用人がいて、部屋で笑って自分を待っててくれる妹がいる......
それだけで良かった、これ以上の幸せなんて望んでいなかった
それなのに、今日剣術の授業を終えて部屋にもどり風呂に入ってからルフレーラに会いに行こうとしていた所に母が倒れたと家令のタヌカが知らせにきた。
初めは毒かと疑われたが毒見係のおかげでその疑いははれ、お医者様の診断を聞くと元々心臓の悪かった母はルフレーラを産んだあと仕事が溜まると困る人がいると辛いはずなのにがんばっておられたのだと聞かされ、今はその過労が限界を超えて心臓に影響が出ているのだと。
治るのかと聞いたら今は薬で痛みや息の苦しさを紛らわせるくらいしかもぉ手立ては無いと言われてしまった。タヌカはこの話はまだラスウィータには早いと部屋を出そうとしてくれたが、今父のいないこの状況で次期当主の自分がきちんと話を聞かなくてどうすると初めて声を荒げてしまったらしい。
そのあと、ノンラを呼ぶようにルーシーに言ったのは自分だと言う、ノンラは元々侍女長として働いていたのだが子ができた事で休みをもらってたのだが同時期にルフレーラを身ごもった母が自分の信頼できるノンラに乳母になってほしいと頼んだ事を知っていたのですぐに呼び寄せた。
それからはまた私用で家をあけ何処にいるかも分からない父を探して分かり次第、タヴィアが倒れたと伝えるようにタヌカに伝令を出すように指示した、この時自分たち子供には興味がない父でもタヴィアの為ならば帰ってくるかとこの時は思っていたのだと言う。
そして母の自分を犠牲にしてでもやっていた仕事が今の自分には一人ではできず滞ってしまうかもしれないとタヌカに相談しまだ子供の自分では代理すらできないので領民長にも伝令をだし取引のある所にも伝令をだすのがいいと、ずっと母の右腕としても仕事をしていたタヌカが助言をくれすべてやってくれたのだ。
次期当主として普通の子供よりすこし考えることの出来るよう母が厳しく教育してくれていたが、それでも自分がなにもできない事を不甲斐なく、悔しい思いをしたと言う。
そして皆がそれぞれに対応し慌ただしくしてる中、自分も領民長と今後の話について話し合いまとまってお見送りをし終わって一息つくとタヌカから耳打ちされ聞かされた事で一気に切れてしまったという。
激高し思わずタヌカにそれは本当かと掴みかかってしまったと後悔していると言う。
タヌカはこの忙しい中でなかなか見つからない父を人を使って探していたのだが、見つけ出したのが名も知れない商人の女との密会中で関係性は分からないが小さな子供もいたそうだ、そして公爵家からの火急の伝令だと言うと舌打ちをして伝令を確認した父の言った言葉が、死んでないなら何故呼びに来た、2度とこんな事で自分を煩わすなと伝令係を追い出したのだと....
タヌカは迷った末に正直にラスウィータに伝えることにしたそうだ。
今自分たちがついていく人間はラスウィータなのだと......
だからもし耐えきれぬとしても伝えなければならないと判断したと。
それは次期当主に対する家令からの最大の信頼なのだと.....
耳に痛い事でも,聞きたくない事実であっても,すべて話すと言うのが現当主のタヴィアとの約束と信頼し合うと言う関係でその跡継ぎのラスウィータにも今この時からそうするようにする事で次期当主として扱うと同時にタヌカからの信頼なのだと言われたそうだ。
そしてこの国での不貞は大罪で、それは先先代の国王陛下と王妃が改革した時の新しい法律なので見つかり次第、証拠もでれば裁判になり裁かれるのだと言う。
今この国では夫も妻も互いを敬い、愛し合ってる事を美徳とし、どちらか片方がどちらかを見下したり、蔑ろにしたり、ましてや不貞を働くなどあってはならないと言うのが常識で小さい時から教えられる事なのだが...
その大罪を犯しているのにも関わらず、弱っている母の事を聞いて家に戻って欲しいと言った者にこんな事と言い
そのうえ、煩わすなと言った
今までの事を考えると外に頻繁に出ていたのはこの女に会うためであって、母に辛くあたるのもこの女がいたからであったと、そして自分の子であるラスウィータとルフレーラより....自分の妻であるタヴィアよりこの女なんだと気付かされたその時に殺意と憎悪で身が焼け、気が狂ってしまうかと思ったそうだ.......
その時自分を正気に戻してくれたのが近くにいた侍女のルフレーラの寝る前の様子を話している内容だったと言う。
すぅっと気持ちが落ち着き、今母と妹には自分と自分達を慕う使用人達しかいない.....
ここで気狂いをおこし自分までも居なくなってしまうと誰が今後ここを守るのだと落ち着きを取り戻したそうだ。
そしてタヌカにこの家に働いてる信頼できる使用人のすべてに父の所業を伝えるように言った、今後何があっても自分が母を、妹を守る...ここで働いている信頼ある使用人もすべて自分が守って見せる。
もぉ父にかまう事はない...何があっても母との盟約で自分が次期当主であり、この盟約は本人達以外変える事も破棄する事の出来ない法でまもられた盟約だ、だから皆自分を支えてくれ、頼むとタヌカに頭を下げ他の者にも誓ってきたそうだ。
すべてが一段落し母の意識はまだ戻らないが薬が効きすこし楽な表情になったと聞き、自分も少し休もうとしたがそれよりもルフレーラが心配になったのと、この半日で色々と起った事と自分の狂喜をかいま見て怖くなった事.....
そして何より自分たちはこれから二人で支え合っていくしかない唯一無二の存在なのだと
たとえ言葉や難しい事、何も分からないと理解していてもそれでも母や自分を待つ小さな妹に話しに来たのだと
ここで言いたい事がすべて終わったのか改めて私を強く抱きしめ、小さな声だがしっかりとした声色で絶対に守ってやる、兄様を信じてくれ....そのかわりレーラ、お前を何があっても信頼するよ.......
そう何か誓うように私に言ったきり黙ってしまった。
お兄様は私の頭の中は25歳だとは知らずにここまで話たのだろう、でも私はお兄様の話を聞いて決心がついた、今までは自分の最悪の未来ばかりどうにかしようとしてきたがもぉそれだけの問題でもない、元の世だとまだ小学生になったばかりくらいの歳の子がこの公爵家とお母様、そして私の事を背負って生きてい行くと決めたのだ
それなら私がお兄様の片腕となりどんな事からも守ってみせるわ
たとえそれが自分の首を絞める事だとしても、最悪の未来を防ぐ事が出来なくなっても、それでも私はお兄様を、そしてこの家を守ってみせるわ
そして話が終わりしばらくどちらも話さず私を膝の上にのせ抱きしめて動かなくなり、そしてそれに応えるように抱きしめ返す私、これを全て見てたかのようなタイミングでタヌカとルーシーがノックをし入ってきた。
「失礼しますラスウィータ様、ルフレーラ様。 遅くなり大変申し訳ありません、食事の用意ができましたのでここへ持ってまいりました。」
そうタヌカが言うとルーシーがカートに乗せたラスウィータ用の食事とルフレーラ用の食事を素早く机の上に並べ用意をしていく
それを見たお兄様がびっくりした様に固まっている
それもそのはずだ、お兄様はテーブルマナーを学ぶため必ず食堂で食べるように厳しくお母様に躾けられているはず、私はまだ部屋でノンラに食べさせて貰っているが3歳からこの教育は何があっても覆される事なくどれだけ忙しくてもテーブルマナーだけは直接お母様から受けるのだと、照れたように少し前お兄様が言っていたのだ
それなのにすごい勢いで準備されてゆくものだからお兄様も何も言えずにいる。
お兄様の驚きに気づいたのかタヌカが丁寧に説明してくれる。
「今日はとても慌ただしい1日だったためお昼も食されてないラスウィータ様にルフレーラ様と一緒にゆっくりと食事をして頂こうと勝手ながらこのタヌカが用意させてもらいました。 ルフレーラ様にはこれからルーシーが付きます、なのでしばしの時間ごゆっくりされて下さい」
そう言ってタヌカ自らが給仕をしてくれるようだ。
嬉しそうにありがとうと言うお兄様の横顔は年相応に見え少し安心した。
あの殺意と憎悪と言った時....身が焼けると錯覚するほどの狂喜を感じたと言った時のお兄様はとても子供とは思えぬ程に怖かった......
タヌカさんに心になかで最大の感謝をし二人でひと時の楽しい食事の時間をすごした。
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