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6.かねのむしんって何ですか?
「おーじーいーちゃーんっ!!!」
任せて、大声には自信があるの!
今よりもっと幼い頃。私が幼いということは弟妹ももっともっと幼くて、行動原理が本能だった頃。
彼らは追いかけると逃げる。それも、きゃらきゃらと楽しげに走り去る。
でも、危ないから捕まえなくてはならないのに、まるで蜘蛛の子を散らすように四方八方に駆けていくのだ。
でも、私には小さな手が二つしかなくて。
じゃあ、どうするか。あとはもう、大声しかないでしょう!
「こらーっ! 馬車に轢かれて死ぬつもりっ⁉ 今すぐ止まりなさーいっ!」
すると、内容よりも、私の声の大きさにびっくりして動きが止まった。
そうしてがんばっているうちに、遠くに走っていってしまういたずら小僧が思わず足を止めるくらいの大声を手に入れたの。
というわけで、フィリシアがんばります!
すうっと大きく息を吸い込む。そして。
「お~ぉじい~ぃちゃぁ~あんっっつ!!!」
門番さんとレイさんが思わず耳をふさいでいる。
うん、これならおじいちゃんに声が届くかも!
じゃあ、もう一度──
「いい加減にしろっ!」
突然腕を掴まれ捻り上げられ、あっという間に地面に押さえつけられた。
──え?
……痛い。打ち付けられた肩と、なんなら顔まで打った。
地面から伝わる冷気と、それ以上に門番さんの怒声と拘束する力に心臓が縮み上がる。
「おいっ、離せよ! まだ子どもだろうっ‼」
レイさんが私を助けようと門番に食って掛かった。でも、相手は屈強な大人だからレイさんまで怪我しちゃう!
「……はっ……離せ、離して……っ、離してよっ!」
矛先をレイさんに向けたくなくて必死に藻掻く。ギリギリと締め上げられる腕が痛い!
「貴様っ! いい加減にしないかっ‼」
怒鳴り声とともに門番が大きく腕を振り上げた。
……あ、死んじゃう
グレース、ごめん。お姉ちゃんだめだった。
思わず、死を覚悟した。その時。
「何の騒ぎだ」
ズンッとお腹に響く声が、門番の拳を止めた。
ほんの少し拘束する力が緩んだ隙に、ごろりんと勢いよく体を転がして起き上がる。
「私は! ソフィア・エインズワースの子どもです!」
「……そなたが?」
ようやく声の主が見えた。
……おお。何だか怖い顔だ。何歳かな。市場のおじさんと同じくらい?
ギロリと睨むように見据えられ、涙が出そうになる。
でも、わざわざここまで来てくれたなら、話を聞いてくれる気があるのかも! と、慌てて起き上がり、パタパタと服を叩いてホコリを払う。
正直、あちこち痛い。膝がガクガク震えてる。それでも。
「嘘じゃないです。これ! このブローチを見てください!」
今度こそ見てもらおうと、おじさんの前に差し出した。
レイさんに門番さんと、誰も見てくれなかったお母さんの大切なブローチ。私が誰なのかを証明してくれる大切な切り札。
「……確かにソフィアのものだ」
「はい!」
「それで? 今さら金の無心か?」
……かねのむしん。それって何? 貴族用語? どうしよう、意味が分かんない。というか、この人は誰?
「えっと、おじさんは誰ですか?」
任せて、大声には自信があるの!
今よりもっと幼い頃。私が幼いということは弟妹ももっともっと幼くて、行動原理が本能だった頃。
彼らは追いかけると逃げる。それも、きゃらきゃらと楽しげに走り去る。
でも、危ないから捕まえなくてはならないのに、まるで蜘蛛の子を散らすように四方八方に駆けていくのだ。
でも、私には小さな手が二つしかなくて。
じゃあ、どうするか。あとはもう、大声しかないでしょう!
「こらーっ! 馬車に轢かれて死ぬつもりっ⁉ 今すぐ止まりなさーいっ!」
すると、内容よりも、私の声の大きさにびっくりして動きが止まった。
そうしてがんばっているうちに、遠くに走っていってしまういたずら小僧が思わず足を止めるくらいの大声を手に入れたの。
というわけで、フィリシアがんばります!
すうっと大きく息を吸い込む。そして。
「お~ぉじい~ぃちゃぁ~あんっっつ!!!」
門番さんとレイさんが思わず耳をふさいでいる。
うん、これならおじいちゃんに声が届くかも!
じゃあ、もう一度──
「いい加減にしろっ!」
突然腕を掴まれ捻り上げられ、あっという間に地面に押さえつけられた。
──え?
……痛い。打ち付けられた肩と、なんなら顔まで打った。
地面から伝わる冷気と、それ以上に門番さんの怒声と拘束する力に心臓が縮み上がる。
「おいっ、離せよ! まだ子どもだろうっ‼」
レイさんが私を助けようと門番に食って掛かった。でも、相手は屈強な大人だからレイさんまで怪我しちゃう!
「……はっ……離せ、離して……っ、離してよっ!」
矛先をレイさんに向けたくなくて必死に藻掻く。ギリギリと締め上げられる腕が痛い!
「貴様っ! いい加減にしないかっ‼」
怒鳴り声とともに門番が大きく腕を振り上げた。
……あ、死んじゃう
グレース、ごめん。お姉ちゃんだめだった。
思わず、死を覚悟した。その時。
「何の騒ぎだ」
ズンッとお腹に響く声が、門番の拳を止めた。
ほんの少し拘束する力が緩んだ隙に、ごろりんと勢いよく体を転がして起き上がる。
「私は! ソフィア・エインズワースの子どもです!」
「……そなたが?」
ようやく声の主が見えた。
……おお。何だか怖い顔だ。何歳かな。市場のおじさんと同じくらい?
ギロリと睨むように見据えられ、涙が出そうになる。
でも、わざわざここまで来てくれたなら、話を聞いてくれる気があるのかも! と、慌てて起き上がり、パタパタと服を叩いてホコリを払う。
正直、あちこち痛い。膝がガクガク震えてる。それでも。
「嘘じゃないです。これ! このブローチを見てください!」
今度こそ見てもらおうと、おじさんの前に差し出した。
レイさんに門番さんと、誰も見てくれなかったお母さんの大切なブローチ。私が誰なのかを証明してくれる大切な切り札。
「……確かにソフィアのものだ」
「はい!」
「それで? 今さら金の無心か?」
……かねのむしん。それって何? 貴族用語? どうしよう、意味が分かんない。というか、この人は誰?
「えっと、おじさんは誰ですか?」
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