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【閑話】侍女は見た (試合結果報告)
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私の職場はバルディ伯爵家です。
その中で私は伯爵令息であるエミディオ様の侍女として働いております。
エミディオ様は大変優秀で、25歳までは王宮の財務局で働き、今は爵位を引き継ぐため領地経営を勉強中です。
領民からの評判も良く安泰……とは言えないのです。
それは女性問題。
平民の為結婚することが出来ない女性を愛しておられるのです。昔は隠れて会っていたようですが、今では家を与え、囲っている状態。所謂愛人です。
そんなぼっちゃま……いえ、旦那様がとうとう結婚されました!
お相手は17歳のアリーチェ様です。
まさかの12歳差ですが、愛さえあれば大丈夫……愛はあるのでしょうか。
ご両親である伯爵様からお二人の様子を報告するように申しつかりました。
密偵ですね、任せてください!
まずは初夜。夫婦の寝室から二人は出て来ません。上手くいったと言う事でしょうか。
いえ、まだ油断は出来ません。しっかりと確認しなくては!
翌朝、普段起きる時間を過ぎても寝室から出ていらっしゃいません。なるほどなるほど。
おや、話し声が。そろそろ突撃ですね!
お部屋に入ると、なんとまぁ!奥様が旦那様に抱きついていますわ!
目が合うと真っ赤になって可愛らしいこと。
これはほぼ確定ですね。
お風呂の準備が出来ると、まさかのお姫様抱っこで連れて行き、私達の手伝いを断られてしまいました。
ま、まさかの独占欲!あのぼっちゃまが!
そして──ありました!
シーツに破瓜の印が!
ブラボー!ぼっちゃまおめでとうございます!!
その後も可愛いと言ってからかったり、まさかのあーんをして果物を食べさせたり……
は!よく見ると首すじにキスマークまで!
ごちそうさまです!たいへん美味しゅうございました。
「以上がぼっちゃまの経過報告でございます」
「……それは本当にエミディオの話か?」
「モニカはもう捨てたのかしら?」
「そこはまだ分かりませんが、とにかくぼっちゃまが溺愛しています。あんなに楽しそうに笑うぼっちゃまは初めて見ました」
「……誰?」
酷いです。ですが、本当にぼっちゃまは笑わない方なんですよね。笑うのは冷笑とか鼻で笑うとかの嘲り?
いえ、良い方なんですけどね。
「分かったわ。また何かあったら報告して」
「かしこまりました、失礼致します」
さてさて、たのしい職場に戻りましょう。
今度はどんなイチャつきが見られるかしら。
楽しみですね。
その中で私は伯爵令息であるエミディオ様の侍女として働いております。
エミディオ様は大変優秀で、25歳までは王宮の財務局で働き、今は爵位を引き継ぐため領地経営を勉強中です。
領民からの評判も良く安泰……とは言えないのです。
それは女性問題。
平民の為結婚することが出来ない女性を愛しておられるのです。昔は隠れて会っていたようですが、今では家を与え、囲っている状態。所謂愛人です。
そんなぼっちゃま……いえ、旦那様がとうとう結婚されました!
お相手は17歳のアリーチェ様です。
まさかの12歳差ですが、愛さえあれば大丈夫……愛はあるのでしょうか。
ご両親である伯爵様からお二人の様子を報告するように申しつかりました。
密偵ですね、任せてください!
まずは初夜。夫婦の寝室から二人は出て来ません。上手くいったと言う事でしょうか。
いえ、まだ油断は出来ません。しっかりと確認しなくては!
翌朝、普段起きる時間を過ぎても寝室から出ていらっしゃいません。なるほどなるほど。
おや、話し声が。そろそろ突撃ですね!
お部屋に入ると、なんとまぁ!奥様が旦那様に抱きついていますわ!
目が合うと真っ赤になって可愛らしいこと。
これはほぼ確定ですね。
お風呂の準備が出来ると、まさかのお姫様抱っこで連れて行き、私達の手伝いを断られてしまいました。
ま、まさかの独占欲!あのぼっちゃまが!
そして──ありました!
シーツに破瓜の印が!
ブラボー!ぼっちゃまおめでとうございます!!
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は!よく見ると首すじにキスマークまで!
ごちそうさまです!たいへん美味しゅうございました。
「以上がぼっちゃまの経過報告でございます」
「……それは本当にエミディオの話か?」
「モニカはもう捨てたのかしら?」
「そこはまだ分かりませんが、とにかくぼっちゃまが溺愛しています。あんなに楽しそうに笑うぼっちゃまは初めて見ました」
「……誰?」
酷いです。ですが、本当にぼっちゃまは笑わない方なんですよね。笑うのは冷笑とか鼻で笑うとかの嘲り?
いえ、良い方なんですけどね。
「分かったわ。また何かあったら報告して」
「かしこまりました、失礼致します」
さてさて、たのしい職場に戻りましょう。
今度はどんなイチャつきが見られるかしら。
楽しみですね。
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