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マロンとマーガレット

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「わあぁ…ここはお城?」

ヘンリーからの告白を二つ返事でOKしたら、ヘンリーと同じ全寮制の名門の高等学校にも通えることになった。
この名門学校には「結婚するなら泊をつけないとな!」とヘンリーがあてがってくれた。

お城みたいな建築物の学校には庶民が憧れの制服をしたお坊ちゃま、お嬢様が闊歩していた。

平民が憧れの貴族の学校に転入ー。
夢のような話でワクワクしていたが、その期待も早々に打ち砕かれた。

「平民と同じクラスなんて信じられない!」
「本当よね」
「パパに掛け合ってみる?」
「ダメよ。あの子はヘンリー様が直訴して入学が許可されたのよ。王族に目をつけられては…」
「あ、やだこっちを見てるわ。向こうで話しましょう」

クラスメイトがマロンをみてヒソヒソ話をしていた。

同じクラスに1学年上のヘンリーはいない。
全寮制なので両親にも会えない。
マロンはこの学校では孤独だった。

周りからは平民の編入生ということで、常に奇異な目で見られたり、見下されたり、時には直接的に意地悪されたりした。

そんなある日寮に戻ると制服が消えていた。

「えっ…なんで…!?」

クローゼットを必死で探してもどこにも見つからない。

仕方がないので体操着で投稿することにした。

しかし早速意地悪な女子生徒のアリサが嬉しそうに話し出した。

「あの子なんで制服を着ていないの?」

続けてアリサの取り巻きがクスクス笑いながら答えた。

「なくしちゃったのかしら、可哀想ー。でも、元々似合ってなかったものね」

「あの子みたいなこの学校に相応しくない平民にはさっさと出て行って欲しいわ!」

その様子を見て周りの貴族はクスクス笑っていた。

マロンは聞こえない振りをしながらこれもヘンリーと結婚するためだと耐えた。

その時、叫び声が響いた。

「品のないことはやめなさい!」

声の主はヘンリーの婚約者マーガレットだった。

「大丈夫?制服がなくなってしまったの?」

あまりの品の良さと美しさに気後れしながらマロンは答えた。

「は、はい…クローゼットを探しても見つからなくて体操着で登校してしまいました。お目汚し失礼しました…」

だけどマーガレットは優しく語りかけた。

「何言っているの!今日見つからなければ明日購買で新しい制服を購入した方がいいわよ。」

そしてキョトンとしているマロンに気づき微笑みながら自己紹介した。

「あ、申し遅れました私はマーガレットクローバーですわ」

ーー

あの、気高く美しい女性がヘンリーの婚約者だったんだ…。
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