【完結】王子から愛でられる平民の少女に転生しました〜ざまあされそうで超ピンチです！〜

アランの宣言（アランとロイド）

「そういう理由で、遊牧民の村へ兵士を派遣することは中断する」

ババロア学園の渡り廊下でアランがロイドにこう宣言した。
ロイドは焦っている。

「何を言ってるんですか。生徒会長？」

「ロイド、君にはブレーンとして活躍してもらっていたから衛兵の管理の権限を与えていたが、最近勝手な行動が目立つ」

「そんなっ！俺は国を守るために…」

アランはロイドを睨んだ。

「独断でマロンを誘拐するなんて命令を出して、もしマロンが殺されたらどうするつもりだった？」

「それは…。あの平民は遊牧民に入れ知恵をして派遣した衛兵を取り込んでいるようでした。そんな裏切り者がいなくなったところで特に影響はないでしょう」

パシッ

その言葉にアランは思わず手を上げた。

「何をするんですか！手を出すなんて野蛮ですよ」

ロイドはいきなりアランに平手打ちされたので動揺している。

「…お前には失望したよ。マロンのことを平民平民と言うが、そう言われることがどれだけ辛いかはお前が一番分かっているはずではないのか？」

ロイドは俯いた。

「生徒会長みたいに由緒ある伯爵家に生まれた方に俺の気持ちなんて分かるわけがない…」

「ん？何か言ったか？」

ロイドはとても小さな声でつぶやいたのでアランには聞こえなかった。

「とにかくお前みたいな奴に大事な兵士は預けられない。だから特別に与えていた兵士を派遣する権限を剥奪するからな」

「そんな！なんでですか？待ってください！」

「もう少し人間性を磨くことだな！」

そう言ってアランはロイドの前から去っていった。