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第63話 企業展開

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マルコとの話が終わった後、俺はそのままギルド内を見て回った。



『うーん…これと言って欲しいものがないから奴隷企業を拡大するか!』



俺は不動産商会に行った。



「いらっしゃいませ。ダグラス様で間違いないでしょうか?」



「ああ。」



「それでは奥へどうぞ。」



着いたところはとても豪華な部屋だった。



「こんにちはダグラス様。どのような家をお探しで?」



「30人以上住める屋敷を。」



「ご要望に添う物件は1件です。これから見に行かれますか?」



「ああ。頼む。」



「分かりました。ではついてきてください。」



道中聞いた話だと、この屋敷はちょうど討伐大会の優勝賞品だったようだ。

大会が中止にならなくてもまあ優勝して俺のものになっていただろうが。



「こちらになります。」



そこは王都の屋敷の2/3くらいの大きさで、収容人数は40人とのことだ。

まあ海上都市は土地が狭いわりに建物が多いので仕方ない。



俺はゆっくり屋敷を見て回った。

特に欠陥部分はなく、構造は王都の屋敷と大体同じだった。



「これをもらう。」



「分かりました。お買い上げありがとうございます。」



そういえば報酬はどれくらいなのだろうか。

バーバラさんからは気に入ったものを好きなだけ買っても十分有り余ると聞いたが…



『…まあ言われた通り気に入ったものを好きなだけ買うとするか!』



次に俺は屋敷の家具をそろえるべく商会の家具ブースに来た。



「いらっしゃいませ。奥へどうぞ。」



じっくり見て回った結果、俺は40個のAランクベッドを購入した。



「お買い上げありがとうございました。」



次に俺は装備ブースに来た。

ハワードの店は質はいいが量は少ないのでこちらに赴いた。



「いらっしゃいませ。どのような装備をお探しで?」



「Aランクの装備を。」



「かしこまりました。奥へどうぞ。」



奥は一つ一つが丁寧に保管されており、展覧会のようだった。



俺は”鑑定”を行使してじっくり選び、性能が高い上位40個を購入した。

大きさや形は使用者によって異なるが、その時に俺が合う形に調整すればいいだろう。



それにしても爆買いを続けているが本当に大丈夫なのだろうか。

心配になったので俺は一度バーバラさんのところに行った。



「ダグラス君~!!もういいのかしら~?」



「いえ、あと報酬のお金がどのくらいあるのか気になって。




「それなら気にしなくていいわよ~!!ギルドが商会と提携して報酬として金貨1,000,000枚分はただでもらえるから。」



「1,000,000枚分ですか!?そんなにもらったら大赤字になってしまうんじゃ?」



「赤字も何も死んじゃったらそこで終了じゃないの。命に比べたらずいぶん安いものだわ。」



確かにあのまま海龍が暴れていたら多くの命が失われていた。

しかし、もらいすぎるのも申し訳なく思うので必要なものだけ買おうと思う。



「そのお金って将来も有効ですか?」



「ええもちろん!!今無理に使わなくてもいいわよ~」



「分かりました。ありがとうございます。」



金貨1,000,000枚なんて生涯で使いきれるだろうか。

現時点でまだ金貨1,000枚くらいしか消費していないのだが…



俺は深く考えるのをやめ、次に魔道具店のブースに向かった。



「いらっしゃいませ。ごゆっくりどうぞ。」



メリル魔道具店の系統なので品ぞろえはばっちりだ。

俺は半径50m以内でパーティーメンバーの居場所がわかる魔道具×40と結界を展開する魔道具×8を購入した。



「お買い上げありがとうございました!!」



最後に俺は奴隷商会に向かった。



「いらっしゃいませ。どのような奴隷をお探しで?」



「犯罪奴隷以外を。」



「かしこまりました。こちらへどうぞ。」



海上都市では災害時に奴隷を労働力として重宝しているためか、怪我や病気が酷い人は一人もいなかった。



「オーナー、怪我や病気が酷い奴隷を仕入れてくれないか?」



「っ!?それでダグラス様は何に使われるのですか?」



「それを話す義理はない。だが、少なくとも1人残らず幸せにする。」



「…かしこまりました。ですが、仕入れて当店で購入するよりダグラス様当人が仕入れた方がいいのでは?」



「それができるのなら一番なのだが…まさかできるのか?」



「ええ。実は私、奴隷商会全体の商会長を務めておりまして…

海上都市提携の奴隷商人という形をとってもらえればこれからも奴隷商人として活動できます。」



「そうしてもらってもいいか?」



「分かりました。では会員証を作ってくるので少々お待ちください。」



「ああ。」



これで俺は奴隷企業を本格的に始動することができるようになった。

方式は今まで通りでいいだろう。



「お待たせしました。こちらが奴隷商人専用のカードです。

再発行はできますが他人に使われると大変なことになりますのでどうか無くさないようにお願いします。」



「わかった。感謝する。」



ひとまず買い終えたのでバーバラさんのもとに帰った。



「買い物終わりました。このお金って商会の他の支部でも使えるんですか?」



「使えるわよ~!これがそのカードよ!!



「それはそこに書かれている金額を消費しきったら砕けてなくなる仕組みになってるから気を付けてね!」



「ありがとうございます。」
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