異世界転生録~死と隣り合わせのこの世界で死なないため、力を付けます!!~

島津穂高

文字の大きさ
67 / 188

第67話 企画作成

しおりを挟む
翌朝、海上都市で朝食をとった後すぐに王都へ”転移”した。

そして空間魔法”空間作成”で姿と匂い、音を遮断する結界を自分の周りに展開した。



『これで準備は万端か…?』



念には念を入れて”気配遮断”のスキルも行使した。



『じゃあ早速抜き打ちテストに行きますか!!』



屋敷に着くと、そこは結界で囲われていた。

どうやら防犯対策としてメリルの魔道具を使っているようだ。



この魔道具は情報を登録した人しか入れない仕組みになっているが、俺はおそらく登録されているだろう。

試しに結界に触れてみたが、何も起こらなかった。



『少し不安だったが…良かった。』



屋敷に入ってみると、一方では演習場で訓練をしているパーティーが、他方では朝からクエストを受注しに行くパーティーもいた。



『ん…?なんだ?』



誰かが1人でギルドに向かっている。

気になったので近づいてみると、それはマークだった。



『1人で何しに行くんだ…?』



マークはギルドに入り、そのまま奥の演習場へ行った。

すると、そこにはおそらく新人冒険者であろう人々がいた。



「おはようございますマーク教官!!」



「おはよう!!早速講座を始めるぞ!!」



どうやらマークは新人冒険者対象の講座をやっているようだ。



『初心者向け講座は確かCランク以上の冒険者が対象だったよな?』



マークのパーティーランクはBだったが個人ランクは持っていなかったはずだ。



『この1ヶ月でCまで昇格したのか…?すごいな。』



次に、屋敷内の様子を見ることにした。

メイドたちは怠惰になることなく、まじめに働いていた。



経営担当もしっかり話し合い、安定的に経営を続けられているようだ。

利益もそれなりに出ていた。



『順調だな。』



大体の様子が分かったので、そろそろ姿を見せようと思う。



『急に背後に現れるのは心臓に悪いからドアから入るか。』



俺は廊下に出て結界を解除し、ドアをノックした。



「どうぞ。」



「ただいま。久しぶりだな。」



「っ!?ダグラス様!!お久しぶりです。」



「久しぶりにゃ!!」



「セバス達も無事に経営できているようでよかった。」



「もちろんです。ダグラス様から仰せつかった仕事ですから。」



「何か経営をしていて疑問点や改善点はあるか?」



「そうですね…」



それから今後の経営について話し合った。



まとめると、

1.1人1部屋にしてほしい

2.遠征や護衛任務の際はどうすればいいのか

3.メイドの数を少し増やしてほしい



といった感じだった。



1は新たに屋敷を購入することで決定、2は会計担当に申請して費用をもらうことで解決、3は新たに屋敷を購入してそこに人が流れるので解決した。



「セバス、もう1つ話があるんだがいいか?」



「もちろんです。」



「王都の他に海上都市、鉱山都市、山岳都市にも同じように拠点を作ったんだ。

それで、経営者同士で協力して相互間で遠征をするのはどうだ?」



「確かに色々な環境に身を置くのはいい経験になるのでいいと思います。

ですが、経営者間の連絡はどうやって取るつもりで?」



「そこが問題なんだ…何かいいアイデアはないか?」



「そうですね…鳥を使うのはどうでしょうか?」



「なるほど…」



この世界にも伝書鳩に使える鳥がいるようだ。



「それでいこう!どこで手に入るか知ってるか?」



「商会に行けば見つかるかと。」



「ありがとう!」



まだ他の支部の経営者にこの企画のことを話していないので、商会で購入できるかどうかを確認に行った。

案外すぐに見つかり、誰にでも簡単に使える鳥だった。



俺はついでに王都2つ目の屋敷を探した。

1都市に1拠点を考えていたが、王都はフィールドが広くダンジョンもあるので2つ拠点があってもいいだろう。

収容人数が40人で、立地も良かったので即決した。



その後屋敷に戻って皆と話したり稽古をし、人員移動について説明した。



「何か質問や意見がある人はいるか?」



「はい!はい!はい!」



「どうしたマーク?そんなに変な顔して。」



「闘技場の決闘みたいな感じで他の支部の冒険者たちと決闘したい!!」



「なるほど…考えておくよ。みんなも何か思いついたら言ってくれ。」



マークの意見は面白そうだ。

今はまだ王都を2支部とすると5つしかないが、これから支部数が増えたら面白そうだ。



その晩の夕食は俺が土産に持って来た海鮮だった。

王都は陸地で生魚を食べる機会がないため皆怪訝そうにしていたが、マークが豪快に1口頬張り



「なんだこれ!!!めちゃくちゃうめぇー!!!」



と感動しているのを見ると皆食べ始めた。



結果は非常に好評だった。

あっという間に出された分を食べつくし、おかわりを求めてきたので”アイテムボックス”に入っていた切り身の半分を屋敷に保管した。



そのお礼ということでオーク肉を大量にもらった。

確かに海上都市周辺はオークではなくトロールが生息しているため、この高級オーク肉は久しぶりだ。



その後皆と交流し、そのまま眠りについた。



翌日、奴隷商館に行って新しい屋敷の経営関係者3人とメイド7人を購入し、配置した。

新しい屋敷にはソフィアたちをリーダーとして合計6パーティーが移動した。



「じゃあ俺はそろそろ旅に戻る!元気でな!!」



「ありがとうございます。ダグラス様もお元気で。」



皆元気にしていたので良かった。
しおりを挟む
感想 14

あなたにおすすめの小説

異世界に召喚されて2日目です。クズは要らないと追放され、激レアユニークスキルで危機回避したはずが、トラブル続きで泣きそうです。

もにゃむ
ファンタジー
父親に教師になる人生を強要され、父親が死ぬまで自分の望む人生を歩むことはできないと、人生を諦め淡々とした日々を送る清泉だったが、夏休みの補習中、突然4人の生徒と共に光に包まれ異世界に召喚されてしまう。 異世界召喚という非現実的な状況に、教師1年目の清泉が状況把握に努めていると、ステータスを確認したい召喚者と1人の生徒の間にトラブル発生。 ステータスではなく職業だけを鑑定することで落ち着くも、清泉と女子生徒の1人は職業がクズだから要らないと、王都追放を言い渡されてしまう。 残留組の2人の生徒にはクズな職業だと蔑みの目を向けられ、 同時に追放を言い渡された女子生徒は問題行動が多すぎて退学させるための監視対象で、 追加で追放を言い渡された男子生徒は言動に違和感ありまくりで、 清泉は1人で自由に生きるために、問題児たちからさっさと離れたいと思うのだが……

異世界転移からふざけた事情により転生へ。日本の常識は意外と非常識。

久遠 れんり
ファンタジー
普段の、何気ない日常。 事故は、予想外に起こる。 そして、異世界転移? 転生も。 気がつけば、見たことのない森。 「おーい」 と呼べば、「グギャ」とゴブリンが答える。 その時どう行動するのか。 また、その先は……。 初期は、サバイバル。 その後人里発見と、自身の立ち位置。生活基盤を確保。 有名になって、王都へ。 日本人の常識で突き進む。 そんな感じで、進みます。 ただ主人公は、ちょっと凝り性で、行きすぎる感じの日本人。そんな傾向が少しある。 異世界側では、少し非常識かもしれない。 面白がってつけた能力、超振動が意外と無敵だったりする。

酒好きおじさんの異世界酒造スローライフ

天野 恵
ファンタジー
酒井健一(51歳)は大の酒好きで、酒類マスターの称号を持ち世界各国を飛び回っていたほどの実力だった。 ある日、深酒して帰宅途中に事故に遭い、気がついたら異世界に転生していた。転移した際に一つの“スキル”を授かった。 そのスキルというのは【酒聖(しゅせい)】という名のスキル。 よくわからないスキルのせいで見捨てられてしまう。 そんな時、修道院シスターのアリアと出会う。 こうして、2人は異世界で仲間と出会い、お酒作りや飲み歩きスローライフが始まる。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

最強の異世界やりすぎ旅行記

萩場ぬし
ファンタジー
主人公こと小鳥遊 綾人(たかなし あやと)はある理由から毎日のように体を鍛えていた。 そんなある日、突然知らない真っ白な場所で目を覚ます。そこで綾人が目撃したものは幼い少年の容姿をした何か。そこで彼は告げられる。 「なんと! 君に異世界へ行く権利を与えようと思います!」 バトルあり!笑いあり!ハーレムもあり!? 最強が無双する異世界ファンタジー開幕!

異世界転生、防御特化能力で彼女たちを英雄にしようと思ったが、そんな彼女たちには俺が英雄のようだ。

Mです。
ファンタジー
異世界学園バトル。 現世で惨めなサラリーマンをしていた…… そんな会社からの帰り道、「転生屋」という見慣れない怪しげな店を見つける。 その転生屋で新たな世界で生きる為の能力を受け取る。 それを自由イメージして良いと言われた為、せめて、新しい世界では苦しまないようにと防御に突出した能力をイメージする。 目を覚ますと見知らぬ世界に居て……学生くらいの年齢に若返っていて…… 現実か夢かわからなくて……そんな世界で出会うヒロイン達に…… 特殊な能力が当然のように存在するその世界で…… 自分の存在も、手に入れた能力も……異世界に来たって俺の人生はそんなもん。 俺は俺の出来ること…… 彼女たちを守り……そして俺はその能力を駆使して彼女たちを英雄にする。 だけど、そんな彼女たちにとっては俺が英雄のようだ……。 ※※多少意識はしていますが、主人公最強で無双はなく、普通に苦戦します……流行ではないのは承知ですが、登場人物の個性を持たせるためそのキャラの物語(エピソード)や回想のような場面が多いです……後一応理由はありますが、主人公の年上に対する態度がなってません……、後、私(さくしゃ)の変な癖で「……」が凄く多いです。その変ご了承の上で楽しんで頂けると……Mです。の本望です(どうでもいいですよね…)※※ ※※楽しかった……続きが気になると思って頂けた場合、お気に入り登録……このエピソード好みだなとか思ったらコメントを貰えたりすると軽い絶頂を覚えるくらいには喜びます……メンタル弱めなので、誹謗中傷てきなものには怯えていますが、気軽に頂けると嬉しいです。※※

ちっちゃくなった俺の異世界攻略

ちくわ
ファンタジー
あるとき神の采配により異世界へ行くことを決意した高校生の大輝は……ちっちゃくなってしまっていた! 精霊と神様からの贈り物、そして大輝の力が試される異世界の大冒険?が幕を開ける!

少し冷めた村人少年の冒険記

mizuno sei
ファンタジー
 辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。  トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。  優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

処理中です...