17 / 52
好きになれない1
17
しおりを挟む
下見に来たときよりも、蝉の鳴き声が煩いような気がする。頭の上でわんわんと反響しているそれを、できる限り気にしないようにしながら、日和は獣道に足を踏み入れた。
「ぴよちゃーん、そっち、どう? 虫とかいない?」
キャンプ場に着いて早々、肝試しの下準備にイベント班の面々で山にやってきたのだが、雪人の声は頼りなく揺れている。はっきり言って、いないわけがない。
「うーん」
草木の生い茂った周囲をざっと日和は見渡した。いないわけがない。恵麻の背に隠れる雪人の腰は完全に引けていた。
「小さい虫がいるのはちょっと仕方がないかも。大きい虫はいないよ」
今のところは、との真実は呑み込んで日和は背後を振り返った。視界の端を過って行った蜘蛛の存在には、気が付かなかったことにして。
「当たり前だろうが、雪! おまえ、今年は、隠れてる間に虫を見ても悲鳴上げんなよ」
ほら見ろと言わんばかりの学人の台詞に、雪人は唇を尖らせている。昨年も雪人、恵麻、学人、紺の四人はイベント班で肝試しをやったらしいのだが、去年の本番、隠れて人が通るのを待っている最中。腕に落ちてきた蝉の死骸に驚いて、雪人は半狂乱になったらしい。
――まぁ、でも、俺もなるかも。半狂乱に。
蝉ってたしかに気持ち悪いよなぁ。苦笑を呑み込んで、天に視線を巡らす。青々とした木々の隙間から太陽光が零れている様は、まさに夏だ。至る所に蝉も生息していることだろう。
「もしさ、雪ちゃんが、どうしても怖いなら、ぴよちゃんと一緒に隠れることにする?」
「え……、うーん、でも」
リーダーの恵麻の提案に、雪人がちらりと日和を見た。同い年の恵麻も一人で待機するのに、自分一人だけ甘えていいのだろうか。悩んでいるようだが、その瞳には期待が混ざっている。
このキャンプ場は、本日はつぼみの貸し切り状態だ。肝試しの間に見ず知らずの人間が乱入してくる心配はないし、熊や猿といった危険な野生動物も生息していないとされている。
とは言え、虫が苦手な人間からすれば十分な恐怖だとわかる。
「段取り的に問題がないなら、そうさせてもらう? 俺もあんまり好きじゃないんだよね、蝉」
「……本当?」
「本当、本当。だから一緒に頑張ろうか。もし、俺が蝉に驚いて声を出しそうになったら、止めてね、雪ちゃん」
「うん! じゃあ、雪がそうなったら、ぴよちゃんが止めてね」
表情から不安が抜け落ちた雪人に、恵麻もほっとしたように笑う。
「その代わり、二人はメインの脅かしどころの担当だからね! 頑張って怖がらせてよ」
「任せて!」
二人のやりとりを静かに見守っていた紺が、不意に「そういえば」と口を開いた。
「去年はさ、俺と学人が最後のところで潜んでたんだけど。あきを号泣させちゃったんだよね」
「今年はさすがに大丈夫でしょー。あき、去年はウチに来たばっかりのころだったし。一年経ったんだから、ちょっとは成長してるって」
「あのチビ、やることなすこと去年から全く変わってねぇけどな」
「あれ以来、学人はあきに怖がられてるもんねぇ」
つまるところ、なかなかに大人気ない方法で学人少年が驚かせたらしい。
――そういや、キャンプ場に来てから、いつも以上に真木さんに纏わりついてたな、あきくん。
もしかして、既にして怖がっていたのだろうか。浮かびそうになった笑みを手のひらで隠して、日和は時間を確認した。十一時四十五分。
「恵麻ちゃん、そろそろ戻らなくても大丈夫かな」
「本当だ。ありがとう! お昼に遅刻したら優海さんに拗ねられちゃう」
怒る、ではなく、拗ねる、であるところが、あのおっとりとした代表のイメージと見事にマッチしている。
「それじゃ、お昼ご飯のあとは三時までは自由行動。それで三時になったら最終の打ち合わせね。あたしたちのバンガローの前に集合すること!」
返事を確認して、恵麻が戻るよと号令をかける。その横顔はいつもとは違う自信が漲っていた。
キャンプを通して顔が変わるというのは、本当なんだな。日和は真木の台詞を思い出す。特にリーダーなどの役職を務めた生徒は変わる。真木はこうも言っていた。成功しても、失敗しても、どちらでもいいのだとも。
七月の終わり、うまくできないかもしれないと、恵麻がひっそり真木に泣きついていたことも知っている。その不安を乗り越えて、生き生きとした表情で彼女は当日を迎えている。すごいことだと素直に思う。この経験が自信となって、いつかに繋がるのだろう。
――できることなら、成功すればいいとも思うけど。
そうかと言って、大人が手を出し過ぎては意味がない。スタッフの在り方の難しさを痛感しながら、日和は最後尾について歩き出した。
太陽の光を浴びて、水面がキラキラと輝いている。頭上から降り注ぐ熱は厳しさを増しているが、川遊びに勤しんでいる子どもたちは、暑さをものともしていない。
――元気だなぁ。
浅瀬で羽山と一緒に遊んでいる凛音たちの姿はいかにも無邪気だ。大きな水鉄砲を持ってきた暁斗は、嬉しそうに空に向けている。岩場からその様子を見守っていた日和は、ゆっくりと目を細めた。
昼食後、川遊びに大半の生徒たちがやってきている。昼夜逆転の生活が抜けきれていない子や、室内でお喋りをしたいという子たちは、愛実と一緒にバンガローに向かった。無理をする必要はないのだから、それでいいと日和は思う。
「日和くん、泳げないんだって?」
不意に落ちてきた影に、日和はちらりと顔を上げる。日和と同じ学生ボランティアの名波だ。
「あ、いや、泳げないことはないんですけど。あまり川とかで泳いだことはないというか」
「わかる、わかる。私も自信ないもん。まぁ、ここは溺れるような川じゃないけどね」
「とは思いますけど」
視界から子どもたちを外すことはできない。苦笑して、日和は視線を川へと戻した。隣に名波が座る。
「そんなに肩に力を入れなくても大丈夫。私はここに来るのは三度目だけど、今までもなにもなかったから」
「……すみません、心配性で」
「放置するよりはいいと思うけど。今、大学三年生なんだっけ?」
「あ、はい。そう、です」
「教育学部?」
「はぁ、まぁ」
よどみなく続く声に気が散って、おざなりになる。同時に二つのことをこなせるほど器用ではないのだ。
――早く、真木さんも来ないかな。
昼食の担当の班の子たちと片づけをしてから、彼らを連れて来ると言っていたけれど。
「私はね、心理学の専攻で、今は院の二年。だから、キャンプは今年で最後になるかな」
「はぁ、そうですか」
「和さんは卒業してからも、こうやって手伝ってるけど、そこまで私はできないから。今年も本当はどうしようかなぁと思ってたんだけど、来てよかったかな」
最後の思い出作りだと解釈して、日和は気のない返事を繰り返した。いつのまにか、水遊びは水中ビーチバレー大会へと変貌している。
さすがに何年も参加しているというだけあって用意がいい。学人がビーチボールを水中に勢いよく打ち込んで、恵麻に怒られていた。
意識しないまま小さな笑みが零れた瞬間。右腕にひやりとした熱を感じた。ぱっと振り返った先で、名波が微笑む。
「日和くんに会えてよかったなって。ねぇ、日和くんって、彼女とかいるの?」
媚びるような甘えた声。子どもたちの声が遠のいていく感覚に、日和はそっと息を吐いた。努めてさりげない表情を取り繕う。不機嫌な顔を、ここで晒したくはなかった。
「いません」
腕を振りほどいて続ける。なんでもない口調で。
「けど、好きな人はいます」
それ以上の問答をする気は起らず、日和は岩場から立ち上がった。その姿を見とめた恵麻が、持っていたビーチボールを放り投げる。足元に転がってきたボールを拾って、日和も水の中に足を入れる。冷たかった。
「ぴよちゃん、やっと来た! 遊ぼう」
「うん、入れてくれる?」
凛音のあどけない表情に、少し気分がほぐれた。後ろを振り返ろうとは思わなかった。さすがに臍を曲げてどこかに行くような真似はしないだろう。
――というか、そんな人材だったら、優海さんも真木さんも置いておかないと思うし。
「モテるねぇ、ぴよちゃん」
凛音たちには聞こえない声音で羽山に囁かれて、日和はむっと眉根を寄せた。好きでモテているわけじゃない。どうせ見ているのは俺の見かけだけだ。
なんてことは、さすがに言えないけれど。
「ぴよちゃーん、そっち、どう? 虫とかいない?」
キャンプ場に着いて早々、肝試しの下準備にイベント班の面々で山にやってきたのだが、雪人の声は頼りなく揺れている。はっきり言って、いないわけがない。
「うーん」
草木の生い茂った周囲をざっと日和は見渡した。いないわけがない。恵麻の背に隠れる雪人の腰は完全に引けていた。
「小さい虫がいるのはちょっと仕方がないかも。大きい虫はいないよ」
今のところは、との真実は呑み込んで日和は背後を振り返った。視界の端を過って行った蜘蛛の存在には、気が付かなかったことにして。
「当たり前だろうが、雪! おまえ、今年は、隠れてる間に虫を見ても悲鳴上げんなよ」
ほら見ろと言わんばかりの学人の台詞に、雪人は唇を尖らせている。昨年も雪人、恵麻、学人、紺の四人はイベント班で肝試しをやったらしいのだが、去年の本番、隠れて人が通るのを待っている最中。腕に落ちてきた蝉の死骸に驚いて、雪人は半狂乱になったらしい。
――まぁ、でも、俺もなるかも。半狂乱に。
蝉ってたしかに気持ち悪いよなぁ。苦笑を呑み込んで、天に視線を巡らす。青々とした木々の隙間から太陽光が零れている様は、まさに夏だ。至る所に蝉も生息していることだろう。
「もしさ、雪ちゃんが、どうしても怖いなら、ぴよちゃんと一緒に隠れることにする?」
「え……、うーん、でも」
リーダーの恵麻の提案に、雪人がちらりと日和を見た。同い年の恵麻も一人で待機するのに、自分一人だけ甘えていいのだろうか。悩んでいるようだが、その瞳には期待が混ざっている。
このキャンプ場は、本日はつぼみの貸し切り状態だ。肝試しの間に見ず知らずの人間が乱入してくる心配はないし、熊や猿といった危険な野生動物も生息していないとされている。
とは言え、虫が苦手な人間からすれば十分な恐怖だとわかる。
「段取り的に問題がないなら、そうさせてもらう? 俺もあんまり好きじゃないんだよね、蝉」
「……本当?」
「本当、本当。だから一緒に頑張ろうか。もし、俺が蝉に驚いて声を出しそうになったら、止めてね、雪ちゃん」
「うん! じゃあ、雪がそうなったら、ぴよちゃんが止めてね」
表情から不安が抜け落ちた雪人に、恵麻もほっとしたように笑う。
「その代わり、二人はメインの脅かしどころの担当だからね! 頑張って怖がらせてよ」
「任せて!」
二人のやりとりを静かに見守っていた紺が、不意に「そういえば」と口を開いた。
「去年はさ、俺と学人が最後のところで潜んでたんだけど。あきを号泣させちゃったんだよね」
「今年はさすがに大丈夫でしょー。あき、去年はウチに来たばっかりのころだったし。一年経ったんだから、ちょっとは成長してるって」
「あのチビ、やることなすこと去年から全く変わってねぇけどな」
「あれ以来、学人はあきに怖がられてるもんねぇ」
つまるところ、なかなかに大人気ない方法で学人少年が驚かせたらしい。
――そういや、キャンプ場に来てから、いつも以上に真木さんに纏わりついてたな、あきくん。
もしかして、既にして怖がっていたのだろうか。浮かびそうになった笑みを手のひらで隠して、日和は時間を確認した。十一時四十五分。
「恵麻ちゃん、そろそろ戻らなくても大丈夫かな」
「本当だ。ありがとう! お昼に遅刻したら優海さんに拗ねられちゃう」
怒る、ではなく、拗ねる、であるところが、あのおっとりとした代表のイメージと見事にマッチしている。
「それじゃ、お昼ご飯のあとは三時までは自由行動。それで三時になったら最終の打ち合わせね。あたしたちのバンガローの前に集合すること!」
返事を確認して、恵麻が戻るよと号令をかける。その横顔はいつもとは違う自信が漲っていた。
キャンプを通して顔が変わるというのは、本当なんだな。日和は真木の台詞を思い出す。特にリーダーなどの役職を務めた生徒は変わる。真木はこうも言っていた。成功しても、失敗しても、どちらでもいいのだとも。
七月の終わり、うまくできないかもしれないと、恵麻がひっそり真木に泣きついていたことも知っている。その不安を乗り越えて、生き生きとした表情で彼女は当日を迎えている。すごいことだと素直に思う。この経験が自信となって、いつかに繋がるのだろう。
――できることなら、成功すればいいとも思うけど。
そうかと言って、大人が手を出し過ぎては意味がない。スタッフの在り方の難しさを痛感しながら、日和は最後尾について歩き出した。
太陽の光を浴びて、水面がキラキラと輝いている。頭上から降り注ぐ熱は厳しさを増しているが、川遊びに勤しんでいる子どもたちは、暑さをものともしていない。
――元気だなぁ。
浅瀬で羽山と一緒に遊んでいる凛音たちの姿はいかにも無邪気だ。大きな水鉄砲を持ってきた暁斗は、嬉しそうに空に向けている。岩場からその様子を見守っていた日和は、ゆっくりと目を細めた。
昼食後、川遊びに大半の生徒たちがやってきている。昼夜逆転の生活が抜けきれていない子や、室内でお喋りをしたいという子たちは、愛実と一緒にバンガローに向かった。無理をする必要はないのだから、それでいいと日和は思う。
「日和くん、泳げないんだって?」
不意に落ちてきた影に、日和はちらりと顔を上げる。日和と同じ学生ボランティアの名波だ。
「あ、いや、泳げないことはないんですけど。あまり川とかで泳いだことはないというか」
「わかる、わかる。私も自信ないもん。まぁ、ここは溺れるような川じゃないけどね」
「とは思いますけど」
視界から子どもたちを外すことはできない。苦笑して、日和は視線を川へと戻した。隣に名波が座る。
「そんなに肩に力を入れなくても大丈夫。私はここに来るのは三度目だけど、今までもなにもなかったから」
「……すみません、心配性で」
「放置するよりはいいと思うけど。今、大学三年生なんだっけ?」
「あ、はい。そう、です」
「教育学部?」
「はぁ、まぁ」
よどみなく続く声に気が散って、おざなりになる。同時に二つのことをこなせるほど器用ではないのだ。
――早く、真木さんも来ないかな。
昼食の担当の班の子たちと片づけをしてから、彼らを連れて来ると言っていたけれど。
「私はね、心理学の専攻で、今は院の二年。だから、キャンプは今年で最後になるかな」
「はぁ、そうですか」
「和さんは卒業してからも、こうやって手伝ってるけど、そこまで私はできないから。今年も本当はどうしようかなぁと思ってたんだけど、来てよかったかな」
最後の思い出作りだと解釈して、日和は気のない返事を繰り返した。いつのまにか、水遊びは水中ビーチバレー大会へと変貌している。
さすがに何年も参加しているというだけあって用意がいい。学人がビーチボールを水中に勢いよく打ち込んで、恵麻に怒られていた。
意識しないまま小さな笑みが零れた瞬間。右腕にひやりとした熱を感じた。ぱっと振り返った先で、名波が微笑む。
「日和くんに会えてよかったなって。ねぇ、日和くんって、彼女とかいるの?」
媚びるような甘えた声。子どもたちの声が遠のいていく感覚に、日和はそっと息を吐いた。努めてさりげない表情を取り繕う。不機嫌な顔を、ここで晒したくはなかった。
「いません」
腕を振りほどいて続ける。なんでもない口調で。
「けど、好きな人はいます」
それ以上の問答をする気は起らず、日和は岩場から立ち上がった。その姿を見とめた恵麻が、持っていたビーチボールを放り投げる。足元に転がってきたボールを拾って、日和も水の中に足を入れる。冷たかった。
「ぴよちゃん、やっと来た! 遊ぼう」
「うん、入れてくれる?」
凛音のあどけない表情に、少し気分がほぐれた。後ろを振り返ろうとは思わなかった。さすがに臍を曲げてどこかに行くような真似はしないだろう。
――というか、そんな人材だったら、優海さんも真木さんも置いておかないと思うし。
「モテるねぇ、ぴよちゃん」
凛音たちには聞こえない声音で羽山に囁かれて、日和はむっと眉根を寄せた。好きでモテているわけじゃない。どうせ見ているのは俺の見かけだけだ。
なんてことは、さすがに言えないけれど。
10
あなたにおすすめの小説
完結|好きから一番遠いはずだった
七角@書籍化進行中!
BL
大学生の石田陽は、石ころみたいな自分に自信がない。酒の力を借りて恋愛のきっかけをつかもうと意気込む。
しかしサークル歴代最高イケメン・星川叶斗が邪魔してくる。恋愛なんて簡単そうなこの後輩、ずるいし、好きじゃない。
なのにあれこれ世話を焼かれる。いや利用されてるだけだ。恋愛相手として最も遠い後輩に、勘違いしない。
…はずだった。
【完結】取り柄は顔が良い事だけです
pino
BL
昔から顔だけは良い夏川伊吹は、高級デートクラブでバイトをするフリーター。25歳で美しい顔だけを頼りに様々な女性と仕事でデートを繰り返して何とか生計を立てている伊吹はたまに同性からもデートを申し込まれていた。お小遣い欲しさにいつも年上だけを相手にしていたけど、たまには若い子と触れ合って、ターゲット層を広げようと20歳の大学生とデートをする事に。
そこで出会った男に気に入られ、高額なプレゼントをされていい気になる伊吹だったが、相手は年下だしまだ学生だしと罪悪感を抱く。
そんな中もう一人の20歳の大学生の男からもデートを申し込まれ、更に同業でただの同僚だと思っていた23歳の男からも言い寄られて?
ノンケの伊吹と伊吹を落とそうと奮闘する三人の若者が巻き起こすラブコメディ!
BLです。
性的表現有り。
伊吹視点のお話になります。
題名に※が付いてるお話は他の登場人物の視点になります。
表紙は伊吹です。
【完結】※セーブポイントに入って一汁三菜の夕飯を頂いた勇者くんは体力が全回復します。
きのこいもむし
BL
ある日突然セーブポイントになってしまった自宅のクローゼットからダンジョン攻略中の勇者くんが出てきたので、一汁三菜の夕飯を作って一緒に食べようねみたいなお料理BLです。
自炊に目覚めた独身フリーターのアラサー男子(27)が、セーブポイントの中に入ると体力が全回復するタイプの勇者くん(19)を餌付けしてそれを肴に旨い酒を飲むだけの逆異世界転移もの。
食いしん坊わんこのローグライク系勇者×料理好きのセーブポイント系平凡受けの超ほんわかした感じの話です。
兄貴同士でキスしたら、何か問題でも?
perari
BL
挑戦として、イヤホンをつけたまま、相手の口の動きだけで会話を理解し、電話に答える――そんな遊びをしていた時のことだ。
その最中、俺の親友である理光が、なぜか俺の彼女に電話をかけた。
彼は俺のすぐそばに身を寄せ、薄い唇をわずかに結び、ひと言つぶやいた。
……その瞬間、俺の頭は真っ白になった。
口の動きで読み取った言葉は、間違いなくこうだった。
――「光希、俺はお前が好きだ。」
次の瞬間、電話の向こう側で彼女の怒りが炸裂したのだ。
【完結】ぎゅって抱っこして
かずえ
BL
「普通を探した彼の二年間の物語」
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。
でも、頼れる者は誰もいない。
自分で頑張らなきゃ。
本気なら何でもできるはず。
でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。
僕の恋人は、超イケメン!!
刃
BL
僕は、普通の高校2年生。そんな僕にある日恋人ができた!それは超イケメンのモテモテ男子、あまりにもモテるため女の子に嫌気をさして、偽者の恋人同士になってほしいとお願いされる。最初は、嘘から始まった恋人ごっこがだんだん本気になっていく。お互いに本気になっていくが・・・二人とも、どうすれば良いのかわからない。この後、僕たちはどうなって行くのかな?
【完結】君を上手に振る方法
社菘
BL
「んー、じゃあ俺と付き合う?」
「………はいっ?」
ひょんなことから、入学して早々距離感バグな見知らぬ先輩にそう言われた。
スクールカーストの上位というより、もはや王座にいるような学園のアイドルは『告白を断る理由が面倒だから、付き合っている人がほしい』のだそう。
お互いに利害が一致していたので、付き合ってみたのだが――
「……だめだ。僕、先輩のことを本気で……」
偽物の恋人から始まった不思議な関係。
デートはしたことないのに、キスだけが上手くなる。
この関係って、一体なに?
「……宇佐美くん。俺のこと、上手に振ってね」
年下うさぎ顔純粋男子(高1)×精神的優位美人男子(高3)の甘酸っぱくじれったい、少しだけ切ない恋の話。
✧毎日2回更新中!ボーナスタイムに更新予定✧
✧お気に入り登録・各話♡・エール📣作者大歓喜します✧
すみっこぼっちとお日さま後輩のベタ褒め愛
虎ノ威きよひ
BL
「満点とっても、どうせ誰も褒めてくれない」
高校2年生の杉菜幸哉《すぎなゆきや》は、いつも一人で黙々と勉強している。
友だちゼロのすみっこぼっちだ。
どうせ自分なんて、と諦めて、鬱々とした日々を送っていた。
そんなある日、イケメンの後輩・椿海斗《つばきかいと》がいきなり声をかけてくる。
「幸哉先輩、いつも満点ですごいです!」
「努力してる幸哉先輩、かっこいいです!」
「俺、頑張りました! 褒めてください!」
笑顔で名前を呼ばれ、思いっきり抱きつかれ、褒められ、褒めさせられ。
最初は「何だこいつ……」としか思ってなかった幸哉だったが。
「頑張ってるね」「えらいね」と真正面から言われるたびに、心の奥がじんわり熱くなっていく。
――椿は、太陽みたいなやつだ。
お日さま後輩×すみっこぼっち先輩
褒め合いながら、恋をしていくお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる