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私の運命
ストーリー8
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「なんか凄い展開になったなぁ」
一人になった私は思わず呟いた。色んな事がありすぎて、今日一日で何ヶ月も時間が経ったような感覚だ。ジッとしていると頭の中は義雄の事でいっぱいになる。
「よし、取り敢えず掃除しよう」
気を取り直して掃除用具のある部屋へ行き、用具の確認をする。 そこでまず目に入ったのが自動掃除機能搭載の掃除機だ。初めてみる自動掃除機に少し興奮する。
「これで掃除してみようかな」
……?
どうしよう。使い方が分からない。部屋の奥の方を見ると、普通の掃除機があった。
「やっぱり、この掃除機で掃除するか」
私の部屋の掃除を始める。スーツ姿だと掃除がし辛いが仕方ないか。それにしても、この部屋にはベッドにテレビ、テーブルも置いてある。
もしかして誰かが使用していた部屋だったのだろうか。私なんかが使っても良いのだろうか。
そんな事を考えながら掃除は完了した。
「まだこんな時間かぁ」
スマートフォンで時間を確認するとまだ昼過ぎだった。お腹が空いたが食べるものもないし、特別する事もない。さて、何して時間潰ししようと考えていたその時、
……ガチャ
玄関の開く音がする。何故? まさか泥棒!? 私は恐怖を感じ、掃除用具の部屋からモップを持ち出し竹刀のように構えた。
ゴクリ
息を潜めて様子を伺う。怖いけど自分の身を守らなきゃいけない。
「えーい」
私はモップを持って勢いよく飛び出した。
「……何の真似だ?」
「し、進藤さん!?」
仕事中のはずの進藤さんがいる。私はモップを振り上げたまま、その場に固まった。
「あ、あの……お帰りなさい」
顔が引きつったまま無理やり笑顔を作る。恥ずかしすぎて穴があったら入りたい気分だ。
「部屋の掃除は終わったのか?」
「はい、終わりました」
進藤さんはモップを振り上げた私を見ても、何も言わず無表情のままだ。それが逆に怖い。
怒っているのか、呆れているのか。進藤さんの無表情からは読み取れなかった。
「外、行くぞ」
「えっ?」
「聞こえなかったのか? 行くぞ」
「は、はい」
私は慌てて返事をしてモップを戻し、進藤さんと家を出る。そして駐車場へ行くと、進藤さんは車の運転席に乗り込んだ。
「早く乗れ」
車の窓を開けて進藤さんは私に声をかける。 どこに行くのか、何をするのか分からないままだが、言われるがまま車の助手席に乗り込んだ。
私がシートベルトをするのを確認して、進藤さんは車を走らせた。さっきまで高瀬さんが運転していた黒の高級車ではなく、別の車だ。
これは進藤さんの車なのかな。慣れた手つきで車を運転している。
「何処へ行くんですか?」
運転している進藤さんに話しかけてみる。
「そうだな、とりあえず昼飯食べるか。何か食べたいものはあるか?」
食べたいものと言われても急には思いつかない。取り敢えず色んな食べ物を思い浮かべてみる。
「えっと、ハンバーガーとか?」
「ハンバーガー……分かった」
しまった。ついハンバーガーと言ってしまったけど、進藤さんとハンバーガー……合わない組み合わせだ。
今からでも違う食べ物を言った方がいいのだろうか。
しかし時すでに遅し。進藤さんの運転する車はハンバーガーショップに着いてしまった。
近くのパーキングに車を止めて、ハンバーガーショップへ入る。店内には若い客が多く、スーツ姿の私と進藤さんは店内の雰囲気から少し浮いている気がした。
注文したハンバーガーセットを持って窓側の席に座る。私はまずポテトから食べ始めた。
「あの進藤さん、お仕事は大丈夫なんですか?」
「今日の仕事は終わらせてきた。問題ない」
進藤さんはあっという間にハンバーガーを平らげて、優雅にホットコーヒーを飲みながら答えた。
ピリリッ
ピリリッ
コーヒーを飲んでいる進藤さんのスマートフォンが鳴り始める。着信を確認すると進藤さんは席を外し、外に出て通話を始めた。
私はスマートフォンで話している進藤さんを窓越しに見る。やっぱり進藤さんは忙しそうだ。
それなのに私と行動を共にしているのは、きっとお金もなくお腹を空かせている私に気を使ってくれたのだろう。
第一印象は優しい人。でもそれは仕事の時だけで、実際はクールな性格かと思えば、やっぱり根は優しい人……なのかな。まだ良く進藤さんの事、分からないや。
そんな事を考えながら、私はハンバーガーを口にした。
ハンバーガーを食べ終わる頃に進藤さんが戻ってきた。
「食べ終わったか? 行くぞ」
ハンバーガーショップを出て、また車へ戻る。私は助手席に乗ってシートベルトをした。それを確認すると進藤さんは車を走らせた。
一人になった私は思わず呟いた。色んな事がありすぎて、今日一日で何ヶ月も時間が経ったような感覚だ。ジッとしていると頭の中は義雄の事でいっぱいになる。
「よし、取り敢えず掃除しよう」
気を取り直して掃除用具のある部屋へ行き、用具の確認をする。 そこでまず目に入ったのが自動掃除機能搭載の掃除機だ。初めてみる自動掃除機に少し興奮する。
「これで掃除してみようかな」
……?
どうしよう。使い方が分からない。部屋の奥の方を見ると、普通の掃除機があった。
「やっぱり、この掃除機で掃除するか」
私の部屋の掃除を始める。スーツ姿だと掃除がし辛いが仕方ないか。それにしても、この部屋にはベッドにテレビ、テーブルも置いてある。
もしかして誰かが使用していた部屋だったのだろうか。私なんかが使っても良いのだろうか。
そんな事を考えながら掃除は完了した。
「まだこんな時間かぁ」
スマートフォンで時間を確認するとまだ昼過ぎだった。お腹が空いたが食べるものもないし、特別する事もない。さて、何して時間潰ししようと考えていたその時、
……ガチャ
玄関の開く音がする。何故? まさか泥棒!? 私は恐怖を感じ、掃除用具の部屋からモップを持ち出し竹刀のように構えた。
ゴクリ
息を潜めて様子を伺う。怖いけど自分の身を守らなきゃいけない。
「えーい」
私はモップを持って勢いよく飛び出した。
「……何の真似だ?」
「し、進藤さん!?」
仕事中のはずの進藤さんがいる。私はモップを振り上げたまま、その場に固まった。
「あ、あの……お帰りなさい」
顔が引きつったまま無理やり笑顔を作る。恥ずかしすぎて穴があったら入りたい気分だ。
「部屋の掃除は終わったのか?」
「はい、終わりました」
進藤さんはモップを振り上げた私を見ても、何も言わず無表情のままだ。それが逆に怖い。
怒っているのか、呆れているのか。進藤さんの無表情からは読み取れなかった。
「外、行くぞ」
「えっ?」
「聞こえなかったのか? 行くぞ」
「は、はい」
私は慌てて返事をしてモップを戻し、進藤さんと家を出る。そして駐車場へ行くと、進藤さんは車の運転席に乗り込んだ。
「早く乗れ」
車の窓を開けて進藤さんは私に声をかける。 どこに行くのか、何をするのか分からないままだが、言われるがまま車の助手席に乗り込んだ。
私がシートベルトをするのを確認して、進藤さんは車を走らせた。さっきまで高瀬さんが運転していた黒の高級車ではなく、別の車だ。
これは進藤さんの車なのかな。慣れた手つきで車を運転している。
「何処へ行くんですか?」
運転している進藤さんに話しかけてみる。
「そうだな、とりあえず昼飯食べるか。何か食べたいものはあるか?」
食べたいものと言われても急には思いつかない。取り敢えず色んな食べ物を思い浮かべてみる。
「えっと、ハンバーガーとか?」
「ハンバーガー……分かった」
しまった。ついハンバーガーと言ってしまったけど、進藤さんとハンバーガー……合わない組み合わせだ。
今からでも違う食べ物を言った方がいいのだろうか。
しかし時すでに遅し。進藤さんの運転する車はハンバーガーショップに着いてしまった。
近くのパーキングに車を止めて、ハンバーガーショップへ入る。店内には若い客が多く、スーツ姿の私と進藤さんは店内の雰囲気から少し浮いている気がした。
注文したハンバーガーセットを持って窓側の席に座る。私はまずポテトから食べ始めた。
「あの進藤さん、お仕事は大丈夫なんですか?」
「今日の仕事は終わらせてきた。問題ない」
進藤さんはあっという間にハンバーガーを平らげて、優雅にホットコーヒーを飲みながら答えた。
ピリリッ
ピリリッ
コーヒーを飲んでいる進藤さんのスマートフォンが鳴り始める。着信を確認すると進藤さんは席を外し、外に出て通話を始めた。
私はスマートフォンで話している進藤さんを窓越しに見る。やっぱり進藤さんは忙しそうだ。
それなのに私と行動を共にしているのは、きっとお金もなくお腹を空かせている私に気を使ってくれたのだろう。
第一印象は優しい人。でもそれは仕事の時だけで、実際はクールな性格かと思えば、やっぱり根は優しい人……なのかな。まだ良く進藤さんの事、分からないや。
そんな事を考えながら、私はハンバーガーを口にした。
ハンバーガーを食べ終わる頃に進藤さんが戻ってきた。
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