転生したら竜王様の番になりました

nao

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王宮での生活

父様と別れた後、私は とろけるような笑顔を向ける竜王様に抱き上げられ、彼の執務室に連れて行かれました。
そこで、王様の側近である 3人の竜人を紹介されました。
 
筆頭公爵家、次男のカーシル様。
緑の髪、ペリドットのような若草色の瞳の緑竜人で、王様や、私の母様と 幼馴染だそうです。
彼の父は現在、この国の宰相閣下でいらっしゃいます。

次に、ヒューリン様は、赤い髪、ルビーのような赤い瞳の赤竜人で、伯爵位を賜っておられます。
王様を守る近衛騎士団の団長様で、王様が小さな頃から 王様の護衛をしていらしたそうです。

そして、シンロク様は、明るい黄土色の髪に、私の父様とよく似た琥珀の瞳の黄竜人で、これからは ずっと、私の護衛をして下さるそうです。
子爵家の3男で、彼は、他の皆様よりもまだ若く、感情のコントロールが苦手なようで、比較的大人しいと言われている黄竜人であるにもかかわらず、苛烈な性格をしているらしいです。

そして、後1人、今 ここにいない魔道士団副団長である、エレノア様は、侯爵令嬢で、王様やカーシル様、そして私の母様とも幼馴染だそうです。
黒い髪、黒曜石のような黒い瞳を持っていらっしゃって、とても美しく、巷の吟遊詩人が「夜の女神」と歌に歌う程とても美しい方だそうです。
普段はスラリとした身体に騎士服を纏い、魔法だけでなく、女だてらに剣も振るう、麗しの男装の麗人と言われているそうです。
黒豹獣人の父と、鳥人族の母を持ち、剣術、体術、魔法と全てに精通しており、その容姿も美しく、その完璧さから、竜王陛下の妃候補筆頭とも言われているそうです。

他にも、執事のジョナサン。
侍女長のマーサを紹介されました。

私は、王様の膝抱っこから開放してもらい、執務室に集まった方達に、丁寧にカーテシーをして、
「これから、宜しくお願い致します。」と、挨拶をしました。
挨拶が終わると、すぐさま王様の膝の上に乗せられます。
今から、夕食までの 2時間程、王様はお仕事をされるらしいので、私はお暇しようと、膝から降りようとしましたが、お腹に腕を回されて、ギュッと抱きしめられ、動けなくなりました。
「王様?」
何だろう?と 思って、王様の顔を下から見上げます。
「何処に行くつもりだ?」
「えっと···お仕事の邪魔でしょうから、部屋に下がろうと思ったのですが···」
「ダメだ。私から離れるのは許さない。」
私を離すまいと、更に腕に力が入る王様。
「へっ? いやいやダメじゃ無いでしょう。いくら私が小さい子だからといって、ずっと膝抱っこなんて嫌ですよ。」
「ミラは 私と居るのが嫌なのか?」
物凄く、悲しそうな顔をして、こちらを見つめる王様。
「嫌とかじゃ無くて、お仕事の邪魔になるでしょう?」
「大丈夫だ。むしろはかどる。」
王様と無駄なやり取りをしていると、くすくすとカーシル様が笑いながら、私におっしゃいました。
「ミラ様、陛下が構わないとおっしゃいますので、どうか、そのままで。勿論、ミラ様が呆れば、すぐにでも 下りて頂いて構いませんよ。」
「カーシル、勝手に決めるな。」
ちょっとむくれて王様がカーシル様に言い返します。
仕方がないので、
「じゃぁ、見張っててあげますから、さっさとお仕事を片付けましょう。」
そう言うと、王様はパァッと嬉しそうな顔をしました。
何ですか?その 無駄に美しい笑顔は。
胸が「ドクン!」と1つ跳ねました。

そうこうしているうちに、早速 カーシル様がドッサリと王様の前に書類を積み上げました。
それを見て、ビックリした私は
「すごいですね。こんなにあるんですか?」
あまりの仕事の多さに、カーシル様に問いかけました。
「ええ、まぁ、最近は、陛下がポンコツになっていたせいで、執務が溜まっているのですよ。」
積み上げられた書類を1つ1つ 王様がチェックして、サインしてゆきます。
私は王様の膝の上で、じっと それを見ていました。
よく見ると、書式もバラバラで、分類もされておらず、上がって来る訴状を、そのまま、持ち込んでいるように見えます。
何というか、効率悪そう···
「カーシル様、ここに持ち込まれる訴状は、予め分類とかはしないんですか?」
「ぶんるい ですか?」
あれ? もしかして 分類が解らない事なんて無いですよね?
「えーっと、例えば、土木に関する物、これとか、これ。経理に関する物、これ、これ、これもかな? こちらは、警備に関する物、こんなふうに、部署によって始めに分けておくんです。」
私は部署ごとに目の前にある書類を分けてゆきます。
「後、更に、緊急性のあるもの、すぐに決定出来る物、出来ない物、再考が必要な物。」
そう言いながら、部署ごとに分けた物を更に分けてゆきます。
「始めにこうしておけば、お仕事の効率も上がるし、王様の負担も少しは減るのかな···と」
「ミラ!」
いきなり 王様にぎゅうぎゅうと、抱き締められます。
王様、苦しいです。ギブギブ!
「ミラはなんて優しいんだ。私を気遣い、仕事を減らそうとしてくれるなんて···」
そう言って、いきなりぶちゅーっと、キスされました!!
しかも、ベロチューです!!!
あんまりにも突然すぎて、ビックリして、あっという間に、瞳から大量の涙が溢れてきます。
「やーーーーー!!!!!」
王様の顔に爪を立て、必死になって王様から離れるべく、身体をのけ反る私。
この際、落ちても仕方がありません。
のけ反る
のけ反る
のけ反るーーーーー
なのに、落とすまいと、ガッチリ王様に身体をホールドされています。
必死になって、のけ反りながら、私は外まで響き渡る程の大声でギャン泣きしました。
「ミラ様!」
あわてて部屋に入って来たマーサにとっさにしがみつきます。
王様の胸を蹴飛ばして、マーサに抱っこしてもらいます。
私のファーストキスが···
ひどい···
嗚咽が止まりません。
「ミラ···」
真っ青な顔をして、ボー然と立ち尽くす王様。
でも、私はもう 王様をかまう余裕なんてありません。
ベロチューされたショックに涙が止まりません。
マーサに抱っこされ、部屋から出してもらい、マーサに抱かれ、ユラユラとされているうちに、やっと落ち着いて来ました。
落ち着いたら眠くなってしまい、その日はそのまま眠ってしまいました。


その頃、王様の執務室では、私に思いっきり拒否された王様が、カーシル様達に励まされ、泣きながら、なんとか仕事をこなしていたそうです。

次の日、私の部屋を訪れた王様は、私の顔を見るなり、床にひざまづき、土下座して、許しを請いました。
「どーか 許して下さい。もう2度と、ミラの許可無く、あんなことはしません。だから どーか 許して下さい。このとうりです。ごめんなさい。」
仕事の前に 私の様子を見に来ていた父様の首に、しっかりと巻き付いて、ジト目で王様を見ていると、
「ミラ、お願いだから、そんな目で私を見ないで···」
そう言って、涙を浮かべる王様。
「もう、絶対しない?」
「絶対しません。」
「本当に?」
「本当です。ミラが良いって言うまで 絶対しません!」
本当に大丈夫かな?
まだ 信用出来ない私に、父様が言いました。
「ミラ、陛下も こんなに謝っているんだから、許してあげても良いんじゃないかな?」
王様に土下座までされて、父様の顔色が随分悪くなっています。
もう これ以上は、しょうがないか···
父様に 下におろしてもらって、王様の側に立ちました。
「立ってください、王様。」
ぱっと顔を上げて、目を涙で潤々させた王様が私を見つめます。
「ミラ···許してくれるのか?」
瞳を不安気に揺らして、王様が訊ねます。
「しょーがないから、許してあげます。」
「ミラ!!」
許しをもらえた喜びに、私を抱き締めようとした、その手が、止まります。
「あの···抱きしめても良いだろうか?」
泣きそうな顔をして、聞いて来る王様。
昨日私に拒絶された事が、相当きつかったみたいです。
こちらに手を伸ばしたまま、固まっている王様の手を取り、私の手と繋いで、
「今からお仕事でしょう?行きますよ。さぁ、立って下さい。」
「あぁ、行こう。」
満面の笑顔で、王様は立ち上がり、私と手を繋いで、執務室に向かいました。
まったく、世話のやける王様ですね。
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