悲しい恋 【完結】

nao

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もう一つの結婚式

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 王女が18才の誕生日を迎えた。
今夜は 王女の成人を祝う舞踏会だ。
今日も私は、王女をエスコートし、王女の横で、作り物の愛想笑いを顔に貼り付け、ただ人形のように王女の隣に立っている。
来月の卒業式が終われば、結婚式が待っている。
逃げ出したい。
(レミィ…)
小さく 口の中で呟いた。
レミィが結婚して、1年が過ぎた。
悪い噂は聞かない。
王太子妃となり、夫婦の仲も良好で、後は世継ぎの誕生を待つばかり。
そんな噂を耳にする。
胸の内にドス黒い物が広がってゆく。
苦しい…
レミィと別れてから ずっと 死んだように生きている。
暗い瞳をして、目の下にクマを作って、顔つきは益々キツイものになっていた。
あの王女は こんな私の何がいいのか、熱に浮かされたように、頬を染めて私の腕に、自分の腕を絡め、グイグイと胸を押し付けて、迫ってくる。
吐き気がする。
せり上がってくるものをなんとか飲み込み、王女とダンスを踊る。
ゆっくりと心が死んでゆく。


王女の誕生パーティーから1ヶ月。
王女と私の結婚式は、眩しいくらいの青空が広がる、素晴らしい天気の日に行われた。
「真実の愛」「世紀の恋」
王女が流した噂に 国民は熱狂し、盛り上がっている。糞食らえだ…
目をつむり、レミィの顔を思い浮かべ、荒れた心を落ち着かせる。
教会から王宮に戻り、王と王妃に無事、調印が済んだことを報告し、結婚披露パーティーで、王女とファーストダンスを踊る。
このあとの初夜の事を考えると、鳥肌が全身を覆う感覚に身震いする。
「レオ様、緊張されているのですか?顔色が悪いですわ。」
私を上目遣いで見つめ、頬を染めている。
王女を見ていると、このまま首を締めてやりたい衝動にかられる。ゆっくりと目を閉じ、かぶりをふって「いいえ、大丈夫です。」
そう答えるのが精一杯だった。
ダンスを踊る事さえ、吐き気がするのに、夜を共にするなんて考えられない。
案の定、私は王女を抱くことは出来なかった。
こればっかりはしょうが無い。私が反応するのは、レミィだけ。
彼女だけが私を男に出来るのだから。
だが、王女は諦めなかった。夜毎私に閨事を強要する。
1ヶ月が過ぎた頃、私は王女に薬を飲まされた…
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