悲しい恋 【完結】

nao

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ノアール

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 レミリアが死んだ。
16才の時に、この国にやって来て、20年。
まだ、36才だった。
早すぎる彼女の死に、打ちのめされる。
彼女の死に、国中が悲しんでいる。
寝台に横たわる彼女の頬を撫でる。
綺麗に化粧され、後は棺に納められるのを待つだけとなった。
「アン。」
彼女の侍女を呼ぶ。
「はい、陛下。」
「レミリアの指輪をここへ。」
「えっ?!」
アンが動揺する。
「レミリアが大切にしていた、小さな指輪だ。今すぐ 持って来るんだ。」
アンが、ギュッと手を握りしめて、私に訴える。
「陛下。申し訳ありません。 あれは、王妃様が…」
「いいから 早く持って来るんだ。今すぐ!」
私はアンの言葉を遮って、命令した。
「かしこまりました。」
青い顔をして、アンは奥のクローゼットへ、入って行く。
しばらくすると、その手に、小さな子供がするような、金の指輪を持って来た。
「こちらでございます。」
私は、その指輪を受け取り、自分の胸のポケットから細い金の鎖を取り出し、その指輪を通した。
「レミリア、忘れ物だ。大事な物だろう。」
そう言って、レミリアの細い首に掛けてやる。
「陛下…」
アンのすすり泣くこえが聞こえる。
「これを付けていれば、あちらでも、すぐに見つけてもらえるだろう。あの世で幸せになるといい。」
そっと、レミリアに口付ける。
「陛下…ありがとうございます…ありが…とう…ございま…」
「アン、今迄ご苦労だった。これからも子供達を頼む。」
「はい…はい陛下…」
扉の外で待っていた子供達を部屋に入れてやり、私は葬儀の準備の為、そのまま部屋を出た。



 オルランド帝国にやって来て20年
レミリア-オルランド 36才だった
王妃として、国の為に尽くし
妻として、夫である王を支え
母として、3人の子供達を立派に育てた
国を想い、民を想い、国民に愛された王妃だった。

彼女の棺は、たくさんの白い花で飾られ、その指には、王の愛の証であるオニキスの指輪が嵌められていた。
そして、細い鎖に通された小さな金の指輪が、彼女の首にかけられていた。

彼女を愛した、2人の男からの、愛の証だった。
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