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悪虐氷姫-3
しおりを挟む2年になって私は騎士科を選択する事にしました。
騎士科ならクラスのほとんどは男子ですから女子の様な陰湿な嫌がらせを受ける事は無いだろうと思ったからです。
それにここなら実力さえあれば十分やっていける、そう考えたのです。
私は魔法剣士になる為、毎日訓練に明け暮れました。
毎日精一杯身体を動かして、くたくたになって眠れば嫌な事を考える暇もありません。
男子生徒もさすが騎士道を目指すだけあって、女子である私に乱暴なマネをする者もいませんでした。
一部の姉の取り巻きの生徒に嫌がらせをされる事はありましたが直接手を出して来る者はいませんでした。
私は女性騎士として実力を重ね、何とか周りにも認められる様になっていきました。
何人か気安く話の出来る友達も出来たと新しい世界に目を輝かせていたのに、アリシアお姉様はそれが気に入らなかったのでしょう。
「男に媚びる淫乱女」
「婚約者のいる男性に色目を使う泥棒女」
そんな噂がまたたく間に学園中に広がったのです。
全くそんな根も葉もない噂を信じる者にも呆れてしまいます。
でも、学園に婚約者を持つ友人達は次々と私から離れていきました。
あっと言う間に私は又1人になりました。
アリシアお姉様のほくそ笑む顔が目に浮かぶようです。
誰も評判の悪い私と友人でいようとは思いません。
最高学年になったアリシアお姉様は生徒会長として学園に君臨しています。
学園の女王に睨まれたら学園生活も苦いものに変わるでしょう。
誰も私の味方ををしようなんて友人はいませんでした。
誰も彼も皆んな災いの元に近づきたくないと私から遠ざかって行ったのです。
とうとう私は我慢出来なくなってアリシアお姉様の所に怒鳴り込みました。
6年生のアリシアお姉様の教室に乗り込むとアリシアお姉様は取り巻きの令嬢に囲まれて楽しそうにお喋りしていました。
私はつかつかとアリシアお姉様の前に立ち、
「アリシアお姉様、根も葉もない噂をばら撒くのはおやめ下さい!皆んな立派な騎士になる為に日々訓練に励んでいるのです。女にうつつを抜かす様な者は1人もおりません!発言の撤回を要求いたします!」
怒ってアリシアお姉様に詰め寄るも、お姉様はチラリとこちらを一瞥するとさっと扇を取り出し、広げて口元を隠しながら、
「あら、私は見たままを話しただけだわ。大勢の男子生徒に囲まれてだらしなく笑っているあなたを見ていたのは私だけでは無くてよ。」
そう言いながら周りに侍らせている取り巻き令嬢達に視線を送ります。取り巻き令嬢達は「そうよそうよ」とアリシアお姉様の言葉に首を縦に振ります。
「共に訓練している仲間です。嫌らしい目で見ないで下さい!」
「あら、それじゃあ あなたが仲間だなんて言って嫌がる生徒を振りまわしているのね、周りの者はさぞかし迷惑に思っている事でしょうね。少しはわきまえたらどうかしら。」
「お姉様!」
お姉様の言葉に怒りが抑えられず、私の身体から魔力が溢れます。
怒りに任せてアリシアお姉様の足元を凍らせてしまいました。
教室の中に「キャア!!」と悲鳴が響きます。
「ほら!やっぱり!そうやって魔力て人を黙らせようとしても無駄よ!私は有りもしない噂を流している訳では無いわよ。私はこの目で見たことを話しているだけよ!本当にこんな妹がいるだなんて恥ずかしくてたまらないわ!あなたも学園に通うならもっと自分の行動に気を付ける事ね!」
言いたいことだけ言ってアリシアお姉様は取り巻きを引き連れて去っていきました。取りつく暇もありません。
姉は昔からそうでした。
私のやる事なす事目の敵にして、私を侮辱し、貶め、悪い噂を流す。嫌な思いをするだけなのでアリシアお姉様にはなるべく近づかない様に気を付けていますが、今は同じ学園に通っている為そうそう避けてばかりも居られません本当に気が滅入ります。
学園には3歳年上の兄、アリステアカーク
お兄様も通っていますが、アリステアお兄様もアリシアお姉様には勝てないので、あまり当てにはなりません。
そんな学園生活もアリシアお姉様の卒業と共に少しはマシになるかと思っていたのですが…相変わらず私は一人ぼっちで今度はアリシアお姉様の取り巻きに嫌がらせをされています。
そんなある日、中央の大国、トルティア帝国の王太子、リオネルリード王太子殿下が我が国にやって来ると聞きました。
私は15歳になっていました。
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