悪虐氷姫の幸せな結婚

nao

文字の大きさ
7 / 64

花嫁探し-1

しおりを挟む


トルティア帝国を出て3ヶ月、やっとノースウッド王国にやって来た。

「遠い所ようこそお越し下さいました。ノースウッド王国王太子、アリステアカーク=ノースウッドと申します。」

「お初にお目にかかります。ノースウッド王国第一王女、アリシアローズ=ノースウッドと申します。」

王宮城門を括り、王宮前に到着すると、ノースウッド王太子と第一王女と名乗る2人に出迎えられた。
2人とも金髪にエメラルドのような美しい緑の瞳のとても美しい容姿をしていた。

「盛大なお出迎え痛み入る。トルティア帝国王太子、リオネルリード=トルティアです。しばらく世話になる。よろしく頼みます。」

「遠い所お疲れでしょう。先ずはお部屋にご案内致します。どうぞゆっくりと旅の疲れをお取りください。」

そう言って、第一王女が王宮内へ私達を迎え入れる。

目当ての王女でなくチョットがっかりだな…
そんな事を思いながら案内された部屋に入り、側近達と明日の予定を確認する。

「殿下、明日は午後2時より国王との謁見、夜には王族との晩餐会か予定されています。」

側近のアンドレが先ほど渡された予定票を見ながら明日の予定を確認していく。

「晩餐会の時には第二王女にあえそうだな。」

「そうですね」

「悪名高い第二王女ですか…一体どんな女の子なんでしょうね。たった15歳でこれほど悪名を轟かせるなんてある意味すごいですよね。」

「コラ!エリオ、口が過ぎるぞ。」

「兄上だって気になるくせに…」

扉の横で護衛するオスカーとエリオが言い合いを始めた。

「とにかく、会ってみないと始まらないからな。明日が楽しみだ。」

「さぁさぁ、取りあえず今日は何も予定がありませんから、ゆっくり休んで明日に備えましょう。」


パンパンと手を叩きながらアンドレが言う。

次の日私は午後の謁見に向かった。

謁見の間には国王と王妃が2人。
そして王子が2人、私達を迎えてくれた。

(あれが報告書にあった無能妃と有能妃か…)

国王の両脇に座る2人の妃。
右に座る無能妃(正妃)は、派手なピンクの髪。エメラルドの様な緑の瞳。容姿に負けない派手な金色のドレスを身に着けている。随分身なりに金をかけていそうだ。確か国王と同じ年の44歳だったはず。年齢よりもずっと若く見える。

そして、左に座る有能妃(第二妃)は淡い金の髪に薄い水色の瞳。落ち着いた青いドレスに身をつつみとても知的な印象を受ける。確かまだ30代前半の若さだったと思うが正妃とあまり変わらないように見えるな…

そして、正妃の横に立つのが第一王子と王太子か…

王太子は亡くなった母の身分が高く、母の実家である公爵家はあらゆる部署で要職についている。
中でも彼の伯父はこの国の宰相を務めている。母かいなくとも後ろ盾がしっかりしているようだ。

それに比べて正妃の実家は男爵家。養家は伯爵家で公爵家程の力は無い。
後ろ盾の大きさで第二王子が王太子に選ばれたそうだ。

当たり障りのない会話を交わし、謁見は20分程で終了した。

部屋に戻り、晩餐会の準備をする。
軽く湯浴みをして、正装を身に着ける。晩餐会は夕方6時から、私は第二王女との交流にガラにもなく、今度こそ会えるのかと思い、ソワソワしていた。

ところが、晩餐会の席に第二王女の姿は無かった。

晩餐を終え、私達は部屋に戻って来た。

「どう思う?」

窮屈な上着を脱ぎながら、側近達に問いかける。

「体調でも崩していたんでしょうか?」

オスカーが答える。

「それが…  事前に受け取ったリストの人数と今日の晩餐会の人数に違いが無かったんですよね…」

アンドレが事前に受け取ったリストをもう一度確認しながら答える。

「第二王女はまだ15歳だから成人前として参加していなかったとか?」

エリオが首をひねる。

「ノースウッド側には、私が第二王女目当てでこの国に来訪した事はそれとなく伝えているのだが…」

「ではヤッパリ体調不良?」

エリオの首が更に曲がる。

「まぁ、明日は舞踏会だ。わたしの為に国中の未婚、又は婚約者のいない女性が集められているそうだから、きっと会えるだろう。取りあえず第二王女の事は明日まで待って見よう。」

そうして今だ会う事の出来ない第二王女の事は明日まで一旦棚上げとなった。






しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

虐げられた私、ずっと一緒にいた精霊たちの王に愛される〜私が愛し子だなんて知りませんでした〜

ボタニカルseven
恋愛
「今までお世話になりました」 あぁ、これでやっとこの人たちから解放されるんだ。 「セレス様、行きましょう」 「ありがとう、リリ」 私はセレス・バートレイ。四歳の頃に母親がなくなり父がしばらく家を留守にしたかと思えば愛人とその子供を連れてきた。私はそれから今までその愛人と子供に虐げられてきた。心が折れそうになった時だってあったが、いつも隣で見守ってきてくれた精霊たちが支えてくれた。 ある日精霊たちはいった。 「あの方が迎えに来る」 カクヨム/なろう様でも連載させていただいております

この度娘が結婚する事になりました。女手一つ、なんとか親としての務めを果たし終えたと思っていたら騎士上がりの年下侯爵様に見初められました。

毒島かすみ
恋愛
真実の愛を見つけたと、夫に離婚を突きつけられた主人公エミリアは娘と共に貧しい生活を強いられながらも、自分達の幸せの為に道を切り開き、幸せを掴んでいく物語です。

私の存在

戒月冷音
恋愛
私は、一生懸命生きてきた。 何故か相手にされない親は、放置し姉に顎で使われてきた。 しかし15の時、小学生の事故現場に遭遇した結果、私の生が終わった。 しかし、別の世界で目覚め、前世の知識を元に私は生まれ変わる…

ある日、私は事故で死んだ───はずなのに、目が覚めたら事故の日の朝なんですけど!?

ねーさん
恋愛
   アイリスは十六歳の誕生日の前の日に、姉ヴィクトリアと幼なじみジェイドと共に馬車で王宮に向かう途中、事故に遭い命を落とした───はずだったが、目覚めると何故か事故の日の朝に巻き戻っていた。  何度もその日を繰り返して、その度事故に遭って死んでしまうアイリス。  何度目の「今日」かもわからなくなった頃、目が覚めると、そこにはヴィクトリアの婚約者で第三王子ウォルターがいた。  「明日」が来たんだわ。私、十六歳になれたんだ…

【完結】公爵子息は私のことをずっと好いていたようです

果実果音
恋愛
私はしがない伯爵令嬢だけれど、両親同士が仲が良いということもあって、公爵子息であるラディネリアン・コールズ様と婚約関係にある。 幸い、小さい頃から話があったので、意地悪な元婚約者がいるわけでもなく、普通に婚約関係を続けている。それに、ラディネリアン様の両親はどちらも私を可愛がってくださっているし、幸せな方であると思う。 ただ、どうも好かれているということは無さそうだ。 月に数回ある顔合わせの時でさえ、仏頂面だ。 パーティではなんの関係もない令嬢にだって笑顔を作るのに.....。 これでは、結婚した後は別居かしら。 お父様とお母様はとても仲が良くて、憧れていた。もちろん、ラディネリアン様の両親も。 だから、ちょっと、別居になるのは悲しいかな。なんて、私のわがままかしらね。

『影の夫人とガラスの花嫁』

柴田はつみ
恋愛
公爵カルロスの後妻として嫁いだシャルロットは、 結婚初日から気づいていた。 夫は優しい。 礼儀正しく、決して冷たくはない。 けれど──どこか遠い。 夜会で向けられる微笑みの奥には、 亡き前妻エリザベラの影が静かに揺れていた。 社交界は囁く。 「公爵さまは、今も前妻を想っているのだわ」 「後妻は所詮、影の夫人よ」 その言葉に胸が痛む。 けれどシャルロットは自分に言い聞かせた。 ──これは政略婚。 愛を求めてはいけない、と。 そんなある日、彼女はカルロスの書斎で “あり得ない手紙”を見つけてしまう。 『愛しいカルロスへ。  私は必ずあなたのもとへ戻るわ。          エリザベラ』 ……前妻は、本当に死んだのだろうか? 噂、沈黙、誤解、そして夫の隠す真実。 揺れ動く心のまま、シャルロットは “ガラスの花嫁”のように繊細にひび割れていく。 しかし、前妻の影が完全に姿を現したとき、 カルロスの静かな愛がようやく溢れ出す。 「影なんて、最初からいない。  見ていたのは……ずっと君だけだった」 消えた指輪、隠された手紙、閉ざされた書庫── すべての謎が解けたとき、 影に怯えていた花嫁は光を手に入れる。 切なく、美しく、そして必ず幸せになる後妻ロマンス。 愛に触れたとき、ガラスは光へと変わる

狂おしいほど愛しています、なのでよそへと嫁ぐことに致します

ちより
恋愛
 侯爵令嬢のカレンは分別のあるレディだ。頭の中では初恋のエル様のことでいっぱいになりながらも、一切そんな素振りは見せない徹底ぶりだ。  愛するエル様、神々しくも真面目で思いやりあふれるエル様、その残り香だけで胸いっぱいですわ。  頭の中は常にエル様一筋のカレンだが、家同士が決めた結婚で、公爵家に嫁ぐことになる。愛のない形だけの結婚と思っているのは自分だけで、実は誰よりも公爵様から愛されていることに気づかない。  公爵様からの溺愛に、不器用な恋心が反応したら大変で……両思いに慣れません。

魔力なしの役立たずだと婚約破棄されました

編端みどり
恋愛
魔力の高い家系で、当然魔力が高いと思われていたエルザは、魔力測定でまさかの魔力無しになってしまう。 即、婚約破棄され、家からも勘当された。 だが、エルザを捨てた奴らは知らなかった。 魔力無しに備わる特殊能力によって、自分達が助けられていた事を。

処理中です...